名探偵のコナンくんに教えてもらった、1987年のメジャーデビューから改名時期や活動休止を経て、現在もその名前で転がりつづけているロックバンド・ユニット・ソロプロジェクト・・・な、実に複雑な経緯を歩む、偉大なる「ZIGGY」について、後追いのクソガキが好き勝手に書くシリーズ6回め。


・キャッチーなのを目指したのはこれが最後?『Goliath Birdeater』

ゴライアス・バードイーター
ZIGGY
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
1999-03-20


1992年に脱退したギターの松尾さんが復帰、再び4人編成のバンド形態になって、水面下でのライブ活動を経た1999年にリリース。

先行シングル『マケイヌ』はアニメタイアップが付いてもおかしくなさそうなキャッチーさ。「限りなく潔い 殉教者(ヒーロー)になるその日まで」というサビは、コロコロコミック原作の水曜夕方6時のテレ東アニメにとても似合いそうですが、そんな軽口はバンドブーム時代からのファンの方には怒られるかな・・・(でも書くけど)。

後にシングルカットされた『Without...』は、何度もリメイクされることになりますが、個人的にはオリジナル版が最も好き。美しいメロディーの『VENUS』がシングルカットされる案も
あったらしいけど、それは却下に。・・・個人的には『マケイヌ』より『VENUS』の方がいいと思うけど・・・。

『Without...』のカップリング扱いでシングルカットされた『この空の下のどこかに』もメロディーの良いバラードで、ベタだけど前向きな歌詞が刺さる。後半のアップテンポチューン『迷走』は本当に走り回っていてカオスな展開。タイトルの自虐性も含めて、『マケイヌ』に通じているように思える。

ある意味で今作の中心であるハードロックチューン『MONKEY』は、ZIGGYと並行してメンバーが活動していたThe DUST'N'BONEZでもカバーされた人気曲。


冷めたスープとぬるいビール 俺のブーツは泥だらけ


軽快に韻を踏みながらも、「俺はMonkey」「ケチで醜い嫌われ者」と自嘲を繰り返す。間奏の「Monkey...Moooon,key!」のタメは実に妖艶。歌詞こそダウナーになっているものの、『KOOL KIZZ』時代が好きな方にも受け入れられそうな衝動感を覚える名曲。


積極的にテレビの歌番組で新曲を披露したりするのはこの時期が最後で、このあたりから、売れる売れないよりも、開き直って「やりたいことをやる」方向にシフトしかけている印象。ただ、まだ吹っ切れていないというか、シングル曲のキャッチーさとアルバム曲のヘヴィーさの乖離が最も激しいアルバムだと思います。


・この時点でのベストアルバム2枚。

1999年でZIGGYとしての活動は途切れますが、それまでに2枚のベストアルバムが出ています。別にベスト用の新曲とか未発表音源とかもないので(シングルバージョンの初収録というのはある)、コレクターズアイテムという感じですが。


・初期メンバー時代のハイライト集。『ORDER MADE-15 NUMBERS SELECTION-』

ORDER MADE
ZIGGY
徳間ジャパンコミュニケーションズ
1992-12-04


メジャーデビュー5周年、あとこのタイミングでメンバー2名が抜けることになって方向性が大きく変わるので、この時点でのまとめ的なベストアルバム。ファンの人気投票によって収録曲が選ばれました。

この時点での全シングルを網羅(そもそも少ないけど)、この時点での各アルバムの代表曲をみっちり揃えた全15曲。バンドブーム時代のZIGGYはこれ1枚に詰まっていると思います。実際に、自分が当時15歳だったらお小遣い3000円を持ってTSUTAYAに行ってこれ買っていると思う。


・悲しいシングル集。『What's Best!?-SINGLES1987~1997-』

What's Best !? SINGLES 1987〜1997
ZIGGY
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
1997-12-05


一応はメジャーデビュー10周年記念のベストアルバム。・・・だけど、前回のような盛り上がりはなく、単純にリリース順にシングルを並べただけの素っ気ない内容。あからさまな契約消化用品。

ジャケットの棒グラフは、歴代シングルの売上推移。中盤でちょっと盛り返すものの、後半ズンズンと落ちているのがわかる。時代はCD全盛期といえど、こういう硬派ロックバンドはもう注目されない時代になった。でもこれをジャケットにするのは、あまりにも自虐的すぎる・・・。『YELLOW POP』の「齢増電的楽団」はまだ戯ける余裕が見えるけど、こちらはただただ悲しい。

これはTSUTAYAに行ってもレンタルだっただろうな。ちなみに、今は全シングル曲を網羅したものや未発表音源がたくさん収められている大掛かりはベストアルバムも出ているので、'90年代のこの2枚とも、ここでしか聴けない!というような曲は特にありません。 


・SNAKE HIP SHAKES。

そして今度は、ベースの戸城さんが脱退。とうとうオリジナルメンバーはボーカルの森重さんだけに。以後しばらく、契約上の関係でZIGGYの名前を使えず、「SNAKE HIP SHAKES」という変名での活動となります。


・コナンに導かれた'80年代のせかい-ZIGGY全アルバム紹介Vol.1-

・BADでカッチョいい歴史-ZIGGY全アルバム紹介Vol.2-

・絶頂期から過渡期。でもここらへんからが好き。-ZIGGY全アルバム紹介Vol.3-

・ユニットになって劇的に変化-ZIGGY全アルバム紹介Vol.4-

・光と影の1996と1997-ZIGGY全アルバム紹介Vol.5-


この記事を書いた人

henkou_ver

プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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-たまに短いエッセイ的な何かやら。

twitter-ただのオタクの戯言をたれながす。

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