ぷらすです。
昨日3月5日(月)、第90回 米アカデミー賞受賞式が行われました。
というわけで、今回は各部門受賞作品と簡単な感想をご紹介しますよ!



米アカデミー賞とは


映画界で1・2を争うくらい有名な映画賞です。
が、どういう基準で選ばれるのか知らない人のためにザックリ説明すると、

原則、前年の1年間(今回なら2017年に公開された作品)で、ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間、有料で公開された40分以上の長さの映画作品の中から、投票権を持つ映画芸術科学アカデミー会員(大部分がハリウッドの業界関係者)が投票して各賞を決めるという、いわばハリウッド映画関係者による内輪の映画賞です。
ただアカデミー賞を受賞すれば、栄誉だけでなく仕事にも繋がるんですよね。

選考基準は、その時々の社会情勢や問題を絡めた作品が受賞する傾向があるので、どちらかといえばエンターテイメント作品よりも社会派な作品が有利と言われています。

今年の傾向


ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー・ワインスティーンのセクハラ報道を発端に、昨年から現在に至るまで世界中の女性がセクハラ被害を告発する「#MeToo」運動や、トランプ政権以降の有色人種&移民差別問題、LGBTや排他主義などを反映した、いわゆるマイノリティーを題材にした作品が多くノミネートされた今年のアカデミー賞。
事前の下馬評では、『スリー・ビルボード』『シェイプ・オブ・ウォーター』の2強だろうと言われていました。

では、実際はどうだったのでしょう。

第90回 アカデミー賞受賞結果


短編ドキュメンタリー賞 
『ヘヴン・イズ・ア・トラフィック・ジャム・オン・ザ・405(原題) / Heaven Is a Traffic Jam on the 405』

長編ドキュメンタリー賞
『イカロス』

短編実写映画賞
『ザ・サイレント・チャイルド(原題) / The Silent Child』

外国語映画賞
『ナチュラルウーマン』(チリ)

メイク・ヘアスタイリング賞
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
特殊メイク界の巨匠、リック・ベイカーの工房「シノベーションスタジオ」に所属、数々のハリウッド作品を手がけた日本人アーティスト辻 一弘さんが、ゲイリー・オールドマンの指名で彼をチャーチルに変身させた手腕が買われて、見事受賞しました。

衣装デザイン賞
マーク・ブリッジス 『ファントム・スレッド』

PTAこと、ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作だそうですよ。

作曲賞
アレクサンドル・デスプラ 『シェイプ・オブ・ウォーター』

歌曲賞
「Remember Me」 『リメンバー・ミー』


視覚効果賞
『ブレードランナー 2049』

視覚効果賞は、特撮など現場で行われるSFXや、CGなど後から特殊効果を加えるVFX全般に与えられる賞です。

編集賞
リー・スミス 『ダンケルク』

録音賞&音響編集賞
『ダンケルク』

音響効果賞は映画の効果音などの音作り、録音賞はそれぞれの音のバランスなどを調整するミキシングに与えられる賞で、2部門とも同じ作品が受賞することが多いようです。

美術賞
ポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア 『シェイプ・オブ・ウォーター』


撮影賞
ロジャー・ディーキンス 『ブレードランナー 2049』
大ベテランの撮影監督、ロジャー・ディーキンス初受賞。

脚色賞
ジェームズ・アイヴォリー 『君の名前で僕を呼んで』

脚色賞は小説や舞台などの原作を、上手く映画用の脚本にした人に送られる賞です。

脚本賞
ジョーダン・ピール 『ゲット・アウト』

短編アニメ映画賞
『ディア・バスケットボール(原題)/ Dear Basketball』

元NBAのスター選手コービー・ブライアントが書いた自伝の詩を、数々のディズニー・アニメを手がけた伝説的アニメーター、グレン・キーンが手書きアニメにした作品だそうです。

長編アニメ映画賞
『リメンバー・ミー』
ピクサー強し!

助演女優賞
アリソン・ジャネイ 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

2度の冬季オリンピックに出場したフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングのスキャンダラスな半生を映画化した作品。
アリソン・ジャネイはトーニャの母親役だとか。

助演男優賞
サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』
「顔が曲者」でお馴染み、サム・ロックウェルが見事受賞!

主演女優賞
フランシス・マクドーマンド 『スリー・ビルボード』

主演男優賞
ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

名優と名高いゲイリー・オールドマンですが、意外にもアカデミー賞受賞は今回が初めてなんだとか。
本作は、チャーチルの首相就任から、ダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いた歴史ドラマだそうです。

監督賞
ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター』

作品賞
『シェイプ・オブ・ウォーター』


ざっくり感想


というわけで、蓋を開けてみれば多くの人が予想した通り、『シェイプ・オブ・ウォーター』はなんと4冠を達成。
『ダンケルク』は3冠、『スリービルボード』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』はそれぞれ2冠を達成しました。

『シェイプ・オブ・ウォーター』はモンスター映画ながら、作品賞と監督賞のW受賞する快挙を達成しました。

毎年1月に発表され、アカデミー賞の前哨戦としての注目度も高いゴールデングローブ賞で、監督賞受賞スピーチでギレルモ・デル・トロは、

「(前略)子供の頃から怪物たちに救われてきました。
なぜなら、彼らは不完全な私たちの守護者であり、彼らは”失敗”と”生きること”の可能性を許し、体現するからです。
25年の間、私は”動き”、”色”、”光”と”影”でできた、とても奇妙で小さなお話を
手作りしてきました。(中略)
私はキャストの皆、クルーの皆がいなければここに立てなかったでしょう…(中略)
ありがとう。
怪物たちもありがとう。(後略)」


と語り、アカデミー賞作品賞受賞スピーチでは、

「数週間前、スティーブン・スピルバーグが言いました。『もしオスカーを受賞したら、レガシーの一部になるんだと。映画製作者の一員なんだ、誇りに思いなさい』と。本当に誇りに思います。
この賞を、今あらゆる局面で状況を変えようとしている若者たちに捧げます。
メキシコで子ども時代を過ごしていた頃、こんなことが起こるとは想像もできませんでした。
しかし、実現したんです。
夢を見ている人たち、ファンタジーを使って今世界で起こっている現実について語りたいという人たち、ドアを蹴り開いてなかに入ってきてください」


と語りました。

多分、(僕も含めた)世界中のオタクが、彼のスピーチに涙したと思うし、ギレルモ・デル・トロのファンでいた事を誇りに思うんじゃないかと思いますよー!!

ギレルモ監督はメキシコ人で、しかも映画としては格下に見られがちなモンスター映画やファンタジー映画などの、いわゆるジャンル映画を通して常にマイノリティー側からの視点で作品を作り続けてきた監督です。
そんな彼が、(社会的背景があったとはいえ)アカデミー賞で監督賞と作品賞(さらに金獅子賞も!)を受賞したことは、映画界にとってとても大きな事だと思いますねー。

また、前述した数々の問題が噴出したことで、旧態然としていたハリウッド映画界や、アカデミー賞の仕組み自体にも徐々にメスが入り、これまでマイノリティーとして実力に見合った評価を得られなかった作り手たちにも光が当たっていくんじゃないかと思います。

というわけで、第90回アカデミー賞受賞作品紹介とざっくり感想でしたー!
ではではー(´∀`)ノ

この記事を書いた人 青空ぷらす

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