ぷらすです。
ご存知、世界的アニメ監督の宮崎駿監督。
そんな宮崎さんのアニメを今回から1作づつ語っていきたいと思います。
ただ、TV版も入れると作品が多すぎるので、宮崎さんの劇場作品に限定して語っていこうと思います。

ルパン三世カリオストロの城(1979)




1979年公開の「ルパン三世カリオストロの城」は、ルパン三世の劇場映画第2作で宮崎駿の映画初監督作品です。
当初、ルパン三世のテレビ版や劇場第一弾「ルパンVS複製人間」を制作していた東京ムービー新社は、シリーズに深く関わっていた大塚康生へ監督を依頼。しかし気乗りのしなかった大塚さんは日本アニメーションで高畑勲らと『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していた宮崎さんに監督を要請、宮崎さんは赤毛のアンを降板して、本作の制作に取り掛かるんですね。

今でこそ名作扱いですが、公開当時本作の評判は芳しくなく、興行的にもイマイチだったらしいです。
僕ら世代のオタクの間では、「未来少年コナン」やテレビ版ルパン三世などで名前の知られていた宮崎さんですが、まだまだ一般的には無名。
また、囚われのお姫様クラリスを救うヒーローとしてのルパン像は、僕より上の世代のルパンファンからは「こんなのルパンじゃない」と批判されたりしていたようです。

しかし、宮崎作品の躍動感あふれる動きの数々や、ヒロインであるクラリスの人気もあり、また、テレビ放送や上映会などが繰り返されるうちに人気が高まっていったのです。

当時中学生だった僕も、テレビ放映された本作をビデオに録画してルパンのセリフを全部覚えるくらい何度も何度も観返してましたねーw

物語の発端


本作のアバンで、ルパン・次元・五右衛門の三人はモナコの国営カジノから大金を盗むことに成功しますが、そのお金は幻の偽札「ゴート札」でした。
実はルパンは若い頃に名を上げるため、ゴート札(の原版)を盗もうとカリオストロ公国に忍び込み、大怪我を負わされて失敗した過去があり、(多分)2度も面子を潰されたカリオストロへの復讐(リベンジ)のため、カリオストロ公国に向かうんですね。

最後のルパン


実は宮崎さんは、「ルパン三世」を終わらせるつもりで本作を作ったんだそうです。

もちろん実際そうはならず、この後もテレビ版新シリーズや映画版が作られるわけですが、しかし、大塚さん・宮崎さん・高畑さんら、ファーストシーズン(緑ジャケット)・セカンドシリーズ(赤ジャケット)を手がけた初期メンバーが去り、さらにルパン役の山田康雄さんが亡くなって以降はイマイチ振るわず、(単品作品としては何度もリブートされているものの)結果的には宮崎さんの思惑通りになったんじゃないでしょうか。
そういえば、「一時は『カリ城』の次のルパン劇場版は押井守が監督に」なんて話もありましたっけねー……(遠い目

復讐の物語


本作の主人公はもちろんルパンですが、裏の主人公はカリオストロ伯爵です。
ご存知のように伯爵は策略や陰謀を司るカリオストロ伯爵家の末裔で、つまりは分家の倅なんですね。
しかし、分家の自分たちに汚れ仕事を押し付けてのうのうと暮らす本家に対して常々不満を持っていた伯爵は、闇社会を通じて密かに勢力を伸ばし(多分)劇中の7年前に火事を起こし大公夫妻を暗殺、自らが大公に成り代わろうとします。

クラリスとの結婚の第一義は、当然継承権を手に入れるため。第二義は大公家に代々伝わるカリオストロ家の宝を手に入れるためでしょう。
同時に、クラリスとの結婚を世界中に宣伝する理由は、闇の世界から光の世界へ抜け出た事を世界中に知らしめると同時に、(伯爵にとって)光の象徴であるクラリスを手中に収めることで、大公家に対しての復讐を完成させることが目的だったんだろうと思います。(実は伯爵がクラリスに恋してた説もあるけど、個人的には懐疑的です)

つまり、この物語はカリオストロ伯爵の復讐の物語なのです。
で、そんな伯爵と同じ闇の住人であり、コインの裏表となるのがルパンなんですね。
そのルパンが、借りを返すためにカリオストロ公国に乗り込んでくる事を考えると、この物語はある意味で二人の主人公による復讐劇と言えるんじゃないかと思います。

カリオストロ伯爵は実在の人物!?


本作に登場するカリオストロ伯爵とクラリスの名前は、フランスの小説家モーリス・ルブランの『アルセーヌ・ルパン』シリーズの一篇『カリオストロ伯爵夫人』の登場人物から取っています。
カリオストロ伯爵夫人は有名な怪人物カリオストロ伯爵の娘という謎の女性で、クラリスは小説の中でルパンと結ばれる最初の妻、クラリス・デティーグ嬢から取っているんだそうですよ。

ちなみにカリオストロ伯爵とは、稀代の詐欺師として名前が広まった実在の人物アレッサンドロ・ディ・カリオストロ(本名ジュゼッペ・バルサーモ)がモデルになっているそうで、医師、錬金術師、山師といった肩書きを持ち、フリーメイソンのメンバーでもあったんだとか。

また、カリオストロ公国の秘宝であるローマ遺跡は、同じく『アルセーヌ・ルパン』シリーズの『緑の目の令嬢』に出てくる湖とローマ遺跡を、時計塔や地下迷宮はアメリカの女流作家、アリス・マリエル・ウィリアムソンの小説『灰色の女』を基にした日本の翻案小説『幽霊塔』の時計塔や地下室をモチーフにしているそうです。

制作条件も厳しく、宮崎さん本人は出来栄えに不満の残った本作ですが、後に「ルパン三世」と言えば「カリオストロの城」と言われるほどの評価を得、また、アニメーション賞大藤信郎賞を受賞したり、あのスピルバーグに「史上最高の冒険活劇の1つ」特に冒頭のカーチェイスは「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評されたという噂がある本作は、劇場版デビュー作にして宮崎駿のフィルモグラフィーの中でも傑作と言える一本なのではないかと思いますねー。

というわけで、「ルパン三世 カリオストロの城」について語ってみましたー。(´∀`)ノ


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この記事を書いた人 青空ぷらす

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