私は自他共に認めるインドマニアだ。「海外旅行=インド」と脳内ですぐに変換されてしまう。それもバックパッカースタイルで一人旅だ。もうインドに何回行っただろう。過去10年のパスポートはインドの入国スタンプでいっぱいだ。最後に行った時には長期滞在したいあまりに学生ヴィザを取った。

インドの何がそんなに私を惹きつけるのか全くわからない。大気汚染は酷いし、人だらけだし、日本人から見ればびっくりするほど不衛生だし、外国人と見ると隙あらばぼったくろうとしてくるし、私の泊まるレベルのゲストハウスはお世辞にもキレイとは言えないレベルだ。

始まりはグラビア雑誌
 

では、なぜインドに行くのか。事の始まりは高校生の時に図書室で見た海外の風景が写ったグラビアの1ページ。ガンジス川で沐浴するヒンドゥー教徒の人々の姿がそこにあった。その姿に妙に惹かれ、20世紀中にインドに行ってみようと思ったことにさかのぼる。

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            撮影:madokajee

20世紀最後の2000年の末、私はデリーの空港に初めて着いた。滑り込みセーフである。ちなみにこれが初めての海外旅行だった。デリーの空港は今でこそ立派だが、当時はもっと小規模で、簡素で、これが首都の空港なのかと首をひねりたくなるような佇まいだった。

飛行機から出た途端に空気の濃度にパンチをくらった。「これはヤバい、絶対にハマる……」とその瞬間に確信した。イミグレーションを抜け、レートが悪いことも知らずに空港内の銀行でとりあえず1万円をルピーに両替してゲートを出ると、大量のインド人がまばたきもせずに獲物を探すような目で到着した人々を見ていた。

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何だこれ、ぞくぞくする
 

「何だこれ、ぞくぞくする」と好奇心が飛び跳ねた。挑戦状を叩きつけられたような気分だった。しかし残念ながら初めての海外、しかも悪名高いインドだけにオールフリーのツアーに申し込んで行ったので、きちんと迎えのガイド氏が来ていた。

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デリー~ヴァラナシ~アーグラーの鉄板の観光地を巡る旅。10泊11日の旅で、列車移動からホテルまではガイド氏が同行するが、それぞれの街ではこちらから申し出ない限り全て自由行動。当然のように全て自由行動を選んで中途半端なレベルのホテルに泊まり、1人でわくわくしながらあちこちを見て歩いた。

インドへの再チャレンジを決める
 

騙されもしたし、ほんの少額ながらボラれもしたが、それすら面白く、ガイド氏から「あなたはツアーに向いてない。バックパッカーで来たらいい」と太鼓判を押されて調子に乗った。今度はバックパッカーとして1人でインドにチャレンジしてやるんだ!とインド熱は覚めやらず、すぐに次の渡航の計画を着々と練り始めた。

(次回へ続く)

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