ちいさな ねこ 石井桃子 さく 横内 襄 え 福音館書店
児童作家で有名な、石井桃子さんの作品。ちいさなねこの大冒険の物語です。
大人から見るとどうってこともないお話ですし、先が読めるストーリー展開なんですが、子どもにとってははじめての読書経験で、未知の世界へのドキドキわくわくを感じつつ、読んでもらえるはずの絵本です。
この絵本を読む上で、じつはお母さん方に、やっていただきたい行動があります。
実は、この本を読んで、
「こわかったね、キミも気をつけなさいね」
って説教しがちな人もいるかもしれませんので(うちの母なんか、説教しかしなかったよな)、そういう本の読ませ方をすると、子どもはいやがります。
いっしょに読むのはお勧めですが、そのさい、子どもに自分で考えさせるようにして欲しいのです。
たとえば、第1ページ。
ちいさなねこが、おおきな部屋にちょこんと坐っている絵があり、
「ちいさな ねこ、おおきなへやに ちいさな ねこ」
という、簡単な文が書いてあります。
ここですぐページをめくらないようにしてください。
子どもに、「どうなるかな?」
って聞いてみて欲しいんです。
いろんな話が出てくるでしょう。
ねこがえさをもらうようになる、とか、飼い主といっしょに寝てしまう、とか、 なかにはもっと、すっとんきょうな話が出てくるかもしれません。
それは面白そうなので、そういう話をいっしょに作るのもアリだと思うのです。
そうしたあとで、次のページをめくってみる。
そして、次のページで、親の見てないスキに家を出て行くこねこを見て、
「どうなるのかな?」
ともういちど、聞いてみる。
子どもは、困ってしまうかもしれません。
とんでもないことを口走るかもしれません。
「なぜ、そう思うの?」
怒らずに、説教せずに、聞いてあげてください。
子どもは経験していないことに対して、なにかとやりたがるものです。
どんなに危険だからやめなさい、悪いことだからダメだよと言っても、わかってもらえなくて、
「なんど言ったらわかるの!」
親がキレちゃう。
よくあることです。
でも、上から言って聞かせるよりも、自分で考えさせるほうが、子どものためですし、親にとってもそっちのほうがラクなはず。
ひとつひとつ、この絵本のページをめくるごとに、
「なんでだろう?」
「次にどうなるのかな?」
と子どもに考えさせる。そんな、考える訓練本としての側面を、この絵本は持っているように、わたしには思えるのです。
「これを言われたからこうした」
「教えられないから出来ません」
では、将来の日本は成り立っていけません。
わたしもまた、自分なりに、自分で考える訓練を、今後も続けていきたいと思ってます。
あすにゃん
猫とお菓子と広島がすきです!
漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。
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