『ごぶごぶ ごぼごぼ』  駒形克己  福音館書店
ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)
駒形 克己
福音館書店
1999-04-15



  どのページにも穴が開いた、赤ちゃん用の絵本です。
  赤ちゃんの喜びそうな擬音語がたっぷり。
  最初のページは、「ぷく ぷく ぷくん」ではじまってます。
  なにかが生まれているのかな?
 それとも、はじけてるのかな?
 ボルシチの、ビーツとビーフがぷくぷくはじけつつ、できあがっていくさまを思い出したりします。
 赤ちゃんの空想を、聞いてみたいかもしれません。



 この絵本、泣きわめく赤ちゃんに見せたら、いっぱつでご機嫌になるに違いないなと思われる工夫が、いっぱいあります。
 まず、穴が必ず開いているところが、面白い。
 「はらぺこあおむし」でも、穴の開いた果物が出てきますが、ここでは丸い穴しか出てきません。それが空想を広げさせます。



 この穴の向こうは、なにかな?
 ためしに、本をもちあげて穴をのぞき込みます。すると、窓が見えたり、リビングが見えたり、ベッドが見えたり、テレビが見えたり。いろんなものが見えてきます。
 赤ちゃんにその穴をのぞかせてみたら、どんなふうに空想するでしょう!
 言葉はしゃべれないかもしれませんが、いっしょにイメージして読んであげると、楽しくなるのではないでしょうか。



 穴から見える景色といっしょに、絵本の言葉もいってみる。
 テレビが見えたら、「ぷく ぷく ぷくん」と言って、テレビが穴から消えたり現れたりするのを楽しんだりする。
 絵本なので、いろんな絵も楽しめます。
 丸だけでなく、カギの形をしたモノや、クジラみたいなのもあります。
 いっしょにぷわぷわ、絵本の中に浮かぶ形を眺めてみましょう。
 おどすように、どどどーん! と、いきなり丸が大きくなったりします。
 見ていてぜんぜん、飽きません。




 この絵本で優れているのは、あくまでも子どもの目線をわすれない、詩人の心が感じられる、という点でありましょう。
 感性豊かな詩人、というか、芸術家というか、ともかく、一般的に感じられる、おとな目線の押しつけがましい絵本ではありません。これを読んで、谷川俊太郎を思い起こしたのはわたしだけなのでしょうか。
    谷川俊太郎のブログに、こんな詩がありました。

  「生長」  谷川俊太郎

わけのわからぬ線をひいて
これがりんごと子供は云う

りんごそっくりのりんごを画いて
これがりんごと絵かきは云う

りんごに見えぬりんごを画いて
これこそりんごと芸術家は云う

りんごもなんにも画かないで
りんごがゆを芸術院会員はもぐもぐ食べる

りんご りんご
あかいりんご

りんご
しぶいか
すっぱいか
    (以上、谷川俊太郎のブログより)
    
 佐藤春夫の、サンマ苦いかしょっぱいか、をもじってるところが傑作ですが、まあそれはともかく。
 りんごのように赤い丸もあれば、夏祭りのヨーヨー釣りみたいな丸もある。
 それぞれのページに、違った擬音語が語られています。
 日本語の擬音語を勉強したい外国人にも、ウケるかもしれません。
    
    
 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。

 

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