ぷらすです。

ご存知、世界的アニメ監督の宮崎駿監督。
そんな宮崎さんのアニメを1作づつ語っていくこのシリーズ。
ただ、TV版も入れると作品が多すぎるので、宮崎さんの劇場作品に限定して語ります。
そして第3弾となる今回は、みんな大好きなあの作品ですよー! バルス!

天空の城ラピュタ(1986)




スタジオジブリの劇場版長編アニメ第1作目にして(恐らく)最も有名で人気も高いのが本作「天空の城ラピュタ」ですよね。

劇中に登場する滅びの呪文「バルス!」は、天空都市ラピュタのみならずツイッターのサーバーまで落としてしまう破壊力抜群の本作。
宮崎さんがアニメ作家として、最も脂が乗っている全盛期の作品です。

スタジオジブリが出来るまで


前作「風の谷のナウシカ」の成功を受けて、プロデューサーを務めた高畑さんに宮崎さんがお礼の意味も込め「何でも好きなアニメを作っていいよ」と言ったところ、高畑さんはアニメではなく「柳川堀割物語」という、福岡県柳川市を縦横につらぬく水路網「堀割」を題材にしたドキュメントを制作します。
しかし、この作品は時間も予算も大幅に超過。「ナウシカ」の売り上げを全て注ぎ込む形になってしまったんだそうです。(それでも足りずに宮崎さんの自宅を抵当に入れるハメになったとか)
しかも、ドキュメンタリーなので当然元は取れず、宮崎さんは赤字分を補填するためもう一本作品を作らざるを得なくなったんですね。

それが本作ですw

しかし、「ナウシカ」を制作したトップクラフトは解散。その時、高畑さんの「なら、いっそスタジオ作りませんか」という軽い一言(と徳間書店の資金)で出来たのが、スタジオジブリだそうです。

マンガ映画の復活


本作は宮崎さんが小学校時代に考えていた架空の作品を骨子に、ボーイミーツガールの冒険物語として肉付けした完全オリジナル作品です。
劇中に登場する天空都市「ラピュタ」という名称は、スウィフトの「ガリヴァー旅行記」に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国」から取ったのは有名ですが、名前を借りた以外で本作との関連はないようです。(宮崎さん自身「ガリバー旅行記」は好きじゃなかったらしい)

この頃、次第に高年齢向けになっていくアニメに対して、小学生を対象に古典的な冒険活劇の“マンガ映画”の復活を目標にしたという本作。

そうした冒険活劇は「結果的に大人の鑑賞にも耐えうる作品になる」というのが宮崎さんの信条だったようで、公開時の興行成績こそ振るわなかったものの、観客満足度調査は97.7%と高く、ビデオやテレビ放映などを通して幅広い年齢層のファンを掴み自身とジブリの名前を世間に知らしめる、文字通りの代表作となったんですねー。

宮崎アニメを支えるキャラクターたち


本作には宮崎さんの過去作品だけでなく、後に作られる作品に登場するキャラクターの原型とも言えるキャラクターが多く登場します。

例えば、シータやパズーは「未来少年コナン」のコナンとラナが下敷きになっているし、ラピュタを守ロボット兵は、テレビ版2期の最終回「さらば愛しきルパン」に登場する装甲ロボット兵「ラムダ」そのもの。(「ラムダ」の元ネタはフライシャー・スタジオ製作『スーパーマン』に登場する現金強奪ロボットがモデルなのだとか)
シータとムスカの関係は「~カリオストロの城」のクラリスと伯爵ですよね。

空中海賊の女ボス ドーラ的キャラは、ディテールと役柄を変えながらその後の宮崎作品の多くに登場するし、ドーラ一家が「紅の豚」の空賊の原型となっているのは一目瞭然ですよね。

手塚治虫の「スターシステム」じゃないですが、宮崎さんの中に外見・性格などパターン化された動かしやすいキャラクターがあって、それらを組み合わせたキャラクターたちが脚本を書かずにイキナリ絵コンテで進めていく宮崎アニメの、ストーリーを進める狂言回しとして支えているんだと思います。

バルス


宮崎さんは太平洋戦争開戦の年に生まれ幼少の頃に終戦を迎えています、つまり終戦でそれまでの価値観をひっくり返された世代なんですね。

そうした体験と戦後食糧難の体験は、宮崎作品に大きな影響を与えています。
本作でも、パスーとシータが食べる目玉焼きトーストやドーラ一家の食事シーンなど、ご飯を分けあったり大量の料理をガツガツ食べたりしますよね。

また、過ぎた力(テクノロジー)によって人類や文明が滅ぶという設定は、宮崎さんの目に映った終戦後日本の復興と発展、同時に価値観の変化が反映されているように思います。
本作には(恐らく)幼少期に開戦と敗戦を経験した宮崎さんの、その後の時代の流れや価値観の変化への警鐘の意味も入っていると思うし、滅びの呪文「バルス」をシータとパズーが唱えるシーンは、次世代の子供たちが古い価値観を打ち崩し、より良い未来を築いて欲しいという希望の象徴なのだと思います。

というわけで、次回は「となりのトトロ」について語りますよー!(´∀`)ノ


宮崎駿作品を語ってみる-1「ルパン三世カリオストロの城」(1979)

宮崎駿作品を語ってみる-2「風の谷のナウシカ」


この記事を書いた人 青空ぷらす

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