ぷらすです。

ご存知、世界的アニメ監督の宮崎駿監督。
そんな宮崎さんのアニメを今回から1作づつ語っていくこの企画。
ただ、TV版も入れると作品が多すぎるので、宮崎さんの劇場作品に限定して語りますよー。

風の谷のナウシカ(1984)




前作の「ルパン三世カリオストロの城」から5年後の1984年。
宮崎駿監督の長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』が公開されます。

アニメ雑誌『アニメージュ』に連載していた宮崎さんの同名漫画を原作にした世紀末ファンタジーで、7日間に渡る「最終戦争」によって巨大産業文明は崩壊し、錆とセラミック片におおわれた荒れた大地に「腐海(ふかい)」と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森に覆われた世界の辺境、「風の谷」で逞しく生きる少女ナウシカの姿と腐海の浄化作用による再生を描いた物語です。

「カリオストロの城」ですっかり宮崎ファンになっていた僕は、当時ナウシカの公開前日から友人と徹夜で並んで観ましたねー。
確か同時上映は宮崎さんのアニメ「名探偵ホームズ」でしたねー。

アニメ化までの経緯


この作品は原作の単行本全7巻のうち、序盤に当たる2巻目の途中までをアニメ化しています。
原作執筆中、所属していたテレコム・アニメーションフィルムを退社してフリーとなった宮崎さんは、一時『ナウシカ』の漫画連載が唯一の仕事だったのだとか。

その後、そんな宮崎さんの状況を知った同誌編集長からイベント用に10分程度のアニメ化の依頼を受け、
主人公ナウシカの幼少期を描くプランを提示するも結局実現せず、OVAの企画が持ち上がるも実現せず、最後に長編アニメ映画案が持ち上がり、「アニメージュ」の徳間書店と博報堂の共同出資で制作、全国ロードショー公開が決まったんだそうです。

スタジオジブリの前身


1983年になって始動した本作、宮崎さんの指名によって盟友 高畑勲がプロデューサーとして参加します。
最初は「自分はプロデューサー向きではない」と渋っていた高畑さんを説得したのが、当時アニメージュの副編集長だった鈴木敏夫でした。

制作拠点となったのは当時、主に海外合作を手がけていたトップクラフトで音楽を久石譲が担当するなど、後にスタジオジブリの黄金期を支える事になるクリエイターが、この作品で勢ぞろいすることになるんですね。
余談ですが、劇中ドロドロに溶けながら腐海や王蟲の群れを焼き払う巨神兵のシーンは、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明が担当していますよ。

アニメ作家 宮崎駿の全てが詰まった作品


よく「デビュー作には作家の全てが詰まっている」なんて言いますが、本作には後にスタジオジブリで数々の名作を生み出す、作家 宮崎駿の全てが詰まっています。

もちろん本作は宮崎さんのデビュー作ではないんですが、前作「~カリオストロの城」は、あくまでルパン三世の1エピソードであり、いわば雇われ仕事で、原作から監督・脚本まで全てを宮崎さんが担当した純宮崎作品としては、本作が劇場版デビュー作と言えるでしょう。

舞台は、高度に進化しすぎた人類が自ら自滅した世紀末世界で、それでも尚、人類は世界の覇権をかけて愚かな戦いを繰り広げているんですね。
こうした世紀末(デストピア?)的な物語は宮崎さんの大好物で、テレビアニメ「未来少年コナン」やジブリ作品第一号となる「天空の城ラピュタ」(86)の滅びた文明ラピュタに繰り返し登場するし、「もののけ姫」(97)も、テーマ的には同じと言えますよね。

そこには戦中生まれという宮崎さんの出自もあるし、またアーシュラ・K・ル=グウィンの「ゲド戦記」など、海外ファンタジー小説の影響も大きいのではないでしょうか。

自然とともに暮らす事こそ人間のあるべき姿という理想と、しかし人間にはそれは不可能というある種の諦観が宮崎作品の根底には常にあって、そうした思想が上記のような世紀末的な世界観や、逆にノスタルジー(ユートピア)として「となりのトトロ」(88)などに投影されているのでしょう。

宮崎作品の主人公に少年・少女が多いのも、自分たちでは実現しなかった“ユートピア”を真っ白な子供たちに作ってほしいという期待からだろうし、主人公たちを導き見守ってくれる様々な老婆は、恐らく母親への憧憬が反映されてるのだと思います。

ともあれ、本作をきっかけに「スタジオジブリ」は誕生し、後に日本映画界を席巻する様々な名作が作られることになるのですが、それはまた次回以降に。

というわけで「風の谷のナウシカ」を語ってみましたー!(´∀`)ノ

この記事を書いた人 青空ぷらす

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