『どうぶつのおかあさん』  小森 厚 作 藪内正幸(やぶうちまさゆき) 絵    福音館書店

    ライオン、さる、コアラなど、動物のお母さんは、子供をどんな風に運ぶのかな?
    まるで生きているかのように書かれた動物生態絵本です。
    なんといっても、動物たちの目が輝いています。
    やさしくて、ちょっと厳しくて。
    赤ちゃんたちの姿もかわいらしい。それぞれの種類に則して、あるときはおなかのなかからのぞき見し、またあるときはずらずらと一列に並びます。
    身近に見かけない動物も多いので、珍しさを感じますし、動物たちのお母さんの、子どもへの愛情が伝わってきます。

    
    
    動物だけでなく、それらが住む環境への描写も、少しあったりします。
    たとえばコアラなどが住むユーカリの木の絵。
    子どもが母親と、どんなふうに過ごしているのかを、ここでじっくり見ることができます。
    チンパンジーのお母さんが住む森の表現。チンパンジーのお母さんの表情に注目してください。なんとすてきな優しい顔をしているでしょう!
    ナマケモノのお母さんの、いかにもだるそうな顔もユーモラスですてき。
    細かい毛並みがツヤツヤしていて、健康そうです、そのナマケモノのお母さんの住む木の枝と、お母さんがぶら下がろうと手を伸ばすさまが滑稽です。ほんとうに、よく特徴をとらえています。




    
    ライオンのお母さんの、いかめしい顔や、猫のお母さんの甘い顔。
    ふたつのお母さんは二つとも、子どもをくわえて運びます。
    この子どもの表現もかわいらしい。とくに猫! 子猫の姿がほんとうにかわいくって、もう、わたしはメロメロです。
    猫もライオンも猫科なので、同じようにくわえて運びます。
    そういえば、犬が子どもをどう運ぶかは、ここには書いてませんが、どうなんだろう。


    
    猫のような、身近に生きる動物から、ライオンやシマウマなどのサバンナで過ごす動物、森で過ごす動物。そして山や木で過ごす動物。この絵本の動物たちは、バラエティも豊かです。
    また、動物の愛情ぶかさを表現するためなのか、全体的にタッチがやわらかで色も淡いです。子どもが情緒豊かになるかも。
    この絵本を見ていると、ある動物は口にくわえて子どもを運び、ある動物は背中に背負い、ある動物は鼻で子どもを押して運ぶ。
    そういうところから、動物の暮らしぶりが想像されます。
    知らなかった動物の子どもの運び方を見て、興味がわいてくる子どももいるかもしれません。
    動物園に見に行ったり、インターネットの動画などで確認したり、お子さんとの会話も増えそうですね。




    個人的には、シマウマの子どもの運び方があるのなら、キリンやシカの子どもの運び方が(あるのか?)、と思いましたが、話題や関心が広がったなら、調べる手段はいろいろあるわけですから、お子さんといっしょにほかの絵本を見たり、動物園へ行って飼育員のひとに聞いたり、キリンなどの絵を描いて想像してみたりするのも、アリかもしれませんね。
    
    
 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。


  

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