ぷらすです。
突然ですが、アレハンドロ・ホドロフスキーをご存知でしょうか。
カルト的人気を誇る映画監督で演出家、詩人、俳優、作家、バンド・デシネ作家、タロット占いの専門家で、ぶっちゃけ作品より本人の方が圧倒的に面白いお爺ちゃんです。今回は、そんな彼の人生と監督作品をご紹介しようと思いますよー!

アレハンドロ・ホドロフスキーって何者?


ホドロフスキー


アレハンドロ・ホドロフスキーは、 現在90歳。
1881年~84年、ロシアで行われたポグロム(ロシアで行われたユダヤ人迫害)を恐れ、東欧に逃れた両親の子として1929年にチリのボリビア国境近くの町トコピジャに生まれた彼は、12歳の時にサンティアゴ(チリの首都)へ移住。

サンティアゴ大学で心理学と哲学を学んでいましたが、マルセル・カルネの「天井桟敷の人々」に感銘を受け大学を中退。
その後は単身パリに渡って放浪生活を送り、パリで知り合ったパントマイムのマルセル・マルソーとメキシコシティへ渡り、100本以上の芝居を演出します。

1957年、トーマス・マン原作の短編『LA CRAVATE』で映画監督としてデビュー。

1960年代中頃にはパリで作家・映画監督のフェルナンド・アラバールと知り合い、1967年に彼の小説を映画化した長編『ファンド・アンド・リス』を発表。

1970年には、代表作となった『エル・トポ』を発表するも、初上映の時にはコロムビアやユナイトといったメジャー系の配給会社から断られ、翌年エル・ジンというスペイン語圏の映画を扱うミニシアター系の劇場での深夜上映するとこれが大ヒット。

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この作品は、当時ジョン・レノンやアンディ・ウォーホル、ミック・ジャガーなどから絶賛され、多くの有名人を始め、世界中にファンを持つカルト映画となっています。

1973年、ジョン・レノンに映画プロデューサー アラン・クレインを紹介されたホドロフスキーは大予算で『ホーリー・マウンテン』を公開。同年11月から翌1975年4月まで続くロングランを達成します。

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1975年、勢いに乗ったホドロフスキーはSF大作『DUNE』の製作に着手。
SF画家のクリス・フォス、バンド・デシネ(ヨーロッパのマンガ)のカリスマ作家メビウス、特撮作家のダン・オバノンなど有名アーティストを集めるも配給元が決まらず企画は頓挫。
ここからしばらくホドロフスキーは映画が撮れなくなります。

その間ホドロフスキーはバンド・デシネ原作者として多くの作品を発表し、1989年『サンタ・サングレ/聖なる血』1990年『ホドロフスキーの虹泥棒』を経て、2013年自らの半生を描いた半自伝的映画『リアリティのダンス』を発表。

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2016年には続編『エンドレス・ポエトリー』をクラウドファンディングなどで集めた資金で制作・発表したんですねー。

マジックリアリズムのカリスマ


ホドロフスキーの映画を語るとき重要なのは、彼の作品はマジック・リアリズムという表現手法で描かれているということ。

マジックリアリズムというのは不条理劇的な作品に使われる表現手法。
日常と(現実ではありえないような)非日常が入り混じった世界観はシュールレアリスムに近いですが、物凄くざっくり言えば、シュールレアリスムが劇中人物の脳内で起こっていることや感じた事を映像的に描写しているのに対して、マジックリアリズムは、どんなに不条理・非日常的であっても(劇中の)全ては現実に起こっている事を描いている――という理解で大体合ってるんじゃないかと。多分。

例えば彼の代表作「エル・トポ」は、無敵のガンマン“エル・トポ”が4人の達人を戦うという物語ですが、3人を倒すものの4人目の達人に破れ、全てを失った彼は一度死んで復活し、愛を知り悟りを開く……みたいな「ん? どういうこと?? ( ゚д゚)ポカーン」っていう超展開が延々続いたりします。



ちょうどこの頃、アメリカンニューシネマのムーブメントやヒッピー文化、東洋の神秘への憧れみたいな流れがあって、自身もヒッピーマインドで東洋の禅や悟りなどに傾倒していたホドロフスキーが制作した「エル・トポ」は、東洋かぶれの若者を中心にクチコミで広まってカルト的人気の作品になったんですね。
一見、難解な芸術映画に思えるし様々なメタファーに溢れた作品ですが、酔っ払いのオッサンのホラ話を聞いてる気持ちで観れば、楽しめるんじゃないかと思いますねー。(っていうか、ホドロフスキーの映画は大体そんな感じですがw)

どの作品から観るべきか


では、興味を持った人がホドロフスキーのどの作品から観ていけばいいのかというと、個人的にオススメしたいのは何と言っても『ホドロフスキーのDUNE』(2013)ですねー。



この作品は、ホドロフスキー監督作ではないんですが、企画段階でポシャった『DUNE』について、本人や関係者のインタビューをもとに構成されたドキュメントです。

この映画を観れば、アレハンドロ・ホドロフスキーという人がどれだけいい加減で迷惑な人か、なのに何故、多くの人が彼に惹きつけられるかが分かるんじゃないかと思います。
そして冒頭でも書いたように、ホドロフスキー本人が彼の作品よりも圧倒的に面白いのも分かってもらえると思いますよー。

で、この作品でホドロフスキー本人を面白いと感じた人は彼の半自伝的映画『リアリティーのダンス』がオススメ。



この作品はホドロフスキーの少年期を描いた作品ですが、実質的な主人公は彼の父親で、父親役をホドロフスキーの息子が演じています。

この両作で「ホドロフスキー面白い!」って思った人は前述した代表作『エル・トポ』や『ホーリーマウンテン』へと遡っていけば、あなたも立派なホドロフスキーフリークスですよー!


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この記事を書いた人 青空ぷらす

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