ポゼッション(Possession)とは、「所有」や「占有」を意味する英語。サッカーにおけるポゼッションは、「支配率」と訳される。主にボールポゼッションというそのチームがボールをもっている状態を指して使う言葉である。




ということで、今回はその3です。
前編後編ぐらいの気分で書き始めましたがいつの間にかその3になっていました、おかしいな……。


前回はポゼッションを主戦術にすることの長所と短所について、でした。

今回はポゼッションに必要なもの、について考えつつ日本はポゼッションサッカーの国だから」というこの記事を始めるきっかけになった言葉を紐解きながら、果たしてそれは信念なのか、それともポゼッション信仰と呼ばれる妄信の一種なのか、というところに触れていこうと思います。

 


ポゼッションに必要なもの、とは

一口に必要なもの、と言ってもそもそもボールポゼッションを高めることを主戦術とするサッカーには色々な要素が絡んできます。

主な要素だけ挙げていっても
・ボールを失わないキープの技術
・自身でパスコースを作るために必要なドリブルの技術
・ボールを正確に味方に送るパスの技術
・ボールを正しいところに送ることのできる判断力
・正しい位置でボールを受けることのできる判断力
・相手が引いて守ってきた場合の最終的な打開力
・奪われた時に直ぐに奪い返すことのできる守備の技術、判断力

と、ちょっと考えるだけでもこれだけ出てきます。細かいところを突き詰めていけばまだまだあるとは思いますが主なものだけ、です。

そしてこの必要な要素のさらに上に位置する、ポゼッションという戦術の大前提として「ポゼッションが目的にならないこと」というものがあります。

これは、相手よりも多くボールを持つことではなく、相手よりも多く得点をすることが=勝利となっているサッカーの大前提でもあります。どんな戦術をもってしても勝利が前提とされていなければ意味のないものになってしまいます。

もちろん、引き分けを狙えばいい試合でボールを持ち続ける事を考える可能性もありますが、引き分け狙いで自分たちが引いた状態でボールを持ち続けるのは却って危険な為、ほとんどのチームが採用しない戦術でもあります。

それ故、本来ポゼッションとはボールを持ち続け、攻撃をし続ける事を基本理念とした非常に攻撃的な戦術です。
だからこそ、それをピッチ上で遂行する選手たちには多彩な技術や判断力が求められるものになっています。



本当に日本はポゼッションサッカーに向いているのか


「日本はポゼッションサッカーの国だから」という言葉を理由に、現代表監督ハリルの組織的なカウンター重視、デュエル重視の戦術が多く批判を浴びています。

そもそも本当に「日本はポゼッションサッカーの国」なのでしょうか。

スペインやドイツ等の代表チームもポゼッションを主戦術にしていると言われている国には、各国リーグのビッグクラブで、ポゼッション主体のチームで主力になっている選手が数多くいます。

特に今、ポゼッションを主としており強いチームの中でドイツやスペイン代表を多く抱えているのはバイエルンとシティでしょう。

シティでは主に中盤に、バイエルンではアンカーとDFラインという後方気味に戦術理解度が非常に高く、技術に優れた選手を配置しています。


日本代表の中盤〜DFラインを見た時に、最先端のポゼッションを行くクラブにいる選手はほぼいません。

今、それに近い形のチームとして切り替えを早くすることで戦っているインテル所属の長友が最も近いくらいでしょう。

スパレッティのインテルは非常に切り替えが早く、速守速攻を標榜していることもありハイプレスを掛け常にボールを狙い続け、そこからボールを持ち続けることが多くなっています。

そもそも現在のポゼッションではボールロストからの切り替えを早く行うこと、そもそもボールを持っている時点から守備のバランスを考えた配置にすることでロストした時のリスクを減らし、奪い返した時のショートカウンターも狙うようになっている為、シティやバイエルンも基本戦術は同じです。

それを行うにはチーム全体の戦術理解度の高さ、ポジショニングの良さ、またDFのみならずFWまで守備の技術が必要になる上、パスの技術はGKまで高いものが求められます。

また、現在の守備戦術の向上によりゴール前のスペースを埋めることが下位のチームでも徹底されるようになってきており、長く持ち続けた後の解決策には相手の上をいくアイデアが必要にもなってきています。

今、ポゼッションはポゼッションだけではなく、カウンターとポゼッション両方混ぜたものが主流になってきている、ということです。

この前回W杯前後から始まった戦術的なレベルのインフレに対応出来る選手は日本代表には残念ながら殆どおらず、いわゆる長くボールを持つ「ポゼッション」で作る優位性も殆どなくなってきているのが現状です。

 これらを踏まえた時、ハリルのいうように強さを求め、縦への速さを求めることは自然な思考の流れではないでしょうか。
 
この現状を考えた上で、まだ解決策をもたないポゼッションに拘り続けるのであれば、それはもうチームとしての信念ではなく何かに囚われた妄信なのではないでしょうか。




ということで、3回にわたってポゼッションについて触れてきました。

その1でも書いているように僕自身、ポゼッションとは限られたチームが使える特別な武器だと思っています。
それが今のシティやバイエルンであり、ナポリであるとも思います。

残念ながら今の日本代表にはこのレベルのクラブで主力になっている選手はおらず、限られたチームになることはできないと思っています。

ハリルもそれを理解した上で、今の戦術を採用していることがインタビューでもわかります。

ハリルのインタビューを理解して、本当に強いポゼッションのチームを見た上で今の日本代表をもう一度見直してみるのはいかがでしょうか。


わせい

ついったー 

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