すべてのダメな人間は、筋肉少女帯(以下、筋少)というロックバンドの曲を聴いてみるべきだ。というわけで、筋少を語らせろシリーズ7回め、最終回です。



・ムリヤリ感が強い『筋少MCAビクター在籍時 BEST&CULT』

BEST&CULT
筋肉少女帯
MCAビクター
1996-12-18


そのまんまのタイトルのベストアルバム。で、これもあからさまに契約消化のための商品。そもそも移籍後にリリースされたもの。

未発表曲として、GO-BANG'Sの森若香織さんが作詞した『体育祭』と、ベースの内田さんがメインボーカルを取った『北極星の二人~内田のラブソング~』を収録。どちらも面白いけど、タイトルに「CULT」とあるように、どう考えてもコアなファン向け。タイアップ連戦の『UFOと恋人』期でも逃げなかったコアなファンなら楽しめるはず。

他は・・・。アルバム2枚とシングル4枚でベストアルバムを作るの、ムリヤリ過ぎない?


・ロックする気を失くしました『最後の聖戦』

最後の聖戦+8
筋肉少女帯
ユニバーサル ミュージック
2018-06-20


とうとうタイトルに「最後の」と付けてしまい、本格的に終末感を漂わせた作品。

もはや大槻さんもエッセイなどでメンバー間の不仲を隠さなくなり、『オーケンののほほん日記 ソリッド』にて、バンドに限界を感じたのでこのタイトルにしたと述べています。ドロ沼の戦場にて力尽きた兵士の死体のもとにドラえもんが現れて、タケコプターを彼らの頭に取り付けて故郷へと帰す、というのが当初のコンセプトだったそうですが、藤子プロに使用料を払わねばならないために却下した、とのこと。『おもちゃやめぐり』の歌詞はダイナミックプロや石森プロに使用料を払ったのかな?


前作『キラキラと輝くもの』から、大槻さんの個人的な友人が作詞に参加していますが、『お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ』の作詞者の茉莉花という方は、『エリーゼのために』の前後に交際していた、自傷癖を持っていた彼女さんです。久しぶりに再会し、高円寺のミスタードーナツで落ち合ったことから、このアルバムの曲の歌詞に「ドーナツ屋」が何度か出てきます。


大槻さんの歌詞に出てくるネコは、リュックサックに詰め込まれたり、カン袋に詰め込まれたり、ロクな目に遭わないことが多いなあ。カン袋って何なんだろ?缶袋ってなに?年収は?彼氏がヤバイ?・・・調べたところ、どうやら、童謡『山寺の和尚さん』のパロディーなのだそうです。


山寺の和尚さんが
毬は蹴りたし毬はなし
猫をかん袋に押し込んで
ポンと蹴りゃニャンと鳴く



・・・やっぱりロクな目に遭っていない、というか、虐待やんけ。もちろん真似してはいけませんが、今の世でこんな歌が流行ったら間違いなくTwitterが炎上するでしょうね。

猫をカン袋に詰め込んで投げつける『カーネーション・リインカーネーション』は、後にライブの定番となり何度もセルフカバーされる、このアルバムの代表曲。個人的には犬神サーカス団(犬神サアカス團)の犬神凶子さんと、香奈さんの語りが怪しいセルフカバー版の方が好きです。


『お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ』『哀愁のこたつみかん』『友と学校』などと、タイトルに聖戦と名付けたわりには平和きわまりない曲が続きますが、もうこれ、やる気が半分なくなっていたんだろうな。実際に、大槻さんのソロ活動のスケジュールの合間を縫って作られたようだし。この時期にはもう音楽業界のタイアップ戦略や売れる曲を書けというレコード会社の命令に辟易しきっていたらしく、『オーケンののほほん日記 ソリッド』の1997年7月15日の項では、怒りに任せて書いた即興の詩が載っています。


昔オレはロックに救われた
だからオレも救うと決めていた
しかし見ろよお前がしたことを
くらしのためにオレは唄った
企業のためにオレは唄った
思いもしない言葉使った
とり入るために頭を下げた
イエーイ!と叫んだがインチキさ
昔オレはロックが好きだった
(中略)
ロックンロールに土下座しろ!



どストレートで、夜中に書いたラブレター的な恥ずかしさがありますが(実際に文庫版の注釈で大槻さん自身も恥ずかしい歌詞だと述べている)、これをひねくり回したような歌が大槻さんのソロアルバムに収録されている『埼玉ゴズニーランド』という曲(というか語り)です。



『221B戦記』は、当時の大槻さんがはまっていた『シャーロック・ホームズ』と『新世紀エヴァンゲリオン』の世界観を露骨に反映させた曲で、ゲストボーカルはなんとアニメソング界の帝王、水木一郎アニキ。そして、『シティハンター』の冴羽獠の神谷明さんと、『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレーの宮村優子さんが語りで参加しているという豪華な内容。


もしも、死ぬこととなった者たちは幽霊となって、
青ヒゲの兄弟の店で落ち合いましょう。必ず。ひとまず、さらば
こんないいお天気の日に、先に行きます



おそらく、これが当初の、戦場で力尽きた兵士をタケコプターで・・・、という構想に最も近いのだと思います。大山のぶ代さんは呼べなかったんだな。

 
闘志を剥き出しにしたハードロックな先行シングル『タチムカウ-狂い咲く人間の証明-』(こんなサブタイトルを付ける時点でもう売る気はなさそう)が入っていますがなんとなく浮いている・・・。「いつかはこの地球に土下座させるぜ」とは最初は「いつかは神様に土下座させるぜ」だったそうですが、色々と問題があるので書き直してくれと言われたそうな。・・・確かに神様に土下座させる、という言い回しは問題が起きそうだけど・・・実際に土下座させるわけではないしなあ。「地球に土下座させる」って一気に小学生みたいな言い回しになっちゃうよなあ。「保育園落ちた。日本死ね」みたいな。


『青ヒゲの兄弟の店』はアンジーの水戸華之介さんが参加。別のバンドの人に歌詞を書いてもらっているのが、もう当時の筋少の限界を示唆しているような気もするけど、再結成後はメンバー全員が仲良く交代で歌うことでお馴染みになった、歴史の深い1曲。


ホーンがバリバリ鳴り響いている『ペテン』でヤケクソ気味に終わりますが、「解放の鐘だ」「悲しい別れと思ってもいつかはまた出会う」と、終わりを意識したフレーズが目立ちます。まあ最初はプラモデル造りの歌だったらしいけど・・・。「人生の真髄はプラモ造りである」という結論で終わっていたら、それはそれで面白いけど。


Res-Cはたぶんこの自分の記事で終了です。今までに書いてきたことはすべてペテンです。いやそれは言い過ぎだな・・・。まあ、好き勝手に書いてきました。3年半、ありがとうございました。noteとかTwitterには当面は居座るので、そちらでお会いしたい方はお会いしましょう。ではまた。ぶっちゃけプラーナはRes-C解散にあんまり納得していないので、いつか再開できたらいいな、と最後に書いておきます。


24-6

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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