1984年の結成からずっとメンバーが変わらない、そしてずっと変化しつづける、群馬県出身のロックバンドBUCK-TICK(以下B-T)について語るシリーズ17回め。


・-GBTB(Geijutsu Bakuhatsu Toy Box)-『或いはアナーキー』

或いはアナーキー(初回限定盤A)(DELUXE EDITION)(CD+Blu-ray+DVD)
BUCK-TICK
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2014-06-04


かなり実験的な要素が強い作品。

「形而上のもの」をテーマとして掲げられ、正式なアルバムタイトルは『(無題)-或いはアナーキー-』なのだそうです。無題、というタイトルなわけではなく、実際に無題なのです(非常にわかりづらい)。

『darker than darkness-style93-』の隠しトラックはかつて、iTunes(だったかな?Windows Media Playerだったかな?失念)に「無題」と表示されていましたが、今回はそういう便宜上で書かれているタイトルではなく、本当に無題。・・・無題ってなんだ?わかんなくなってきた・・・。


初っ端の『DADA DISCO-GJTHBKHTD-』から、ガチャガチャな音の洪水にまみれて、今井さんがひとりラップに興じられておりまする。サブタイトルの「-GJTHBKHTD-」は、1970年に大阪の万国博覧会で展示された「太陽の塔」の作者の岡本太郎さんが生前に遺した名言「芸術は爆発だ」が由来です。そんなの説明されないとまずわかんないよなあ・・・。

『memento mori』の時点で、アンファンテリブルとか『かもめのジョナサン』とかジョン・レノン暗殺事件とかについて言及されていましたが、このアルバム以後、過去の芸術作品や思想史などから影響を受けた歌詞が多く見受けられるようになり、次々と知らない固有名詞や哲学用語が出てくるようになり、もはや歌詞の解読は人文学研究に近いものがあります。B-Tで卒業論文を書きたかった・・・。確実に楽しいもんな。


ハイスピードチューン『宇宙サーカス』は、ボロボロの車の後部座席に乗せられたようなガタガタした疾走感が魅力(どういう喩えだ)。これコピーするの難しそう。


中盤に据えられた『SURVIAL DANCE』・・・。タイトルにまずびっくり。サバイバルダンス?・・・survival dAnce?・・・てぃーあーるえふ、なのか?feat.TETSUYA KOMUROなのか?

実際に小室哲哉さんがシンセサイザーで参加・・・していたら凄いけど、別にそういうわけではなく、曲調はなんとサンバ。南米。


踊れ踊れ 愛のサバイバー
輪んなって踊れ 夢 パラダイス
歌い狂え YOUはサバイバー 
完全にイッちゃって 夢 パラダイス


なんかよくわかんないけどイケイケ(死語)である。確実にこの人はシラフではない。「太陽は燦々 甘いアブサン」「リンボ それよりもマンボ」と、押韻とオヤジギャグが入り混じったかのような言葉遣いの妙。「世界中 トロケちゃう TEQUILA!!!」・・・。テキーラを呑むのはいいけどイッキはやめとこう。何年か前のお正月にやったら、その後2日ずっと体内にアルコールが残ったので・・・。まあ睡眠薬をバーボンで呑むよりかは健康的ですけど。


後半の『ONCE UPON A TIME』は、久しぶりにお伽話っぽいドラマチックチューン。『疾風のブレードランナー』的な青春っぽい要素も強い。「スフィンクスは蒸気仕掛け」っていうのがなんか好き。もちろんそんなわけないけど、なぜかちゃんと想像できて。


世界中がまるで 約束されたように 愛し合う
未来の神話が 流れる時間-とき-を超えて始まる


という希望を告げた後、胎内へと帰る『無題』へ。深く沈み込むこのバラードで実質的にアルバムとして幕を閉じていて、ラストの先行シングル『形而上 流星』はボーナストラックっぽい扱いに。でもこの曲を入れるとしたらラストしかないんよな。


個人的にはちょっとダレるのですが、聴いていくうちに楽しくなってくる作品です。最初はとっつきづらい。


・よりによってマニアックなのを・・・『TOUR2014 或いはアナーキー』



前述の通りに、『或いはアナーキー』はB-Tの作品の中でも比較的とっつきづらく、ライブで映えそうな曲が多いのはむしろ前作の『夢見る宇宙』に多いのですが、あえてのライブアルバム化。タワーレコード限定販売。


ライブアルバムを発表するアーティストは2000年代以降どんどん減っているそうですが、このご時世に、しかもこんな一般受けしなさそうなアルバムのツアーのライブアルバムとは。採算とれるのかな(超失礼)。・・・まあ採算の心配するなら買えよってお話なのですけど。ええ、そうなのです。これ、持っていません。・・・いや、前に(といってもずいぶん前だけど)Amazonを見たときは在庫がなかったんだよ・・・。


・音が籠っていない!『惡の華(2015年ミックス版)』

惡の華 (2015年ミックス版)<プラチナSHM>
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
2015-02-01


1990年の作品である『惡の華』を、当時の技術では追いつけなかった高音質にミックス、マスタリングを施したもの。

単独のCDも販売されていますが、PV集であるDVDとBlu-ray、アナログレコード盤を収録した豪華版BOXセットも存在します。DVDとBlu-rayを同梱するの、個人的にはどうにもいやらしく感じてしまうのですが。内容は同じなんだし。



オリジナルでは音が籠っていて、それが苦手だということを以前に書いたのですが、このミックス盤ではそれが見事に解消されていて、タイトルチューン『惡の華』のクサくてたまらないギターリフや熱いシャウトがはっきりと聴こえます。

あんまり聴いたことのなかった『DIZZY MOON』が結構ノイジーだったり、『SABBAT』の荘厳な雰囲気は後のゴシック趣味への伏線だったりもして(結果的にだけど)、当時のリアルタイムなファンの方はもちろん、後追いが聴いても楽しめる内容です。

ただまあ、BOXセットはコレクター向けなので、どうしてもレコードが欲しい人でなければ、CDとDVD or Blurayを別々に買った方が良さげ。


PVの背景や衣装はさすがに、時代を感じてしまいますけれども。この頃は潤っていたんだろうなあ(とおいめ)。




・歴代順に他のアルバムについても書いていますので、よろしかったら過去記事もお願いいたします! 

・CATALOG of Pullerna-BUCK-TICK全アルバム紹介シリーズもくじ-

この記事を書いた人


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プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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