『ととけっこうよがあけた』 こばやしえみこ・案 ましませつこ・絵 こぐま社
ととけっこう、という鳴き声でおわかりのように、にわとりがいろんな動物や生き物を起こして回る絵本です。わらべうたの節回しで読み上げるとピッタリな絵本。
この絵本は、とてもカラフルです。まず、主人公のにわとりを見てみましょう。とさかは真っ赤で鮮やかです。クチバシと翼はオレンジ色。顔は黄色です。目がやたらと大きい。
首のところはオレンジと茶色のまだら模様です。胸のところは紫色。尾っぽは紺色。
みゅっとつきだした茶色い足が、力強いですね。
にわとりだけでなく、登場人物たちも、色使いがとても優しい。おだやかな黄色で描かれたヒヨコや、茶色い籠でうたた寝している猫の顔が、かわいらしくてほのぼのしちゃう。
この本は、このように、カラフルな色使いのあたたかい絵が特徴ですが、そのうえにわらぺうたがついています。それが「ととけっこうよがあけた」というわらべうたですね。
知らない人も多いかも知れません。Eテレでやればいいのに(笑)
このにわとりくんは、おせっかいなのか、親切なのか、いちいち他人のとこまで押しかけてって、「朝だ」とお知らせしてきます(左側の方に、文字で起きてこいと呼びかけています)。
ヒヨコやねこやブタという、農家にいそうな動物たちを起こして回ります。
起きてきたねこやブタ、牛などの表情を見ると、ちょっと眠そうだけどうれしそう。
おせっかいなにわとりを怒るどころか、感謝するように近づいてきます。
おはよう、おはようと挨拶するにわとり。
暇なヤツです。
絵本に書かれているリズミカルな言葉は、節をつけて読むと楽しさが倍増。思わず口ずさんでしまいたくなります。単純なようですが、こういう節回しを付けられる言葉って、いざ作ろうと思ってもなかなかできません。
わらべうたの節回しをたくさん知ってるから、こんな芸当ができるのでしょうか。
具体的にその単純でリズミカルな言葉を紹介しますと、
「ととけっこうよがあけた まめでっぽうおきてきな」
という、調子のいいものが、冒頭と最後に出てくるんです。
冒頭の絵には、ヒヨコが描いてあります。
つぎの絵は、ねこです。ねこにはまめでっぽうといいう呼びかけはしません。
こうして動物たちを起こして回り、元気いっぱいのにわとりが最後に起こすのは男の子です。
最後のページで、お子さんの名前を呼んであげてもいいでしょうね。
朝やお昼寝の目覚めのとき、赤ちゃんのほほやおしりをつつついて、歌ってあげて下さい。
ぐずぐず言っていた赤ちゃんが、キャッキャと笑いながら起きてくること間違いなし!
最後のページに楽譜も掲載されています。
この楽譜と絵本を使って、赤ちゃんといっしょに和んでくださいね。
あすにゃん
猫とお菓子と広島がすきです!
漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。
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