群馬県出身のロックバンドで、ヴィジュアル系の先駆的存在でもあるBUCK-TICKについて語るシリーズ15回め。


・2010年代も派手にブッ飛ばす『DAZZLE RAZZLE』

RAZZLE DAZZLE(完全生産限定盤)
BUCK-TICK
アリオラジャパン
2017-12-29



前作がそれまでの集大成となる作品だったので、新しいバンドスタイルの構築に挑戦した作品。「RAZZLE DAZZLE」は「乱痴気騒ぎ」という意味で使われることが多い語句ですが、「見せびらかし」「見かけだけの派手さ」という皮肉めいた意味もあるそうです。


先行シングル『独壇場Beauty』は、エレクトロでノイジーでポップでパンクでディスコ、という、何いってんだこの人・・・?と思ってしまうような、ごった煮ミュージックなわけですが、これが結果的に非常にダンサブルな仕上がりになっていて、ロックフェス向きのチューンになっています。B-Tを知らない人もこれは一発でノレるんじゃないかな。

キャッチーなサビは癖になります。アルバムバージョンではLAZYgunsBRISLKYというバンドのボーカルのLucyさんとデュエットしていて、そこにガーリーな要素も加わっています。

そんな楽しい曲ですが、テーマは「レクイエム」なのだそうです。レクイエムとしては不謹慎なくらいに踊れる曲ですが・・・。

hideさんに捧げた歌詞だという噂があったけど、実際はどうなのかなあ。「ワインも煙草も薔薇もある」というフレーズがありますが、hideさんがお酒好きだったことは有名な話ですし、メンバー全員が同じくお酒好きのB-Tと盃を酌み交わしたこともあったと思います。ヘビースモーカーでもあったので、呑みながら何度もプカプカと燻らせていらしたのでしょう。薔薇は、盟友のYOSHIKIさんを象徴する花。

「このまま全部食べちゃえよ」は、hideさんが難病と闘っていたファンの女性に捧げたとされる『MISERY』の歌詞の一節「さあ君の涙を食べちゃおう」への返答なのかもしれません。その難病の女性も、2009年に亡くなられたのだそうです。もしかしたら、その女性にも捧げているのかも・・・。・・・泣きそうになってきた

『羽虫のように』は、このタイトルからはあまり想像ができませんが、哀愁ただようラブソング。前作ではコウモリと傘の恋愛が描かれていましたが、今回は昆虫の恋愛。

ラテン系の踊れるチューン『Django!!!-眩惑のジャンゴ-』はアウトロで加速するのが地味にかっこいい。「変幻自在 神出鬼没 白昼堂々 大胆不敵 疾風迅雷 電光石火」という四字熟語と「フレンチカンカン」「BIBBIDI-BOBBIDI-BOO」が同居している自由な歌詞が面白い。ただ、タイトルの『Django』はイタリア映画で、その内容はメキシコが舞台の西部劇。フランス関係ない。無国籍なダンス。

先行シングルの『くちづけ』は、アニメ『屍鬼』のオープニングテーマとして起用され、カラオケではアニメ映像が流れるからなのか、ある時にデンモクを見たら初期の有名な曲を差し置いて上位に入っていました。意外(?)と、B-Tにはあんまり一般的なヴィジュアル系ちっくなイメージの曲は(特にシングルでは)少ないのですが、この曲は珍しく、そういう系統の雛型みたいな曲です。アニメの内容に沿って歌詞が書かれたので、いつもよりベタというかわかりやすい。

歌詞の話ばかりしていますが、今回は全般的にブッ飛んでいるのです。初めて櫻井さんと今井さんが共作した『TANGO Swanka』はどこから手を付けたらいいのかわからんくらいメチャクチャだ。「真っ赤な月夜 密やかに 怪盗参上 1、2  ハイキック OH OH R&R」・・・生前の中島らも氏みたいに泥酔しながら書いたのかな・・・?


バンドサウンドが強調されていた前2作と比べると、打ち込み成分が戻って来ています。聴きやすかった『memento mori』からの流れだと、濃ゆくてちょっと胸焼けするかも(自分はそのクチ)。逆に、『memento mori』がわりとオーソドックスでつまんなかった人には面白い作品かもしれません。


・本当の目玉はDVD『CATALOGUE VICTOR→MERCURY 87-99』『CATALOGUE ARIOLA 00-10』

CATALOGUE VICTOR→MERCURY 87-99(DVD付)
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
2012-03-07


CATALOGUE ARIOLA 00-10(DVD付)
BUCK-TICK
アリオラジャパン
2012-03-07


メジャーデビュー25周年を記念してのアルバム。

メジャー期の全キャリアから選ばれたベストアルバムですが、タイトルはそっけなく、いつもの「CATALOGUE」と、収録曲を出した当時の所属レコード会社の名前をくっつけただけの簡素なもの。初心者にとても優しい仕様。後に『CATALOGUE 1987-2016』なるアイテムも出ていますが、そちらはちょっと選曲がマニアックなので初心者向けとはいえないかと。

両者ともに、ディスク1はそれまでのすべてのシングルA面の曲を並べたもの、ディスク2と3はアルバム曲の人気投票で上位にランクインした曲をそのまま収録。本当にそのまま収録されたので、『MOON LIGHT』と『ICONOCLASM』に関しては、原曲と『殺シノ調ベ This is NOT Greatest Hits』アレンジの両方が同じディスク内にあります。

『CATALOGUE 2005』の人気投票で上位だったにもかかわらずスルーされた『MY EYES&YOUR EYES』は今回は堂々の首位を獲得、念願のベストアルバム入りを果たしました。

両者とも初回限定盤にはDVDが付いてきますが、特に『CATALOGUE ARIOLA 00-10』の中盤以降は、それまでほとんど映像化されていなかった年末の恒例ライブ『DAY IN QUESTION』からのもの。今どきどのアーティストもそうだと思いますが、この初回限定盤の映像作品が本当の売りでしょうね。

昔からベストアルバムのみに収録の新曲とかをいっさい出さないB-Tですが、今回は初期の曲『MACHINE』の再録バージョンが初回限定盤のみに収録されています。ベストのみに収録の新曲、CDバブル期によくありましたが、アレ萎えるんですよね・・・。



これが2018年ラストの更新になります。今年はお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。このシリーズは年をまたいで続きます。



・歴代順に他のアルバムについても書いていますので、よろしかったら過去記事もお願いいたします! 

・CATALOGUE of Pullerna-BUCK-TICK全アルバム紹介シリーズもくじ-


この記事を書いた人


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プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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