前々回前回は、今年いっぱいで活動停止を発表したSADSの・・・、それも2003年までに存在したSADSのアルバムについて書きましたが、今回と次回はシングルについて。

・途切れた黒夢を忘れるために暴れようか。1stシングル『TOKYO』 


TOKYO
Sads
EMIミュージック・ジャパン
1999-07-07


黒夢を活動停止させた清春さんの新しいバンドという触れ込みで、デビュー前にロンドンで公演したりと話題づくりをした上で発表されたシングル。ロンドンツアーの観客ははっきりいってガラガラだったそうで、そのツアー直後に初代ベースの方が脱退、先行き不安すぎるままのデビュー。

清春さん自身が、この時期のSADSは初手から失敗していた、という趣旨の発言を残しています。でも・・・俺は・・・僕は・・・この、ちょっとダサいSADSが好きなんだよお。まあ黒夢派やけど。

その黒夢に対し、1行めから言及しています。


途切れた黒い夢に今日もまどわされる
傷だらけの声で笑った
うるさく走り過ぎる車の音 数え
眠れなくなるのを願った



新バンドSADSの幕開け、めでたい!というノリではなく、すでに過去に未練アリアリ。演奏はアッパーですが、歌詞は後ろ向き。


いつからだろう失くしたPASSION
眠らない無表情なBAD DAYS
空白よりも消えてるMOTION
振り向いて時を止めても変わらないLOOSE DAYS
静けさだけがうるさく流れるから




 カップリングの『TRIPPER』と『CRACKER'S BABY』は完全にライブ用の暴れ曲。活動停止前の黒夢の延長線上。どっちも楽しいんだけど、あくまで盛り上がる用って感じで、特にコメントなし。


・娘が可愛すぎてブッ壊れてるぜ!2ndシングル『SANDY』


SANDY
Sads
EMIミュージック・ジャパン
1999-10-14


1stアルバム『SAD BLOOD ROCK'N'ROLL』から1ヶ月も経たないうちにハイペースでリリースされた2ndシングル。

高速パンクチューンで、清春さんの舌を巻きあげたボーカルが爆発しますが、実は娘さんが産まれた喜びを表現した曲らしいです。


君が見た 感傷的な純粋を
豹柄のSHEETSにばらまいたせいで
 

これが、当時の愛車のフェラーリのシーツに描かれた娘のラクガキが愛しい、という意味なのを読解できるまで、18年ぐらいかかったぞ・・・?

カップリングの『CRISIS』は・・・、ごめんなさい、存在を忘れていました。ていうか、このシングル持ってたんだけど、どこへやったっけ・・・?


・意外とヤンキーロックはあんまり似合わない?3rdシングル『赤裸々』


赤裸々
Sads
EMIミュージック・ジャパン
2000-01-13


それまでの黒夢にもSADSにもなかった、露骨なヤンキーロック。業界批判みたいなのはいっぱいあるけど、意外にもヤンキー臭が漂うような曲は、後にも先にもない。

そして、これがどうにも・・・似合わない。


自爆する時SPEED振り切れFREEWAY
悦楽と飛び散る恐怖はGORGEOUS
軽いHEAVYを逆行するのさMY FACE
PRESSUREさえ悪用できるさBABY



カップリングは1stアルバム『SAD BLOOD ROCK'N'ROLL』の収録曲2つのライブバージョン。最初から最後まで勢いで押すシングル。

あと、このシングルは10万枚限定生産で、蛇柄のスリーブケースにベロアケースが挟まれた特殊仕様で、更に予約特典として8cmCD『メディア』が付いてきました。・・・が、・・・ここにお金をかける必要あったんか?というのが率直な感想。『メディア』は1分ちょいの曲・・・っていうか小品っていか・・・。・・・普通にシングルの隠しトラックでええやん・・・。

ジャケットの豪勢さはさぞ店頭で目立ったでしょうが・・・。ここでお金を無駄遣いしなければ、後期も・・・いやいいか、それは。


・青い孤独。4thシングル『忘却の空』

忘却の空
Sads
EMIミュージック・ジャパン
2000-04-12


ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の主題歌としてヒットしたシングルで、SADSの一般的な印象はこの曲だと思います。

アコースティックな作風に鮮やかなメロディーが乗る。何度も繰り返される「僕の声が聞こえてる」という歌。とても綺麗で悲しくて、なんとなく青くさい名曲。高校生の頃に600回ぐらい再生しましたが、『池袋ウエストゲートパーク』は未だに視ておらず原作も読んでおりません。


誰かはあきらめることが楽と言った
『正反対さ』と心で思った
いつも『繰り返しただけ』と迷ったけど
未完成だとしてもいいSTORY 今日も抱いている


この悪あがき感がたまらない。『TOKYO』みたいな不満ももはや消えて、もう1人で生きていくわ、というある意味でのあきらめ。そっちの方が辛い。・・・という意図かどうかはわかりませんが、結果的にこのSADSは空中分解してしまうので。

カップリングの『ハイエナ』はいつものお馴染みのスピードチューンですが、黒夢時代の空気感が少し復活していて、カップリングでは2番めに好き。「本質を知らないことは楽しそうさHIGH LEVEL」という毒舌も気持ちいい。

3曲めは、同時発売の『忘却の空』の3曲め『MATERIAL OF SKY』と対になる短いインスト『ELEMENT OF BLOOD』。両シングルにこのインストを意識したフィルムシートが同梱されていて、一時期は壁に貼っていたのですが・・・。傷みました・・・。


・赤いSADS。気怠く妖艶。慣れればクセになる。5thシングル『ストロベリー』

ストロベリー
Sads
EMIミュージック・ジャパン
2000-04-12


気怠いロックンロール。これまで速いナンバーが多かったのですが、ミドルテンポでなおかつ重厚、のっぺりとしつこく歌う妖しい曲。これは新鮮。

昔は速いのしか聴けなかったので苦手でしたが、ある時期を境に大好きになりました。清春さんのソロの曲の原型ともいえる作品。この曲が気に入ったら、進化系ともいえる清春さんのソロシングル『愛撫』を聴いてみてください。もっとのっぺりとしつこいです。

カップリングはファンキーな『Smash It Up!』ですが、これまたなんだか、似合わないというかなんというか・・・。やっぱり清春さんは妖艶な方が似合う。

次回に続きます。


・1度めの解散まで-SADS 1999-2003-(前編)


・1度めの解散まで-SADS 1999-2003-(後編)



この記事を書いた人


henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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