ドードーを知っていますか ―――わすれられた動物たち――― 絵ショーン・ライス 文 ポール・ライスとピーター・メイリー 訳 斉藤たける




 人間が関わったために絶滅してしまった動物たちのオンパレードです。
 冒頭は、タイトルどおり、ドードー鳥の話。
 有名ですが、間抜けな鳥だったために、人間や犬や豚のえさになって、絶滅するまで100年もかからなかったいわくつきの動物です。

 そのほかにも、いろんな動物が、紹介されています。
 人間が自然環境にしばしば無関心であったこと、そのために現在絶滅の危機にさらされている生き物(動物だけでなく、植物や昆虫など)にも思いを馳せることが出来るように、工夫されています。



 なにかの本で読んだことがあるんですが、地球は人間が関わらなくても、過去に何度も生物を絶滅させてきたようです。
 その最たるものが、恐竜。
 気象の変化が原因だと言われてますが、温血動物だった恐竜(という説がある)が、なぜ気象の変化に耐えられなかったのか、説得力がないという人もいる。
 ほかにも、三葉虫の絶滅もわからないなど、化石を掘り出すことで、絶滅と進化をくり返してきた地球の歴史が垣間見えます。



 人間は、地球が生み出した生命体ですから、地球のかわりに生命を絶滅させたり、守ったり出来る力を持っているんだ、という人もいます。
 そのために頭がよくなったんだし、地球を管理するのは人間の責務だと。
 逆だよ、地球という大きなものに対して、頭をたれるのが人間のするべきことだという人もいます。



 AIとか、コンピュータとか、人間はどんどん、強くなっていくようです。
 自分に快適で、便利なことが当然で、それ以外は考えもしない。
 それ以外のことをしはじめると、
「非経済的」
 と、責められます。
 発達障害者やダウン症の人や知的障害者などは、お荷物です。
 すべてが、人類中心にまわっています。
 いや、むしろ、オカネ中心に回ってるのかな。



 間抜けだと言うだけで絶滅させられたドードー。
 肉が臭いだけで害を与えてないのに、めちゃくちゃに狩られて絶滅したミイロコンゴウ。
「自分と違う」だけで、異種族にこんなことができるなら、同じ種族の人間にも、おなじことをしないわけがない。

 いま、遺伝子を編集する技術が出来てます。
 危機感を感じているのは、わたしだけではないでしょう。
 じっさい、中国では遺伝子編集ずみの人間が生まれた、と発表がありました。
 人間が人間を編集し始めたなら。
 いったい、どんな未来が待っているのか……。

 悪いことばかりじゃない。

 


 絶滅した動物たちが復活する日が、来るかもしれない!
 取り戻せない過去を取り戻したとき、何が起こるのかは別問題ですが、
 もとの動物が生き返る未来も、あながち悪くないかもしれないですよね。

 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。
 


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