その昔、手塚眞監督の「星くず兄弟の伝説」って映画があって。1985年に公開された作品で。元は近田春夫が1980年にリリースしたアルバム『星くず兄弟の伝説』。これはブライアン・デ・パルマ監督の「ファントム・オブ・パラダイス」がモチーフというか、同作品を溺愛していた近田春夫がリスペクトしたものだった。

出演は、東京ロッカーズの流れで語られることが多いバンド8 1/2のVo久保田慎吾、ニュー・ウェイヴ喫茶「ナイロン100%」や「ピテカントロプス・エレクトス」で尖っていた高木完の2人が主役。ヒロインは戸川京子、その他にもDER ZIBETのISSAY、サンプラザ中野、高野寛、景山民夫、高田文夫、中島らも、川崎徹、などなど。

80年代ですね……。

というメンツが揃っていた。

そして、2018年に突如、「星くず兄弟の伝説」の続編映画「星くず兄弟の新たな伝説」が公開された。監督は手塚眞。久保田慎吾と高木完の2人は主役でなかったけれど、しっかりと出演。もちろん、音楽担当には近田春夫の名前が入っている。「サブカルってアニメのことでしょ?」という時代に、80年代らしいサブカル臭が満載した作品をつくってしまった。

「星くず兄弟の伝説」に出てくる楽曲はどれもがよくあるポップソングだ。言い方を変えれば、さまざまなポップソングを日本語ロックと呼ばれたものに昇華している。ブライアン・デ・パルマの「ファントム・オブ・パラダイス」も「オペラ座の怪人」を始めとした古き良きゴシック作品を下敷きにしていた。音楽でも映画でも、自分のルーツに忠実で、自分の趣向に対して尊敬の念を込めた作品は決してパクリではなく、愛が詰まっている。

「星くず兄弟の伝説」や「星くず兄弟の新たな伝説」を観ていて、こちらが心地よい気分になるのはそんな愛を感じるからだと思う。何よりも楽しそうなんだもん、出演している人たちだけでなく、その作品をつくっている全員が。こういう続編映画、いいよね。つくろう!と言い出しっぺした人、血迷っているとしか思えないけど。好きだな、こういうの。

1986年に公開された「ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け」って映画があって、    高橋源一郎の初期作品「さようなら、ギャングたち」「虹の彼方に」「ジョン・レノン対火星人」あたりを混ぜこぜにされていた。ZELDAの「黄金の時間」が主題歌だった。作中にZELDAの演奏シーンなんかもあったりして。これ、続編というか、リメイクでもしてくれないかな。おもしろいと思うんだけど。





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