『えんとつ町のプペル』  にしのあきひろ 幻冬舎

えんとつ町のプペル
にしの あきひろ
幻冬舎
2016-10-21



 おととしくらいから、めっちゃ売れている絵本です。お笑い芸人の書いた絵本、という話を、読んだ後で知りました。そうは思えなかったから意外でした。

 ストーリーは単純で、けむりをはき出す煙突だらけの町で、星を見たことのある父親が、嘘つき呼ばわりされて死ぬが、ゴミの中で暮らす子どもはその言葉を信じている。ある日、ゴミのなかにうっかり落とされた心臓から、ゴミ人間ができあがる。かれをプペルと名付けて親友にする子ども。しかしいじめっ子は子どもとプペルを引き裂く……。
 実はプペルは父親だった、というオチでした。わたしとしては、このあたりが泣けてきました。父親が自殺してるんでね。こころの琴線に触れるんですよ。


  

 しかし、どこかで聞いた話だ、というあるサイトの批評は、当たってるかもしれません。
 星を見た父親を嘘つき呼ばわりする話は、「天空の城 ラピュタ」でもありました。それに、少年が父親の影に隠れてしまい、ちっとも成長していないのも、そのサイトの指摘通りだと思います。
 しかし、その葛藤が、この絵本に必要なのか、とも思うのです。

 信じるんだ、たとえひとりになっても。
 これがこの本のメインテーマ。それさえ主張できれば、べつに新しい発見がなくても、泣けるんだからいいんです! (わたしもお安いヤツだね)
  少年が成長するよりも、父親が葛藤するほうが、わたしにはぐっときます。
 自分では救うことのできなかったわたしの父親。
 葛藤していることも知らず、見捨ててしまった。
 自分の父親とプペルがだぶって見えて、「負けないで! 煙のむこうの星を見つけて!」
 と応援したくなるんです。











 そりゃ、予定調和ですよ。
 ハッピーエンドですよ。
 見え見えのストーリーですよ。
 子どもに聞かせたら、飽きるかもしれません。
 でも、いいんです。
 ちっともドキドキしないけど、ドラマも平坦だけれども。
 いいじゃないですか、信じる力を叫んでいるんだから。








 ふつうの絵本としては、あまり評価はできないでしょう。
 絵も、好みじゃないひとだって、いるかもしれない。
 単調だとか、わざとらしいとか、思うひともいるかも。
 まあ、批判はいろいろあるのは当然です。
 わたしはラストあたりで号泣でしたから、評価はグッドです。
 泣けるストーリーには、弱いんです(笑)





 ストーリーに付随するように絵が展開するこの話。
 異国情緒もたっぷりです。
 あなたも、泣いてみませんか。

 あすにゃん
  猫とお菓子と広島がすきです!
 漫画家の たらさわ みちさんと 仲良しです。

 

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