しばらく気まぐれに自分の好きなものについて書いていこうと思う。まずは、私の好きな映画ベスト3に入る、『バタフライ・キス』。監督はマイケル・ウィンターボトム。1995年公開のイギリス映画だ。日本ではミニシアターでの上映だったので、そうメジャーな映画ではないかもしれない。

『バタフライ・キス』とはどんな映画?

主な登場人物は常軌を逸した破滅的な行動しかできない、シリアルキラー(殺人鬼)のような女性「ユーニス」(アマンダ・プラマー)と、北イギリスの片田舎のランカシャーでガソリンスタンドで働きながら老母とともに暮らす、難聴があるけれども平凡で地味な女性「ミリアム」(サスキア・リーヴス)の2人。ランカシャーの街で宿命的に出会った2人は、ユーニスの探しものを見つけるために殺人もいとわないようなクレイジーな逃避行の旅に出る。そうしてたどり着いた場所でユーニスがミリアムに頼んできたこととは……。

バタフライ・キス [DVD]
アマンダ・プラマー
キングレコード
2001-03-21


イギリス映画特有の、どんよりとした空の下に広がる暗めな色彩と映像が素晴らしく、ラストに至ってはまるで宗教画のような美しさを感じる。また、絶妙なタイミングで流れてくる音楽がさらに魅力を増して、この類いの映画が好きな人にはたまらない1本だと思う。少なくとも私はすぐに虜になった。

『バタフライ・キス』で流れる音楽たち

『バタフライ・キス』の劇中で使われている音楽に触れておこうと思う。グロリア・ゲイナー、シャンプー、ビョーク、PJハーヴェイ、ニューオーダーなどの曲が絶妙なタイミングで効果的に使われている。監督のマイケル・ウィンターボトムは後に、のちにイギリスにおける音楽シーンのマッドチェスター・ムーブメントを描いた『24アワー・パーティー・ピープル』も撮っており、音楽のチョイスはさすがと言うべき。

最も印象に残ったのは、つい先日ボーカルのドロレス・オリオーダンが亡くなってしまったザ・クランベリーズの1曲、『No Need To Argue』だ。ラスト近くのシーンでこの曲が流れてくると、肌がざわっとする。この映画を観て以来、この曲を聴くとあのシーンが脳裏に流れるようになってしまった。


とても美しく哀しい映画

『バタフライ・キス』はお世辞にも明るく楽しい映画ではなく、むしろ重苦しい映画だ。また、ユーニスとミリアムの関係について「百合っぽい」などという人もいる。映画の受け取り方は人それぞれだが、私が映画から感じ取れるのは自己犠牲の上に成り立つ究極の愛情だけだ。とても美しくて哀しい映画なので、興味がある人にはぜひ観て欲しいと思う。

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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