前回に引き続き、BUCK-TICKです。メジャーデビューしてからしばらくの間は、まだ20代前半という若さとルックスの良さを見込まれてか、少しアイドルちっくなところがあります。


・CD音源じゃないと聴けない可愛らしいミニアルバム『ROMANESQUE』

ROMANESQUE
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
1988-03-21


インディーズアルバム『HURRY UP MODE』の収録曲『ROMANESQUE』の再録を中心とした、5曲入りのミニアルバム。今ならマキシシングルぐらいのボリューム。

他の初期のアルバムは再販されていたり、定額配信サービスにもラインナップされていますが、この『ROMANESQUE』のみ、当時の音源を入手しないと聴けません。

タイトル曲は「どうにもならないロマネスク ハートの神経さかなでる」という、意味はよくわかんないけどキャッチーなフレーズが気持ちいい、それでいて、どこかエキゾチックな匂いがする不思議なナンバー。ミニアルバムじゃなくてシングルカットしても良いと思うぐらいの名曲。

だけど、多くのベストアルバムではスルーされているし、ライブでもあまり演奏されないレアナンバー。ボーカルの櫻井さんの妖艶さが年齢を増していくごとに深まっている今こそセルフカバーしてほしい。

その他の曲は、まだアイドルとして売ろうとしていた形跡なのか?、可愛らしくポップです。『SEXUAL XXXXX!』よりもこっちの方が時代を感じるなあ。めちゃくちゃ音が軽いし。

ジャケット写真の、中腰になっている右側のお2人、なんかあざとい。


・いい曲もあるけど急いで作りすぎた2ndアルバム『SEVENTH HEAVEN』

SEVENTH HEAVEN (デジタル・リマスター盤)
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
2002-09-19


前作『ROMANESQUE』からたった3ヶ月というハイペースでリリースされた2ndアルバム。

当時は、下ろした髪を洗う暇もないほどの過密スケジュールだったらしく、しかもそれまでは元々インディーズ時代のレパートリーだった曲が多かったのに対して、今回は新曲ばかり。

過労のこの時期の疲れもひとつの要因となったのか、この翌年には、バンドの存続にも関わる不祥事が起きてしまいます。

「8ビートだよ!おっかさん」「ジルバで踊ろうZE!」というふざけた仮タイトルが2つ付けられていた『DESPERATE GIRL』は、実はB-T史上もっとも、ヴィジュアル系(当時はまだギリギリ、この単語はなかった)の匂いがする曲なんじゃないかな・・・。タイトルのクサさといい。

カオティックなパンクチューン『PHYSICAL NEUNOSE』は、長らく封印されていたものの、2000年代に入ってから再びライブの定番となった出戻り曲。ファンだけでなく、曲にも出戻りがあるのがB-Tの恐ろしさ。


ただ、アルバムを代表するようなキラーチューンはなく、急いで作ったこともあってか、前作よりも尖った側面を出したかったのは伝わるのですが、どうにもチグハグな印象。

この尖った側面が表面化するのが、次の『TABOO』です。



・闇に突っ込んでいく3rdアルバム『TABOO』

TABOO (デジタル・リマスター盤)
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
2002-09-19


シングル『JUST ONE MORE KISS』でラジカセのCMに出演、お茶の間の知名度も高まった頃にリリースされたアルバム。

・・・ですが、ここからはダークでデカダンな方向性へとシフトします。キラキラポップソングの『JUST ONE MORE KISS』目当てで買った方は、肩透かしを喰らったかも・・・。


冒頭の『ICONOCLASM』は、当時から現在に至るまでライブの定番曲。

後にリアレンジされるバージョンの方が尖っていますが、オリジナルはちょっとお茶らけた感じもあるのが好きです。いきなり変声で呟いたりとか、後ろで絶叫していたりとか。


そして、このアルバムの名曲『ANGELIC CONVERSATION』。おとぎ話のような、伝説のような、それでいて少しドロっとした、不思議な歌詞が印象的です。


夢を喰いちぎる バクを狩り大蛇に乗る
目をつぶす MELODY
海をまざり合う DRAGON AND BOY
太古の風を首に巻いて
気高く髪を振り乱す



異世界へと突っ込んでいくような高揚感。



ラストはヒットシングル『JUST ONE MORE KISS』ですが、ですが、ダークなこのアルバムの作風にはそぐわず、ボーナストラックっぽくなっていて、後年、「シングルだからってことで、入れたけど、うーん・・・」という反応を、メンバーご自身がされています。


そして、完全にダークサイドへ振り切っていくのが、次の『悪の華』以降です。




・酒とキラキラとビートロック-BUCK-TICK全アルバム紹介Vol.2-

この記事を書いた人


henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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