ぷらすです。

僕が子供の頃はテレビ洋画劇場の全盛期で、僕も日曜日から月曜日まで色んな洋画がテレビで観てました。
当時の僕は洋画は全部ハリウッド超大作だと思っていたんですが、今思い返してみると、本国ではB級映画とされている作品も沢山放送されていて、今でも記憶に残っているのって、案外そういう映画だったりします。
今回ご紹介する「マックイーンの絶対の危機」も、そんな一本ですよー。



スティーブ・マックイーン主演のB級SF映画


スティーブ・マックイーンは、1960~70年代にかけて人気を博したアクションスターです。
スタントマンに頼らない本格的アクション俳優として一時代を築き、世界中の映画ファンを熱狂させた彼は元海兵隊員。
退役後22歳で役者の勉強を始め、テレビドラマから俳優人生をスタートするんですね。

そして、チュニジア戦線でドイツ軍の捕虜になった主人公の脱出劇を描いた「大脱走」(1963)が世界的に大ヒットしたことで、日本でも一気に知られ、「砲艦サンパブロ」(66)ではアカデミー賞を受賞。
その後、「ブリッド」(68)、「ゲッタウェイ」(72)「タワーリング・インフェルノ」(74)など、数々の映画に主演し名声を高めていくわけですが、そんな彼がまだまだ無名だった時代に主演したのが本作「マックイーンの絶対の危機」(58)なのです。

実はこの映画、日本では未公開だったんですが「大脱走」でマックイーン人気が高まったことで、本国公開から遅れること7年後の1965年に劇場公開されたんですね。

そういう事はわりと多くて、ブルース・リーも「燃えよドラゴン」がヒットしたことで過去作品が公開されたり、ジャッキー・チェンも「酔拳」の大ヒットで、過去作品が(最新作として)大量に公開されたりしています。
僕も、ジャッキーの最新作だとワクワクしながら「少林寺木人拳」や「拳聖」を観に行って、首をかしげたものでしたよw

で、本作が日本公開されたあと、テレビ洋画劇場で放送される時はタイトルを「SF人喰いアメーバの恐怖」にしたので、(僕を含め)こちらのタイトルで覚えている人の方が多いかもですし、テレビ放送をキッカケに「アメーバー」という名前を覚えたファンも多いのではないかと思います。

ストーリー(ネタバレ有り)


本作のストーリーを説明すると、
宇宙からアメリカの片田舎に落ちた隕石の中から出てきたアメーバーが次々に人を襲って食べ、どんどん大きくなるというSFパニック映画。

マックイーン演じるのは主人公の少年(多分18歳未満?)なんですが、この当時彼はすでに28歳。しかも彼は結構な老け顔なので、まったく少年には見えませんw

色々あって、このままではアメーバーに食べられて町の住人が全滅するマックイーン。
彼女とともに警察に相談するも相手にされず、ならばと友達と一緒に、就寝中の住民たちを叩き起して危機を知らせようとしたり、アメーバーの弱点を発見したりするのです。

本作ではまったく無力な少年役の彼ですが、スーパーでアメーバーに襲われた彼女を助けようと食品棚に飛び乗ったり、クライマックスでレストランに閉じ込められ、外に出ようとするマスターを止める時にカウンターを飛び越えたりする身の軽さに、後に数々のアクションをこなすスティーブ・マックイーンの片鱗が見え隠れしてましたねー。

まぁ、今観るとかなりテキトーな映画でして。
ネタバレすると、マックイーンたちがバタバタしている間にもアメーバーは次々住人を食べて巨大化。
ダイナー(食堂+カフェみたいな感じ)をまるごと飲み込んでしまいます。

中には、マックイーンと彼女とその弟、ダイナーの店主とウエイトレスさんが残されてましてね。
警察が、電線を切って高圧電流を流してアメーバーを撃退しようとするも、その計画が裏目に出てお店が火事になり、店主が消化器で火を消そうとしたらアメーバーが嫌がる素振りをみせたので、マックイーン「( ゚д゚)ハッ! コイツの弱点は冷気(co2)だ!」と気づくわけです。

で、電話でそのことを警察に知らせ、最初はマックイーンの言うことなんか信じなかった警察や大人たちが、一致団結して町中の消化器を集めてアメーバーに浴びせたところ、アメーバーは小さくなり凍ってしまうわけですよ。

で、マックイーンが警察に「コイツ、これからどうすんの?」と訊くと、警察の人が「軍が北極にでも捨てるだろ」と答え、あー、アメリカンジョークなんだろーなーと思って観ていたら、箱詰めにされたアメーバーが北極に捨てられて映画終了。

ホントに捨てるんかい! っていうねw

今観ると、かなりいい加減な映画ではあるんですが、人食いアメーバーという発想が受けたのか、1972年には「悪魔のエイリアン(SF人喰いアメーバーの恐怖PART 2 )」(日本未公開でテレビ放映のみ)という続編が。また、1988年には「ブロブ/宇宙からの不明物体」としてリメイク版も制作されてるんですよね。

もしかしたら、この続編やリメイク版の方を覚えている人も多いかもです。(僕ももしかしたら続編やリメイク版と記憶がゴッチャになってたかも)

スライム


そういえば、1978年に発売した、緑のバケツに入ったネバネバドロドロの玩具「スライム」が日本のちびっこの間で大ヒットしたんですよ。



ウィキペディアでは、(「スライム」の発売元 )“ツクダオリジナルの責任者だった和久井威によると、ニューヨークのトイショーで見て「インスピレーション」で販売を決めた”という記述があって、和久井さんの観たレイトショーって、もしかしてこの「マックイーンの絶対の危機」か、もしくは「悪魔のエイリアン」だったのでは?? なんて思ったりしましたねー。

興味のある方は是非!!

この記事を書いた人 青空ぷらす

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