『ぷーぷーじとうしゃ』 山本忠敬さく 福音館書店


  ぷーぷーじどうしゃ。のってください。
 と左側に書かれた文字とともに、ベビーカーにのった男の子。犬を連れています。子どもは寝てますが、犬は右側の方を見てる。なにを見てるのかな? と思ったら、軽自動車でした。茶色いちっこい車が一台、でんと鎮座ましましているのです。
 この軽自動車には、だれも乗っていませんので、「のってください」と言われたら、男の子といっしょに空想上で乗ってみてもいいかも。






 特徴的なのは、この絵本に載っている車の種類とその音。マイクロバス、パトロールカー。消防自動車、ごみ収集車、よく目にするいろいろな自動車が次々に登場。「ぶーぶー」「ぱーぽー」「うーうー」それぞれの車が、ちがう音を鳴らしています。
 それだけではありません。
 隣にいる男の子の乗っている小型の車も、それぞれの車に対応して、パトカーやマイクロバスなどに変わっています。
 ぜんぶ自分のものだったら、お金持ち。




 この自動車の絵も、男の子の絵も、じつに精巧にできてます。
 細かいところまでよくできてる。
 たとえばナンバープレート。見ると「群馬41 つ60-59」という、リアルなんだかあり得ないんだかよくわからない文字が書いてあります。
 たしかにこの軽自動車は、群馬県ふうにダサいかも(群馬県の人ごめんなさい)
 どこの自動車メーカーなのかは知りませんが(スズキかな?)、ちっこいのに中身はでかいという広告を思い起こさせる描写です。

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 自動車は、ほかに、セダンがあります。
 このナンバープレートは、「練馬53 ひ23-37」ですね。
 なぜ渋谷や沖縄じゃないのか!
 このセダン、練馬ナンバーのくせにカッコいいじゃん!
 ねこがこの車に向かって威嚇しています。

 見る限り、このセダンは電気自動車ではないし、ハイブリッドでもない。
 いま流行の「自動運転」でもないし、「自動ストップ」でもなさそう。
 型がバリバリ昭和です。




 次のページには、「幼児バス」と書かれたマイクロバス。
 マイクロバスは、幼児バスに限った話じゃないのですが、子どもにとってなじみがあるのはそれなのかもしれない。
 重々しくもカッコいい車を見つめる男の子は、マイクロバスの運転手の帽子をかぶってます。
 車だけでなく、男の子の服装の変化も注目です。

 次のページは、郵便の車。それも練馬ナンバーで、メーカーは「スズキ」と書いてある。
 なにげに国産自動車を誇りに思うわたしです。
 こんな調子で車が次々に現れ、それを男の子が見つめる絵が添えられています。
 精巧な絵で描かれた本は、のりものが大好きな子どもにさし出したい絵本です。

 


 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。

  

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