1984年の結成からずっと同じメンバー、ヴィジュアル系の先駆者にしてアルバムごとに方向性が変わるロックバンドBUCK-TICKについて語るシリーズ8回め。『Six/Nine』興奮しすぎて3記事にわたってしまいましたが、それだけインパクトの強い作品だったのです。

そして、その次のアルバムがまた、別の意味でインパクトが強く。


・ポップに見せかけてやっぱりそうでもない?『COSMOS』

COSMOS (デジタル・リマスター盤)
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
2002-09-19



前作『Six/Nine』があまりにも陰鬱かつ重厚な内容で、旧くからのファンが離れたことへの対応、レコーディングが過酷だったことへの反動か、なんとタイトルは「コスモス」。平和的。そして、先行シングルは「キャンディ」と「チョコレート」。・・・まあ、どっちもアレの隠語でもあるらしいですけど・・・。


「初期のポップな作風に寄せた」といった評価が少なからずされたようですが・・・。初期のキラキラなビートロックとはまた違う味わいのもの。

確かに先行シングルの『キャンディ』のギターリフなんかは、えらくギラギラしているけれども、それ以上に分厚いノイズがギンギン鳴っていて、はたまた「僕は行きたい 神の導くままに」なんて、カラオケで歌いづらい。まだ「溢れる太陽 蒼い孤独を叩き潰せBLUE BOY」の方が歌える。ただ、カラオケでB-Tを歌うのはいろんな意味で難しいんですけどね・・・。


僕の箱庭に
キャンディしきつめて
「これが君だよ」と優しく微笑みかける



実は精神医学における「箱庭療法」を題材とした歌詞。実際に櫻井さんが受けたかどうかは定かではないけれど、この前後の時期に精神を病んでいたことは事実のようで、それは次作『SEXY STREAM LINER』の歌詞にもっと顕著にあらわれます。

アルバム中盤は、確かに前作や前々作みたいな陰鬱さは薄らいだものの、やっぱり当時のJ-POP的にはおおよそ明るいとはいえない内容だと思います。

無感情な呟きにイカレタ歌声が乗る『SANE』や、確かに曲はキャッチーだけど「人身蛇尾の神々舞い降り」てきたりする『idol』、これまたシングルカットできそうなくらいキャッチーだけど全世界を呪いながら踊る『Ash-ra』など、やっぱりそこはB-T流というか、結局はカオスというか。このアルバムのツアーのタイトルも、反対語の「CHAOS」だったらしいし。

なので、ちょっと説明しづらい内容の作品。CDジャケットはザラザラした特殊な材質なのですが、自分はこのザラザラ質感が大好きです。メンバーの写真がモザイクがかっているのもかっこいい。歌詞カードの上部と下部には、とある漢字が隠されています。こういうのも今ならググればすぐに答えがわかるんだけど、昔は買ってから何年も経って気づいた人もいたんだろうな。


・後追いに対して親切設計な『BT』

BT
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
1999-03-20


リリース時期は少し前後しますが、収録曲的には『COSMOS』までの時期までのものなので、まとめてこちらも紹介。

タイトルの「BT」は、Buck-Tickの略でもありますが、それとBest Tracksの略を引っかけたもので、なかなかいい感じだと思います。ただ、1999年の発売にもかかわらず、1996年までの曲しか入っていません。よくある大人の事情というやつでしょう。

なので、あまり快く思わないファンの方もいるそうですが、後追いリスナーからすれば、『キャンディ』までの全シングルとカップリング(シングル『die』のカップリングだった、『die』と『darker than darkness』のライブバージョンを除いて)を網羅、アルバムの代表曲もカバーしているので、実はかなり便利な内容。1996年までのB-Tを知るには最も手軽。


『キャンディ』のPVは、映像作家でもあるGUNIW TOOLSのボーカル、古川ともさんが監督。GUNIW TOOLSの地元である北海道で撮影が行われました。唐突に出てくる犬がかわいい・・・けど、ヒゲダンスみたいなのを踊っていたり、雑誌の切り抜きみたいになったり、シュールすぎる。ちなみに自分はGUNIW TOOLSの1stアルバム『NIWLUN』が大好きで、過去に記事を書いています。





・歴代順に他のアルバムについても書いていますので、よろしかったら過去記事もお願いいたします!


・酒とキラキラとビートロック-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.1-

・アイドル?からだんだん闇へ-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.2-

・闇の中で悲しみを・・・-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.3-

・闇よりも深い自滅へ-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.4-

・本格的な不安定へ-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.5-

・カオスの絶頂期-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.6-

・酒と被害妄想に溺れて-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.7-

この記事を書いた人



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プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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