ぷらすです。

ざっくりと映画史の流れを知ることで、古い映画を楽しむポイントが分かるのではないかとスタートしたこの企画。
前回は、映画界に「新しい波」がやってきた1960~70年代をご紹介しました。
今回は、ハリウッド第二次黄金期とも言うべき1980~90年代ご紹介します。

娯楽・ジャンル映画黄金期


ベトナム戦争での泥沼化からの敗北、白人の黒人差別に対抗する公民権運動、ウォーターゲート事件発覚による国民の政治不信など国内外の不安定な情勢を受けて、大人たちの欺瞞に若者が反乱を起こし世界を変えようとした一連の世界的なムーブメント。

その一部として映画界で巻き起こったアメリカン・ニューシネマの流れは、世界情勢の安定によって徐々に下火となり、1970年代後半の「ロッキー」や「スター・ウォーズ」などの登場で完全に幕を閉じます。



そして1980年代になり、ニューシネマと入れ替わるように台頭してきたのが、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグら新進気鋭の監督たちによる新古典主義のジャンル映画です。
子供向きのSFやスーパーヒーロー、冒険活劇などをドラマやアニメ、映画館で観ていた世代の監督たちが、大予算と最先端の特撮技術を用いて大人でも楽しめる映画として復活させたんですね。

また、1968年に撤廃されたヘイズコードから解き放たれたニューシネマの流れを踏まえて、過激なアクション、ホラー、ギャングやノワール(犯罪)映画なども一気に花開き、1980年代はまさに第二次映画黄金期を迎えるわけです。



日本でも、学生運動に敗北した「団塊の世代」より下のサブカル・オタク世代の若者たちが活躍するのがこの時期です。

またバブルを迎えた日本映画界では、東映・東宝・松竹に割り込む形で、角川春樹率いる角川映画が次々に公開されブームを巻き起こし、ブルース・リーの登場でブームとなった香港映画は、ホイ三兄弟の「Mr.Boo! 」や中国の妖怪キョンシーが登場するコメディーホラー「霊幻道士」などを経て、ジャッキー・チェンを筆頭としたカンフーをベースにしたアクションスターが登場。一大ブームを巻き起こします。

CG技術の登場




そして1993年、スティーブン・スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」で用いられたCG技術は世界中を驚かせます。
実はそれ以前から、色々な映画で部分的にCG技術は使われていたものの、実写的なリアルさには程遠い状態で、SFやホラー映画などでも、特殊メイクやアニマトロニクス、ミニチュアによる特殊撮影(SFX)などが主流だったんですね。

スピルバーグもまた、最初は「ジュラシック・パーク」をフィル・ティペットが開発したゴー・モーション(動いているミニチュアを撮影する方法)で製作し、CG恐竜はガリミムスの大群の場面などごく一部のみで使用される予定でしたが、ILM(ルーカスが「スター・ウォーズ」の特殊効果の為に作った会社)の一部メンバーが密かに開発していたフルCGのティラノサウルスを見て全面的にCGを使う事を決めたそうです。

そして、スピルバーグの「ジュラシック・パーク」を起点に、ハリウッドの特殊効果(SFX)はCG技術(VFX)にシフトしていくんですね。
ちなみに、ざっくり説明すると「SFX」とは特殊撮影のことで、「VFX」とはCGや合成処理によって映像を加工することです。



そのCG化の流れは、アニメ界にも影響を与え、ジョン・ラセター率いるピクサースタジオが1995年に公開した「トイ・ストーリー」が大ヒット。
以降、ハリウッドをはじめとした世界のアニメーションもCGが主流になっていくのです。

クエンティン・タランティーノの登場


1992年公開の「レザボア・ドックス」で脚本家・映画監督としてデビューしたクエンティン・タランティーノの登場もまた、映画界に新たな風を吹き込みました。



元々、レンタルビデオ店に勤めていたタランティーノは熱狂的なシネフィル(映画狂)で、彼のスタイルは自身が観てきた膨大な映画から、映像・音楽・役者・セリフなどを自身の映画に引用・オマージュしていくスタイル。

まったく別々の映画の音楽と映像を組み合わせて、新しい映画を作っていくその手法は、音楽で言えばヒップホップであり、彼はDJのように自分の好きな「映画の部品」を組み合わせて、自身の映画を構成していくのです。

引用といえば、ジャン=リュック・ゴダールの作品に顕著で、タランティーノもまた自分のプロダクションの名前をゴダール作品から取っているほどの大ファンであることを公言していますが、両者の違いは、映画のみならず文学や詩など過去の名作を引用していくゴダールに対し、タランティーノは評論家が目もくれないようなB級映画やジャンル映画などからも引用していくことで、多くの観客によりポップに、その手法を一般化してみせたところでしょうか。

つまり、難解だと言われていたゴダールの手法を、誰もが分かるように翻訳・解説してみせたんですね。
この手法でタランティーノは一躍時代の寵児となり、彼のスタイルを真似る数多のフォロワーを産み、今も多くの映画作家に影響を与えているのです。

というわけで、今回はここまで。
次回は、2000年代以降の流れについてご紹介していこうと思います。
ではではー(´∀`)ノ

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この記事を書いた人 青空ぷらす

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