日本全国のボンクラ少年少女たちの必須科目(なにそれ)。作家としても活躍する大槻ケンヂさんが率いるロックバンド筋肉少女帯(以下、筋少)について語るシリーズ3回め。


・人気タレントになってもダメ人間『断罪!断罪!また断罪!』



ここから'90年代です。

'90年の末に当時の名物テレビ番組、通称イカ天こと『三宅裕司のいかすバンド天国』の放送が終了し、バンドブームは一気に衰退します。

それに反比例するように大槻さんのタレントとしての需要は増え、たくさんのバラエティ番組に出演することになり、さらにこの頃からエッセイや小説を次々に刊行し作家としても活躍することになります。

自分が人生で初めて大槻さんの姿を見たのは、いつだったかのドラえもん1時間スペシャルでした。藤子・F・不二雄先生が逝去される前後の時期だと思います。まあそれ以前にもテレビで見かけてはいるのかもしれませんが、明確に記憶にあるのはそれです。なんだかSFの話をしていたような。

その後は、『世界ふしぎ発見』で時々ゲストに出てくる人、という認識でした。なので、SFやオカルトなどに詳しいタレント、というのが自分の中での大槻さんの第一印象です。ただ、音楽をやっていることは知っていました。アニメ『コボちゃん』のオープニングテーマを大槻さんが歌っていたからです。このオープニングテーマ『コボちゃんグルー』とそのカップリング曲『コボちゃん音頭』はどちらもブッ飛んでいて大好きです。

コボちゃんグルー
おーつきけんじとエマニエル5
トイズファクトリー
1993-07-21



結果的にこの大槻さんの過剰なソロ活動によってバンド内での人間関係がギクシャクし出すのですが、このあたりは『リンダリンダラバーソール』に生々しく書かれています。



さて、そのような過渡期のミニアルバムですが、冒頭が「語り」で始まるというのが実に筋少的というかなんというか。プロレスラーを目指したが技を失敗して命尽きた少年に神様が「おまけの1日」を与える、という、なんともまあ儚い・・・。

後にアルバムのタイトルにもなりましたが、生と死は、なにげに何度も筋少(というか大槻さん)のテーマとなります。『コボちゃんグルー』の冒頭も「人生って何だ?教えてくれ!コボちゃん!」という叫びです。5歳児に人生について訊くなよ(最近は小学生になっているんだっけ)。「お安いご用だーー!(CV:大谷育江)」・・・えっ、人生について知っているのかい?ピカチュウさん?

いやコボちゃんはもういいですね・・・。このアルバムについてですが、なんといっても現在にいたるまでライブの定番曲である『踊るダメ人間』が収録されています。まだあまり「ダメ人間」という言い回しが主流ではなかった時代のタイトル。


子供騙しのお唄を唄って
そこそこ人気もある僕だけれど
いつも心に仮面の男が
灯台の上で僕に叫ぶのさ



と、のっけから自虐的な内容で始まり、「ダメ人間はびこるこの世 マイト一発! 爆発させてえ!」とブッ壊れる曲。ライブでは、Xのライブで行われるXジャンプを参考にした「ダメジャンプ」なるものが行われます。

当時の筋少は押しも押されぬ大人気で、自分が小さい頃の大槻さんはテレビで活躍するスターでした。そんな人が自身のことを「ダメ人間」などと称していたら、いったい自分なんぞは何なのだ?踊っている場合ではないぞ。『グミ・チョコレート・パイン』の記事でも少し触れましたが、特に自分が衝撃を受けた部分は、ラストのサビ前のフックの一節。


この世を燃やしたって
一番ダメな自分は残るぜ!



ダメ人間がカッターやら包丁やらを振り回して暴れたところで、世界は何も変わらんのです。無念ながら、それが現実。生きるヒントなど、アドラー氏の著書を読んでも60万RTされているツイートを読んでも大槻ケンヂさんに訊いてもわかりません。コボちゃんは知っているそうです。「起きてゴハン食べて遊びに行けばたのしいよ?」というのが、田畑小穂先生の教えです。

で、他の曲は・・・。ごめん、苦手なのよ。『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイのモデルとなった『何処へでも行ける切手』とか、重要な曲もあるんだけど。





・初期の集大成『筋少の大車輪』

筋少の大車輪
筋肉少女帯
トイズファクトリー
1992-03-21


メジャーでは初のベストアルバム。それ以前に『筋肉少女帯 ナゴム全曲集』というものが出ているので、実質的に2枚めのベストアルバム。なぜBUCK-TICKと違ってこのシリーズに「全」と付けなかったかというと、全部を聴いていない(入手困難なものもあるので聴けない)からです。

なんといっても過去のギタリストがたくさん集結してギターバトルを行っている『大釈迦』が豪華すぎる。『仏陀L』と違ってちゃんとやかましい。

選曲は、初期のアルバムから代表曲を選ぶなら確かにそうなるかなあ、というベタな感じ。ただ、『孤島の鬼』が入っていない企画盤はけっこう珍しいな。代わりに、そこまでフィーチャーされる存在じゃない『電波Boogie』が収録されています。CHEAP TRICKのリック・ニールセン氏に褒められた曲だったはず。その記念で入れたのかな?「キーボードが良いね」と言われたらしいが、それはサポートメンバーによる演奏であった。

この記事を書いた人


henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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