前回に引き続き、LUNA SEAのオリジナルアルバム解説です。今回は「闇属性」の『IMAGE』と『MOTHER』について。「光属性」「闇属性」「ニュートラル」の属性分けについては、こちらを参照いただけたらと思います。


・まだ夜は更けない。けどどこか華やか。メジャーデビューアルバム『IMAGE』



記念すべきメジャーデビューアルバム。

綺麗な女声コーラスから続く実質的な1曲め『Dejavu』からもう、抜群の貫禄です。腰まで髪を伸ばした妖艶な姿のRYUICHIさんが、クールな声と荒い声を交互に歌い上げながら、こうまとめます。「未来・過去・現在 人々のドラマ」と。

そう、人々は誰しも時間の中に閉じ込められている。現実世界に生きている限りは。精神と時の部屋の技術開発はまだ無理そうなので、24時間365日の時空内で生きていかねばなりませぬ。その短い一生の中での出会いと別れ。世のシナリオはすべて、時の経過とともに。デジャヴの繰り返しである・・・たぶん。次の『MECHANICAL DANCE』では「近代的楽園」「ミライノイヴ」といった表現が出てきますが、世界観が繋がっているのかもしれません。

その後の『WALL』はなんと自殺の歌ですが・・・。あまりにも淡々としていて怖い。「さよなら Oh Friends」で終わるのがせつない。この人、友達いたんだな・・・(超失礼)。代表曲『ROSIER』の曲中にある英語のセリフはJさんの遺書であることは有名ですが、むしろこっちの歌詞の方がよっぽど露骨に遺書っぽい。

『VAMPIRE'S TALK』は、吸血鬼を題材にした妖しい1曲。元々は『FEELING』という曲だったらしいですが、かなり改変されたそうで、実に感傷的な内容になっています。「見つめられて 破壊された オレのあたま」「ミイラに成っても愛しくて」なんてサイケな歌詞はこの当時ならでは。どうでもいけど、この曲の歌詞のページの横に映っているINORANさん・・・こわい。

パンク発狂チューン『SYMPTOM』を挟んでからのラスト3曲はとてもキャッチーで、中盤までの重苦しい流れから一転します。

どこからどこまでもポップな不思議ちゃんソング『IN MIND』が個人的に大好きです。影が薄いけど。
LUNA SEAの歌詞の2人称の表記は「キミ」がほとんどなのですが、ここではなぜか「KIMI」というローマ字表記が現れます。アンドロイドっぽさを表現しているのか?

次は、前作『LUNA SEA』では未完成だったバラード『MOON』の完成版。神秘度が増し、異世界の月の下で両手を拡げて宙を見据えて歌う教祖のごとき(なんだそれ)RYUICHIさまの美声に酔い痴れろ。

そして、霧に包まれた夜は更け、最後の『WISH』で、それまでのモヤモヤが一気に・・・とは行きませんが、徐々に晴れていきます。機械仕掛けのアダムとイヴとか自殺とか吸血鬼とかはなんだったんだ?というくらいに、ひたすらに前向きな歌詞にズッコケながらすっ飛べます。

明日さえ怖がってた 冷めた瞳のまま
だけど今は 擦り切れたこの夢を
優しく抱きしめて

疾走感あふれるラストですが、アルバム全体の作風としては「暗い」です。ただ、暗いのになんとなく華やかにも思えるのが凄いところ。



・壊れそうな程に神々しい愛を探し求めて。ヴィジュアル系界に輝く屈指の名盤『MOTHER』


MOTHER
Universal Music LLC
2006-10-25


最新作『LUV』以前にも、「愛」をテーマにした作品はありました。それがこの、1994年作の『MOTHER』です。

「eins zwei drei vier」という、ドイツ語の数字カウントの緊張感からしてもう世界観が完成されていて、一気に引き込まれていきます。これ以降、PENICILLINの『Chaos』やDir en greyの『Schweinの椅子』など、ドイツ語のカウントを入れるヴィジュアル系バンドが現れたのは、有名なところでは有名なおはなし。

全パートに見せ場がある、何千人ものバンドキッズたちがコピーした『ROSIER』は、ヴィジュアル系史というか日本のロック史に残る名曲。前述の「遺書」の部分でのマイクスタンド投げでお馴染み。

不慮の事故で亡くなった同年代の親友へのレクイエム『GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~』は8分超えの大作で、アコースティックギターの音色が心地良いですが、エレキにアレンジされた『NEVER SOLD OUT』のバージョンも迫力があります。というか、後者の方が好き。

NEVER SOLD OUT
Universal Music LLC
2006-10-25


『FAKE』は、歌メロがポップなのに歌詞がダークという、『IMAGE』の作風を引き継ぐような1曲ですが、ドラムが物凄く特殊なことをしていて演奏を再現できないらしく、未だに一度もライブ演奏されたことがないそうです。

太陽はキミを ビルを この街を
嘘 真実を 染めていく 同じ色に
太陽はキミを ビルを この街を
嘘 真実の全てを 見下ろしている

『スーパーマリオブラザーズ3』で太陽が追いかけて来る砂漠のステージをつい連想してしまいますが、もちろん全く関係ありません。あのステージ難しいんだよなあ。



ラストのこれまた大曲『MOTHER』で一気にやられます。特にサビの神々しさはとてつもない。「愛が欲しい 愛してほしい」と、冒頭の『LOVELESS』の世界観での結論をシンプルに締めくくります。

美しいアルペジオと共に、深い海の底に連れていかれながら終わります。MOTHERは微笑んでくれています。微笑みながら、バイオリンの音色とともに、どっかへと消えていきます・・・。嗚呼・・・良い世界だった。

紛れもなく名盤。これが合わなかったら、もうヴィジュアル系そのものが受け付けないのだと思う。

何が恐ろしいって、この名盤を作ったのが、当時まだ20代前半のお兄ちゃんたちだということですよ。それも、メンバーに1人だけ天才的な人間がいるのではなく、全員が必要不可欠な人材。まだ「推し」という発想がない時代に(まあ、誰それ派、っていうのはあっただろうけど)。


・なんか普通のCD紹介になってるな・・・まあいいか・・・。

もうひとつの「闇属性」アルバムの『STYLE』については、次回で。

この記事を書いた人


プラーナ

henkou_ver

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。
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