前回の続きですが、原作の『クレヨンしんちゃん』のおすすめ巻、ならびに、関連作品について。


・後期の新書版のおすすめ、のつづき。

・少年剣士しんのすけ編



ひょんなことから知り合いになった剣道の達人、武蔵野剣太(むさしの けんた)の元で修行をするようになったしんちゃん。クレしん的なお笑いフィルターは入っているものの、基本的には王道なスポーツマンガ的な展開。シリアス寄りの作風なので、初期のカオスな雰囲気が好きな方には物足りないかもしれません。

自分流の剣道を志す武蔵野先生は超マイペースな性格ですが、クレしんのキャラにしてはまともな大人なので、家族や幼稚園の先生じゃない保護者の元で剣道をたしなむしんちゃんの姿が新鮮でした。といっても、特に剣道に興味があるかというと別にそうでもない感じなのがしんちゃんらしいのですが。


・むさえ編



 みさえの妹であり、しんちゃんにとっては叔母にあたるカメラマン志望のニート、むさえが野原家に居候するエピソード。アニメではとかなりの長期間にわたって居候していたそうですが、原作ではそこまで長くはいません。

クレしんでは度々、みさえの私生活のだらしなさが描かれていますが、そのみさえにすら呆れられてしまうほどに、むさえはだらしなく、そして幼い性格です。不真面目な部分も多く、そのせいなのかしんちゃんとは気が合い、一緒になってみさえをからかったり、イタズラしたり。

クレしんに出てくる大人の多くは、しんちゃんのおバカな行為にツッコむか仰け反るかのどちらかなので、このように同じ目線で遊んでいる人は珍しいです。エキセントリック過ぎて、時々はしんちゃんにすら「なに言ってんだこの人・・・」と言われることも。

しんちゃんの親戚関係では、個人的に最も好きなキャラです。銀ノ介じいちゃんも好きだけど。


・オラの無敵・快適・大進撃だゾ編



特に決まったテーマはない、総集編的な内容。新書版の後期はこういったアソートセット的な内容が続きます。それだけに、文庫版と同じく、最近の話と昔の話がごちゃ混ぜになっていて、少し読みにくい。・・・とはいえ、この『オラの無敵・快適・大進撃編』はバラエティーという意味では抜群です。

後期に少しだけ描かれた4コマシリーズや、初期のワイド版単行本のオマケだった超お下品4コマや、映画『雲黒齋の野望』の原作、風間くんのパパの話やシロの親の飼い主の話などの神回も収録。

初期と後期の作風の変化がわかりやすい1冊。しんちゃんも含め、性格が大きく変わったキャラクターが多いです。特にかすかべ防衛隊メンバーは・・・。ネネちゃんは凶暴になり、風間くんはオタクになり、マサオくんは神経質になり、変な子と思われていたボーちゃんが今は一番まとも。


・その他の『クレヨンしんちゃん』

・『新クレヨンしんちゃん』



2009年に原作者の臼井儀人先生が急逝、その後のクレしんがどうなるかが心配されていましたが、アニメと年に一度の映画は変わらずに続投、そして、生前の臼井先生のお仕事に携わっていたスタッフさんたちの手で、続編にあたる『新クレヨンしんちゃん』が連載されることが決定しました。クレしんの作画にアシスタントって必要なのか(超失礼)?・・・作中の、作者を投影したと思われる、よしいうすとという漫画家は、奥さんがアシスタントをしていたけど、現実にも臼井先生の奥さんが手伝っていたりしたのだろうか。

それはともかくとして、正直なところ自分は全く期待していませんでした。ご本人のテイストはまあ無理で、たぶん映画が準拠のハートフルコメディーになっていくのだろうと。ですが、臼井先生が描いていらした頃とほとんど変わらない雰囲気です。絵も、少し丸っこくなったかな?程度で、さほど違和感がありません。

クレしんらしい流行ネタも満載だし、懐かしいキャラクターが復活したり、たまにブッ飛んだ話があったりして、充分に原作リスペクトを感じる内容。原作と同じく、家のトイレでの回し読みにおすすめです。


・『アクション仮面』



しんちゃんが大好きな特撮ヒーロー、アクション仮面。このアクション仮面のストーリーを丸々と描いたスピンオフです。・・・が。

ガチな内容なんですよ・・・ヒーローものというか、青年誌のアクションコミックとして。原作みたいに、ただ地味な嫌がらせをするだけのしょーもない敵は現れないし、ブラックメケメケ団なんてふざけた奴らも出てこない。いや、それどころか、欠かせないメインキャラであるはずの桜ミミ子も出てこない。それどころか、例の決め台詞「ワーッハッハッハー!」すらありません。もはやアクション仮面である必然性を感じない・・・。

アクション仮面だと思わなければ、普通に読めるんですけどね。なんかもったいないな。


・『野原ひろし 昼メシの流儀』



野原家の亭主であり、昼間は双葉商事に勤める企業戦士でもある、野原ひろし35歳の昼メシを描いたスピンオフ。・・・なんだけども、うーん。

ひろしは係長だから、社内の事務的な処理や部下の管理が主な作業だと思うので、こんなにも毎日のように外回りするかなあ・・・というのはともかくとして、まず、ひろしの個人行動だけで話が完結するから、拡がらないのですよ・・・。『孤独のグルメ』へのリスペクトなのかもしれないけど。ヨシりんも同じ会社のはずだけど、外回りが多いから一緒にならないか、単にウザいから誘いたくないのか?

外回りの案件も、具体的な描写は特になし。ひろしの仕事と昼メシをもっと絡めるだけでも、結構エピソードが作れそうだけど。「ひろしが自発的に行くお店」という縛りが良くないのかな。営業先で気に入られた社長の奢りで行ったお店が高級すぎてメニューの頼み方すらわからない話とか、ひろし的には居づらい若者向けのパフェにヨシりんに無理矢理に誘われて行く話とか、ひねり出せそうだけどなあ。

たぶん、ひろしが振り回される展開の方が楽しい。

で、これも、ひろしだと思わなければ、平凡なサラリーマンのお金をあまり使わないグルメマンガとして楽しめるんですよね。大袈裟じゃないところが持ち味だと思うし、野原ひろしに本当のグルメを期待していないので、もっと素朴な感じでいいんじゃないかなあ、という感想です。

あと、昼メシにこだわることもなかったような。原作後期に出てきた居酒屋のオヤジとか出してもいいかも。マスター・ヨダのつまみの流儀とか見てみたい。晩メシもありなら、会社帰りに家族と一緒にファミレスに行く話だって描けるし。これも、もったいないんだよなあ。


・結局、原作が最も面白い。

この記事を書いた人


プラーナ

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サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

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-たまに短いエッセイ的な何かやら。

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プラネタりうむ(個人ブログ)-個人ブログ。テキトー。

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