ぷらすです。
みなさんはギレルモ・デル・トロという映画監督をご存知でしょうか?
2006年内、戦後のスペインを舞台にしたダークファンタジー「パンズ・ラビリンス」で世界的な評価を得、2013年巨大ロボットと怪獣が闘うSF映画「パシフィク・リム」で、世界のオタクを熱狂させた、メキシコ人監督です。
そんな彼が2004年と2008年に制作したアメコミヒーロー映画が、『ヘルボーイ 』シリーズなのです。


 
原作はヒーローコミック界の鬼才、マイク・ミニョーラ

 
「ヘルボーイ」って何? という方の為に説明しますと、マーベルコミックとDCコミックに次ぐ大きさのアメリカン・コミックス出版社、ダークホースコミックスから刊行された異色のヒーロー漫画「ヘルボーイ」の実写映画です。

どんな内容かと言うと、地獄から召喚された悪魔「ヘルボーイ」が、様々な超常事件を自身が属する超常現象捜査局の仲間と解決するというストーリー。

原作は、ヒーローコミック界の鬼才 マイク・ミニョーラで、本シリーズ2作ではモンスターや背景のデザインなどで深く関わっています。
そして、マイク・ミニョーラとギレルモ・デル・トロという二つの才能がタッグを組むことで、本作は他に類を見ない独特な世界観を持つ作品となったのです。

「パシフィック・リム」ではSF的な世界を描いたギレルモ監督ですが、本来この人が好むのはダークファンタジー&スチームパンク的な世界観。
本二作、特に「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」では、まさに水を得た魚という感じで、これでもかと自分の好きなものを映画の中に詰め込んでいった結果、映画史に残るような、素晴らしい名作になっています。

映像と造形へのこだわりが生み出す実在感。

主人公のヘルボーイは身長は205cm、体重159kg、体色は深紅。頭には、目立たぬように削った角の付け根が切り株状に残っていて髪型はチョンマゲ。岩石状の物質で出来た巨大な右腕を持ち、皮肉屋で嫉妬深く、おまけに短気で気難しいという、とてもヒーローとは思えないキャラですが、弱いものには優しくネコが大好きで、恋に奥手な一面もあったりしてなんとも憎めないヤツです。

相棒のエイブ・サピエンは博識でサイコメトリー能力を持つ半魚人。超常現象捜査局では鑑識的な立ち位置。知的で温厚、粗暴なヘルボーイとは対照的なキャラクターですが、好物は腐った卵だったりします。

紅一点のエリザベス・シャーマンは、念動発火能力を持つ自分の「体質」にコンプレックスがあり、「普通」と違う超常現象捜査局を何度も辞めては戻ってを繰り返すという、ややメンヘラチックな女性エージェント。
二作目「~ゴールデンアーミー」では、色々吹っ切れて、ヘルボーイと恋人になってました。

二作目に登場するヨハン・クラウスは、規則にうるさいドイツ人?のガス人間で三人の上司として超常現象捜査局に赴任してきます。
レトロチックな外見と、ギミックの数々はまさにギレルモの面目躍如といったところです。

敵役には、超ドMだけどナチス随一の殺し屋クロエネン(一作目)や、ヘルボーイよりも大きなトロールのMrウインク(二作目、昔の戦いで片目が潰れてる)、トロールの名鍛冶が作り上げた機械仕掛けの兵隊ゴールデンアーミー、「もののけ姫」のダイダラボッチを思わせる森の精霊、その他にもカルシュウム大好物の歯の妖精やら、羽に目がついている死神やら、そのビジュアルデザインだけでもため息が出るほど素敵なキャラクターたちがわんさか登場します。

でも見た目だけじゃなく、例えば一作目では、ヘルボーイはエリザベス(以降リズ)に恋心を抱いていて、リズと新米局員が出かけるとヤキモチを焼いて二人の後をつけていったり、二人がいい雰囲気になると新米局員に小石を投げて邪魔したり。

二作目ではカップルになった二人ですが部屋を散らかし放題のヘルボーイとリズが喧嘩したり(結果、部屋が爆発)、規則にうるさい上司ヨハンとヘルボーイが喧嘩したり、事件の捜査で出会ったエルフの王女に恋したエイブと、リズと上手くいかないヘルボーイがビールを飲みながら恋バナで盛り上がったりします。

お前ら思春期の中学生かとw

ただ、そういう本筋とは関係ない、ちょっとした日常も描いていく事で、彼らはただ役割を熟すだけの「キャラクター」ではなく、僕ら観客と地続きの場所に居るような現実感が出てくるんですねー。

この物語やキャラの設定、日常パートでキャラクター性を際立たせていく感じ、僕は日本のアニメの手法、特に宮崎駿監督に近いなぁって思うし、ゆえにジブリ作品や日本のアニメに慣れ親しんでいる日本の観客には受け入れやすい映画だと思うんですけどね。

あと、この二作は、ギレルモ監督のフェティシズムが遺憾無く発揮されている作品でもあります。特に、「~ゴールデンアーミー」に登場するトロールの市場のセットは圧巻で、画面には映らない部分のディテールまで作り込んでて、このシーンだけでも観る価値ありです。
神は細部に宿るなんて言いますが、ギレルモ作品の本当の素晴らしさは、この細部へのこだわりにこそあるのです。 

いや、ほんとマジで感動しますよ。

本場のダークファンタジーに興味がある方なら、きっと満足してもらえるのではないかと思います。

興味のある方は是非!

ヘルボーイ [Blu-ray]
ロン・パールマン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-04-12



この記事を書いた人 青空ぷらす

北海道在住のオタクです。
アチコチに散文を書いてます。

今日見た映画の感想(映画感想ブログ)
note(その他、色々書いてます)

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