『いばらひめ』  グリム童話  株式会社ほるぷ出版


いばらひめ―グリム童話より
グリム
ほるぷ出版
1975-09-20



『眠りの森の美女』としても有名な、いばらひめのお話です。
 ストーリーは、みなさんご存じでしょう。
 子どものいない王様と女王さまが、かにの予言で子どもを授かり、お祝いのパーティーをひらいた。仙人を13人招かねばならないところを、お皿が12枚しかなかったので、ひとり仲間はずれにしてしまったところ、その仙女から子どもが呪われる。しかし最後の仙女がその呪いを和らげる……。

 それにしても、お皿がひとつ足りないんだったら、作らせりゃいいだろうに。財産もあるだろうし、軽々とできそうだけど、仲間はずれにするという安易な方法をとる王様。そりゃ、子どもが呪われてもしょうがないかも(汗)。




 
 このほるぷ出版の本は、外国人の描いた絵をそのまま訳にあてはめてつくってあります。
 なので、中世的なイメージの色合いやキャラクターの描写が美しいのです。
 外国のひとの絵って、妙にリアルで気味が悪いことがあるんですが、この本に限って言うなら、そんなことはありません。逆に、ちょっと現実をデフォルメしてファンタジーにしたよっていうイメージの色やキャラクターで、夢を見ているようです。
 女の子が喜びそう。



 この話のキモは、糸車のつむで娘が眠りにつく、と予言された王様が、国中のつむを排除しちゃうところでしょうか。
 運命に立ち向かうのではなく、逃げてしまうんですね。
 その意味では、王様の娘さんも、つむに興味を示して近づき、あっというまにつむの針にさされて眠っちゃうんだから、ちょっと間抜けです。
 ひとはだれしも、運命には逆らえないのでしょうか。

 百年の眠りがなにをさすのかは、いろいろ説があるようです。
 思春期を迎えるまでの子どもの心境だ、という話も聞いたことがあります。
 百年眠るのはお約束ですが、巻き添えをくらって城じゅうが眠りこけるのが傑作。
 ここのあたりの絵も、なかなか生き生きしています。

 


 眠ってばかりですが、年をとらないところも謎です。
 食事はどうしているんでしょうか?
  排泄とかどうなってるんでしょうね。
 そういうふうに、現実を考えるとありえないんですが、みょうに説得力があるお話で、ひきこまれていくのです。

  心を許せる唯一の人と巡り会えること。
 それが、女性の幸せです。
 というのが、この話のメッセージなのでしょうか。
 結局、他力本願的に、呪いを解いてもらうというストーリー展開。
 要するに、『果報は寝て待て』ってことかも。
 わたしも今から寝よう。




 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。



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