積読本はこの世に終わりを告げるまでに消費できないぐらいある。欲しくなったら、すぐに本を買ってしまう。悪いクセだ。背伸びをしていた時期があった。自分の頭では内容を理解できないのにカッコつけて手に入れていた。若気の至りだな。難解で理解不能だった本は多くある。そんな本を4冊選んでみた。



ゲーデル、エッシャー、バッハ - あるいは不思議の環

最初に発刊されたのは1985年ぐらいだったかな。「知能とは何もの?」。そんな問いに挑戦した本だ。単行本で全800ページ弱ある。ニュー・アカデミズムあたりが賑わしていた時代の名残りがプンプン匂う。この本は最後まで読んだ。最初はゲーデルの不完全性定理についての本だと思っていたんだよね。でも、深くどころか浅くも理解できなかった。20周年記念版が出ているので、もう一度読んでみたいとは思っている。




論理哲学論考

ウィトゲンシュタインは現代思想の本を読んでいると必ずといっていいぐらいその名前が出てくる。だから買ってみた。今なら、岩波文庫なので手頃な値段で手に入るはず。哲学を突き詰めると数学的になる。数学を突き詰めると哲学寄りになっていく。それは理解できた。それ以上は無理。ウィトゲンシュタインの入門本なんかも読んでみたけれど、頭に残ったのはウィトゲンシュタインが天才特有の変人であることだけだった。

論理哲学論考 (岩波文庫)
ウィトゲンシュタイン
岩波書店
2003-08-20



ソシュール 一般言語学講義

どういう流れでソシュールに行き着いたっけ?……たしか、丸山圭三郎の文庫か新書からだったような気がする。両方かもしれない。講談社現代新書の「言葉と無意識」と講談社学術文庫の「言葉・狂気・エロス」。たぶん、文庫はあとから読んだのかな?……忘れた。ソシュールの言語学は一見、スタイリッシュに見えた。で、「一般言語学講義」を買ったけれど、感想としては理解不能ではないけれど、まるで実感がわかない……だった。今でも「誰か(丁寧に)教えてよ」と思っていたりする。

新訳 ソシュール 一般言語学講義
フェルディナン・ド・ソシュール
研究社
2016-08-20



ふしぎの国のアリス

ルイス・キャロルの名作。初めて読んだのは10代になった頃だった。緑色の用紙の岩波少年文庫。たぶん、これ、翻訳が読みにくかったんだと思う。言葉遊びが多いもんね。日本語に訳すのは難しいはずだ。何度読んでもストーリーが頭に入らず、ものすごく苦労した記憶がある。何年か経ってから別の出版社から出た「ふしぎの国のアリス」を読んだら、すんなり読めたからね。「鏡の国のアリス」も読んだし、ルイス・キャロルにまつわる研究本にも手を出した。まあ、文学作品以外は数学者ルイス・キャロルまるだしなんだけどね。正直、ディズニー以降の美化されたアリスは好みではなかったりする。

不思議の国のアリス (角川文庫)
ルイス・キャロル
角川書店(角川グループパブリッシング)
2010-02-25



難解な文学作品なんてない

「ふしぎの国のアリス」は別として、いわゆる難解な文学はひとつも挙げなかった。超個人的な思い入れを含めた「ふしぎの国のアリス」以外ない。思いつかない。海外ならジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」「フィネガンズ・ウェイク」やマルセル・プルースト「失われた時を求めて」、日本なら埴谷雄高「死霊」や日本三大奇書あたりが挙げられるのかもしれない。専門用語の理解や周辺の知識が必要な本ならわかるけれど、難解な文学作品なんてないと思っている。それぞれの人が、それぞれの読み取れる範囲で感じればいい。それだけだ。もっと楽しもうよ、文学を。言葉という知恵をもったヒトに生まれたんだから。そう思う。


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yosh.ash

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