2018年いっぱいでの活動終了を宣言した、ボーカルの清春さん率いるロックバンドsads(サッズ)ですが、個人的には「ああ、2度めの解散か・・・」と思いました。


・あのSADSは2003年に解散した。

というのも自分は、SADSは2003年で一度、解散したと思っているので・・・。現在のSADSのメンバーは、ボーカルの清春さん以外は全員、2003年までとは違うメンバーだし、音楽的にもだいぶ違います。その、初代SADS、1999年から2003年までのSADSについて書きます。



・激しいけど内省的でもあるデビュー作。『SAD BLOOD ROCK'N'ROLL』

SAD BLOOD ROCK’N ROLL
SADS
ユニバーサルJ
2003-03-26



1999年の初頭に黒夢を活動休止させ、新しく作られたバンドがSADS。時期によって表記がSadsになったりサッズになったりするのですが、ややこしいのでここではSADSに統一します。

清春さんの新しいバンドということで注目され、デビュー前にもかかわらずロンドンでツアーを行い、現地からその様子がテレビ中継され、なぜか小室哲哉さんと対談するという、なんだかよくわかんないけどとにかく派手で、その存在感を強くアピールしていました。

その後にベースの方がさっそく脱退。初代SADSはずっとメンバーの仲が上手くいかなかったらしく、以後メンバーの脱退やクビが相次ぐことになります。翌年のツアーでは、ドラマーのミス連発とヘラヘラした態度にムカついた清春さんが楽屋の椅子を蹴る映像が残っていたり、観客の盛り上がりが悪いとライブの途中で帰ったり。・・・前者はまだしも後者はどうかと思うけど・・・。

業界全体や周囲の人間関係がMAXだったと思われる時期で、確実に特定個人を批判したような曲も。


Goodbye,Mr.『YA』 固い頭はビジネス
どうせ手を汚すなら 自分でやりな



・・・このMr.『YA』って、「あき〇とや〇し」を指しているとかいう噂あったな・・・。実際には関係者で、「ファンのみんなは知らない人」らしいけど。

黒夢の活動休止前のラストアルバム『CORKSCREW』が過去最高に尖った作風でしたが、SADSでの1stアルバムである今作もかなり尖った作風です。ただ、こちらは心情吐露も多い。


それなりに大人びて チャンスもつかめた
見違えた俺の顔は 覚えられ広まった
一息で十年が 過ぎ去った後には
分厚い壁に出逢う 前ぶれも感じてた



黒夢時代のキャリアを総括するような内容ですが、「かなえた夢は姿もなく」「でももう一度 僕に戻れ」と悲観的。これから新バンドでやっていくぜ!というノリではない。ラストの『HAPPY』だけ、ぜんぜん雰囲気の違う明るいパンクチューンになっているけど・・・。激しいけど決してポジティブな内容ではないな。

ただ、この陰鬱さ、悪くない。


・期待がかかりすぎたヒット作。『BABYLON』

BABYLON
Sads
EMIミュージック・ジャパン
2000-06-07


最も売れたアルバムで、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の主題歌としてヒットした『忘却の空』収録・・・なのですが、『忘却の空』みたいな綺麗なポップロックを期待してかかると、肩透かしを喰らいそうな、ねっとりとした作風。

当時の売上は33万枚とされていますが、これはレコード会社の期待に沿えない数字だったそうです。現在なら33万枚なんて大ヒットなわけですが、当時はまだCDバブルの残り香が強かった頃。また、黒夢時代の実績から、スタッフはSADSのCDはもっと売れると踏んでいたそうです。でも、このゴシックな作風で30万枚オーバーは、普通に凄いと思うけどなあ。

このアルバムのツアーはとて豪華絢爛なもので、大掛かりな十字架のセットに清春さんが張り付けられるパフォーマンスがあったり、ストリッパーがステージ上を舞っていたり。

でも、ここで経費を使いすぎたことで、バンドは5000万円の借金を抱えることとなり、その後はライブ中心の生活に。黒夢時代の後半の多数のライブは自発的なものでしたが、今回は止むを得ずの事情もあっての苛酷なツアー。年間200本に近い公演をこなし、その収益は借金返済に回され、いくらライブをやろうが、どれだけグッズが売れようが、清春さん自身はノーギャラだったとのこと。その頃に購入したフェラーリ360モデナはほとんど乗らずに手放したとかなんとか。

アルバムのストーリー上は14曲めの『Conclusion of my BABYLON』で完結していますが、ラストに3曲、シングル曲およびカップリング曲の再録を追加。この3曲は全くもっと世界観が違うので、完全にボーナストラック的な扱い。これ目当てに買う人、そんなにいたのかなあ・・・。まだ『忘却の空』のアンプラグドとかをくっつけた方がウケたと思うけど・・・。

紫の黒抜きで彩られた蝶のジャケットがオシャレ。アルバム曲やシングル『ストロベリー』が気に入ったら、清春さんのソロアルバム『官能ブギー』も気に入るのではないか思います。

官能ブギー+3
清春
ユニバーサル ミュージック
2014-11-05



この記事を書いた人



henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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