今や国民的な大人気を誇るアニメ『クレヨンしんちゃん』(以下クレしん)ですが、ご存知の通り、原作はマンガです。今回は、そのクレしんについて、アニメではなくマンガの方に焦点をあてて書いていこうと思います。


・単行本は4種類。

原作のクレしんの単行本は、全部で4種類が発売されています(※コンビニコミックの『COINSアクションオリジナル』は除外)。


・ワイド版(通常版)


オリジナル単行本のワイド版。ワイド版なのでとにかく大きい。意外にもクレしんはコマ割りが細かいので、ワイド版じゃないと読みにくいという方もいるのかも。個人的には、ちょっと大き過ぎて、軽く読むのには向いていないかなあ、という印象です。といっても、24巻くらいまでかな?・・・そのあたりまでは、ワイド版で集めていたのですが。なぜか6巻は家に2冊ありました。


・ジュニア版




子供向けに改変されたジュニア版。内容はまあほとんど他のバージョンと同じですが、初期の頃によく見られたR-18な表現が削られ、マイルドになっています。表紙のデフォルメされた絵柄の雰囲気からして、アニメ準拠、という印象です。今の子供のほとんどはアニメからクレしんに入るでしょうから、入門編としてわかりやすいかも。でも大きくなったらうっかり昔の版のクレしんを読んで「夫婦のシークレットサイン」とかに触れてほしいと私は切に願う。


・文庫版



手頃な値段で手に入る文庫サイズ。今度は小さい。先述の通り、クレしんは1ページあたりのコマが多いので、文庫サイズだと読みづらい。あと、クレしんは背景のおふざけも面白いのですが(建物の名前がパロディーだったり、電柱に作者が好きなラジオの感想が書かれていたりする)、それも探しにくい。あ、もしかして通常版がワイド版なのは、そういうのを探すためなのかな(たぶん違う)。あと、収録順がランダムなので、妹のひまわりが産まれてからの4人家族時代のエピソードと産まれる前の3人家族時代のエピソードが混ざっているので、続けて読むと少し疲れる・・・。


・新書版



テーマ別に分けられた新書版です。基本的に1話完結のギャグマンガであるクレしんですが、たまに連続したエピソードがあったり、一時的にレギュラーになるゲストキャラクターが存在します。野原家が不慮の事故で爆発して一時的に移住したアパート「またずれ荘」の住人たちや、しんちゃんが弟子についた剣道の先生、みさえの妹でしんちゃんにとっての叔母であるニートのむさえ、など。各ゲストキャラが活躍するエピソードをまとめて読めます。


・自分のおすすめは断然「新書版」です。




持ち運ぶのに手頃なサイズだし(電車内でクレしん読む人を未だに見たことがないし、実際あんまりおらんとは思うが・・・)、トイレなどに置いて家族間で共有するにも良い感じです。トイレットペーパーケースの上に置けるサイズですからね。


・その中でのおすすめを紹介。

・ファミリー編




まだ妹のひまわりが産まれていない、3人家族時代のクレしん。初期のしんちゃんはかなり憎たらしいクソガキで、母親のみさえを呼び捨てにしたり、担任のよしなが先生と彼氏の石坂さんとのデートに茶々を入れたり、給食をメチャクチャにしたり、大人をナメくさっています。よしなが先生のスカートの中に顔を突っ込む回があるらしいですが、さすがに当時の認識でもヤバイと判断されたためか単行本未収録。

そもそもが青年誌連載だったのもあり、下ネタがひどいのが特徴。また、この時期はよしなが先生もしんちゃんに遠慮なく制裁を食らわせており、今のクレしんではまず見られないようなきわどさがあります。こらPTAに怒られるわ。

しかし、家族間での共有をすすめた直後にいきなりこれを持ってくる自分もどうかと思うけど・・・。世のお父さんお母さんは、お子さんに「ソープって何?」などと訊かれた時の上手なごまかし方を考えておきましょう。



・ななこおねいさん編




理由はひとつだけです。原作のななこおねいさんの方が断然!好きだからです。茶髪の!ななこおねいさんの方が!好き!・・・という個人的な理由からですが、いちおう、しんちゃんが初めて本気で恋をするエピソード(『夕陽のカスカベボーイズ』のつばきちゃんもそうか)。


・野原家お引っ越し大パニック編~野原家新築大作戦!編



不慮の事故によって野原家が爆発、全焼してしまい、建て直し期間中は近所の古いアパート「またずれ荘」に移住することに。

この「またずれ荘」の住人が、いちいちクセの強い人物ばかりで、期間限定キャラクターなのがもったいくらい面白いです。3浪している受験生の四郎くん、普段はシャイだけどメイクをすると人格が変わる優ちゃん、オカマキャラの多いクレしんの中でも群を抜いた人生経験を持つバーテンダーのスーザン、外見は怖いけど実際はジョーク好きのお茶目な外国人のオマタさん。

アニメ版にはスーザンとオマタさんは登場しないのですが、むしろこの2人が特に面白いです。オマタさんが唐突に繰り出すジョークの数々や、しんちゃんが教える変な日本語が楽しい(このへんが引っかかってアニメで出せなかったのかな)。



珍しく、巻をまたいで描かれている長編ですが、どちらからでも読めます。新築大作戦!編は、建築会社の(有)鬼瓦リフォームの超ガンコ親父の鬼瓦築造(おにがわら ちくぞう)と、その娘のカンナと弟子(社員)の八根浦工事(やねうら こうじ)が主役のエピソード。まだ野原一家はまたずれ荘に住んでいるので、お引っ越し大パニック編の面々も出てきます。

鬼瓦リフォームの面々はその後も登場しますが、この巻のブッ飛ばし方が最も面白い。「今日は長い鼻毛が抜けたんで気分がいい!」はわかりみが強すぎる。あと、クレしんの、好きな相手に振り向いてほしくてメチャクチャに頑張る話はハズレがない。


・後編につづきます。


この記事を書いた人


プラーナ

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サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。

note-たまに短いエッセイ的な何かやら。

twitter-ただのオタクの戯言をたれながす。

プラネタりうむ(個人ブログ)-個人ブログ。テキトー。

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