久しぶりのLUNA SEA全オリジナルアルバム紹介。今回は属性別の「ニュートラル」編、『LUNA SEA』『LUNACY』について。それぞれ1stアルバム、(当時としては)ラストアルバムという重要な位置づけにいます。「光属性」「闇属性」「ニュートラル」の属性分けについては、こちらを参照いただけたらと思います。


・若さと勢いと熱量と個性に殺られるしかなくなる。1stアルバム『LUNA SEA』


LUNA SEA
LUNA SEA
エクスタシー
2000-09-13


記念すべき1stアルバム。にして、これはLUNA SEA以外のロックバンドには絶対に作れないという強烈な個性と圧倒的な若さと熱量を持った、『MOTHER』と並ぶ名盤。

このアルバムの素晴らしさについては以前も述べました。プチ引きこもり期に布団の中で泣きながら聴いた『STYLE』と同じく、通算再生回数は1000回を確実に超えています。

1stアルバムだけあって、インディーズ~メジャー前期の闇と狂気と少しの光を抱いた空気を申し分なく堪能できる、当時の時点での自己紹介的な内容。逆にいえば、『I for You』とか『TONIGHT』、あるいは河村隆一さんしか知らない人からすればびっくりでしょう。自分はソロの爽やかお兄さんの河村隆一を先に知ったクチなので、この写真の真ん中の髪をおっ立てている怖い兄ちゃんはいったい誰なんだよ?と思っていました。他のメンバーも現在の姿とは全く違うけど・・・。

あえて、もんのすっごく失礼すぎる表現をさせていただくと、「若気の至り」的な部分が垣間見えるのが心地良いです。

歌詞カードの順番どおりに歌わないのや、「~していたい」の「いたい」を「痛い」と書いちゃうのや、有名な著書が元ネタとはいえ〇薬ネタをやっちゃうのや、間奏で英語なんだかドイツ語なんだかよくわからない言語を歌い出すのや、アヌビスとネフテュスが出てくるのや・・・。挙げていくとキリがないな・・・。



そんな中で、ラストの2曲『MOON』と『PRECIOUS...』はキャッチーでドラマチックなラブソングなのだから、全10曲とコンパクトながらもお腹いっぱいですわ。

2000年にリマスター版、2011年にセルフカバー版がリリースされていますが、個人的には1991年のオリジナル版がおすすめです。ザラザラした紙質のジャケットやプラケースの底にある「・・・聖飢魔Ⅱの皆様ですか?」と言いたくなるような写真、歌詞カードの最後のページのSpcial Thanks欄のXのメンバー全員の名前が書いてある下に添えられた「-No Synthesizer-」の文字、素人でもわかる雑な音質・・・。ああ・・・最高だ・・・(中二病の小並感)。



・10年が経って大人になったので、いったん終幕。ギラギラの果て『LUNACY』

LUNACY
LUNA SEA
2000-07-12


2000年にいったん終幕(解散)する前のラストアルバム。1stアルバムが20歳そこそこのド派手なバンドの自己紹介に始まり、ラストアルバムが30歳になってアダルティーになった彼らのお別れの挨拶のような作風に(結果的にだけど)なっているのは、ロックバンドというよりは5名の若者の歴史として綺麗だと思います。無駄な引き延ばしもなく打ち切りでもなく、単行本全12巻ですっぱり惜しまれながら終わった週刊少年マンガのようだ。

アダルティーになった、と書きましたが、全体的に落ち着いた作風です。別に曲調が、バラードが多いとかそういうことではなく、初期~『STYLE』くらいの頃までは見られたような、社会を敵視しているかのようなギラギラ感が良くも悪くも薄れています。唯一そのギラギラの片鱗が見える『a Vision』の間奏には、こうあります。


I got the power 
I got the freedom

I got the dream
I got the money

I got the enemy
I got the pain

So What?
You shut the fuck up



(力を手にした 自由にもなれた 
夢を叶えた 金持ちになれた
敵も作った 面倒事もできた

だから何だよ?
クソ喰らえ!)


 完全に成功者、そしてその成功に疲れていている人の目線ですね。「意味もないさ my life goes on」と、後ろ向きな前向きのままで駆け進んでいきます。「掴んでも 終わらない 幻に 魅せられてく」ままに。成功は掴んでも実態がない。売れまくって金がたくさん入ってきても虚しい。夢も希望もあるにはあるけど、大したものではないと気づいてしまった。でも手放すことも諦めることもできない。このアルバムで最も攻撃的な曲調なのですが、なんとなく終末感も覚えます。

1997年の各自のソロ活動期間にはすでにメンバーと親交があったDJ KRUSHさんとのコラボレーション『Sweetest Coma Again』はゴリゴリなベース音とスクラッチの融合とポップな歌との不思議な融合が楽しくてカッコイイし、同じくコラボの『KISS』は、わざとそう思われるようにSUGIZOさんが書いたという河村隆一ちっくな甘々な歌詞と野太い男声サンプリングの繰り返しがしつこくてクセになる1曲。

センテンスごとに段落がズレていく歌詞表記が素敵な『4:00 AM』は、昼夜が完全に逆転していた頃に(今も夜型人間ですけども)聴くと、実に感慨深いものがありました。携帯電話の着信音から曲が始まるのですが、これは、午前4時にいきなり電話して出てくれる友達が何人いるのか?というような問いかけなのだそうです。著書『月蝕2』にて触れられています。この著書および前作の『月蝕』については、いずれ別の機会で書こうと思います。両方とも1000ページ前後の分厚い本なので・・・。

月蝕〈2〉LUNA SEA 2000 THE FINEL ACT
神 康幸
ソニーマガジンズ
2001-03-01



あと、これはちょっとCDの歌詞カードを実際に見ていただかないと伝わらないと思うのですが、階段みたいな表記になっているのですよ。このアルバムのジャケット自体がかなり変わっていて、シールを剥がしたらマネキンの顔が出てきたり、メンバー写真が袋閉じだったりするのですが。




・次回は、もうひとつのニュートラル属性であり、再結成後はじめてのアルバムである『A WILL』について。


この記事を書いた人


プラーナ

henkou_ver

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。
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