『あしながおじさん』  J・ウエブスター  フォア文庫

あしながおじさん (フォア文庫)
ジーン ウェブスター
理論社
1988-03



    中学生の時に、『あしながおじさん』を読みましたが、そのときは、絵が滑稽なのと、ジュディが根明だったのが印象的だっただけで、ストーリー的にもそんなにたいした話じゃないなと思ったものでした。当時はナマイキだったんですね。
 古い時代の孤児院の実態が描かれています。いつもギンガムを着せられていてみじめだったとあります。わたしもセンスの悪い親の選ぶ服がいやだったなぁ。





 ところで、このジュディは、もともと国語が得意で、それを伸ばすために金持ちの紳士が彼女の後見人になって作家に育てようとするところから話がはじまるんで、ジュディがいかに勉強をがんばってるかとという話が主になってるんですが、これがまた笑えるんです。ちっとも苦しそうじゃない。学生生活を満喫しつつ、目標に向けてひたむきにがんばってます。
 このひとは、天才にかんする話(憂鬱になったあまり海に目覚まし時計を投げ込んだ)を知ると、「天才ってしんどそう、家具にも破壊的だし」と切り返すユーモアセンスが秀逸で、思わず吹き出してしまいます。



 作家になるのが目標なので、ジュディはふだんから観察を鍛えています。学友のサリーやジュリアに関してはとくにするどい洞察を見せてますね。世の中のひとびとは、自分がしあわせなのに気づいていない人が多いけど、自分はしあわせをしっているというくだりは、お金のないことのみじめさとか、苦しさを感じさせます。
 孤児院を恨んでいたけれど、いまとなっては感謝する、というくだりを読んでいけば、ジュディのこころの成長がよくわかります。あっというまに読み終えて、「もう終わり?!」とがっかりしちゃいます。




 この本のなかで、ジュディは、人生に必要なのは想像力だと言っています。
 しっかり地に足を着けた上での想像力というのは、ひとのこころを豊かにします。
 たとえば赤毛のアンでも、美しいグリーングレイブズの景色を眺めて、そこから豊かな想像力を駆使したのでした。
 赤毛のアンは、先生になりましたが、ジュディは作家になるのです。
 そのためにも、想像力というのは、必要なのでしょう。




 ジュディは強い女性です。自分の無知を知り、はっきりした自己を持ち、主張するべきところは主張して、その上でいたわるところもわすれない。
 中学生の時に読んだこの本ですが、改めて再読して、ジュディのユーモアがしっかりした芯のある女性のものだと知って、こういう女性を友だちにしたいなと思ってしまいました。
  なかなか、身近にいないですけれど、明るくてチャーミングな女性になろうと思えばなれるかも?!
 ひとつの理想の姿です。

 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。

 

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