ぷらすです。
11月に入って映画館では、いよいよ年末・年始のビッグバジェット作品の公開ラッシュが始まりまってます。
そんな中、多くのファンが大いなる期待と不安を持ちながら待っている話題作といえば『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』ではないかと思います。

というわけで、今回はスター・ウォーズシリーズの生みの親、ジョージ・ルーカスについて、ざっくり語ってみたいと思いますよー!



生い立ち


ジョージ・ルーカスは1944年、カリフォルニア州モデストという農業の町に生まれます。
彼の父親はその町で一番大きな事務用品店の経営者で、頑固で保守的で強権的な父親だったそうで、そんな父親なのでルーカス青年の「映画を作りたい」という夢にも当然大反対。
結局、ルーカスは家出同然でハリウッドに飛び出したそうですね。

その後彼は、ロサンゼルスの南カリフォルニア大学(USC)で映画作りを学び数々の短編を制作。その中の一本『電子的迷宮/THX 1138 4EB』という短編が数々の賞を受賞し注目され、大学卒業後は、ワーナースタジオでの研修中にフランシス・フォード・コッポラと意気投合し、コッポラが設立したアメリカン・ゾエトロープ社の副社長に就任。第一作として『電子的迷宮/THX 1138 4EB』を長編化した『THX 1138』という作品で長編監督デビューします。



その後、自らの映画制作会社ルーカスフィルムを設立し、制作・監督した『アメリカン・グラフィティ』が大ヒット。一躍その名を知られたルーカスが20世紀フォックスに企画を持ち込み製作したのが『スター・ウォーズ』(ep4)だったんですね。




スター・ウォーズとルーカス


スター・ウォーズでのルーカスの監督料は当時の日本円で約5,000万円。
その代わり、ルーカスは作品のマーチャンダイジングの権利(作品に関わる商品化の権利)を得て、結果的に(特別篇、ビデオ、DVDを含む)スター・ウォーズ全6作の収入を遥かに上回る利益を得ることになるわけです。
が、映画公開時は興行的失敗の知らせが怖くて電話のないハワイのホテルに潜んでいたんだとか。(この時、たまたまハワイに来ていたスピルバーグと盛り上がって生まれたのが「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」)

この頃のSF(というか「スペースオペラ」)映画は、3流の製作会社が低予算で作る子供だましの映画という風潮が強かったんですよね。
事実ルーカスは「フラッシュ・ゴードン」の映画化をやりたかったけど、版権が取れなかったのでスター・ウォーズを作ったらしいですし。(ルーカスのフラッシュ・ゴードンは観てみたい気もしますがw)

しかし、ご存知の様にスター・ウォーズは伝説的な大ヒットとなり、儲かった資金でep4の版権を買い戻したルーカスは、以降、シリーズ5作を自己資金で製作するんですね。
つまり、スター・ウォーズは厳密にはハリウッド映画ではなく、ジョージ・ルーカスの自主制作映画なんですねー。
しかし、このスター・ウォーズの大ヒットが、作家としてのルーカスにとってある種の呪いとなっていくわけです。

なぜスター・ウォーズはそこまでヒットしたのか


スター・ウォーズが大ヒットした要因は一つではなく、多くの要因が絡んでいます。

時代背景

スター・ウォーズが公開された70年代終盤、ハリウッドでは「アメリカン・ニューシネマ」の終わりが近づいていた頃です。
「アメリカン・ニューシネマ」とは、60~70年代に製作された、反体制的な人間(主に若者)の心情を綴った映画作品群を指す総称で、「俺たちに明日はない」などが有名ですね。
不景気やベトナム戦争への反体制運動の影響で、これまでハリウッドシステムで撮影された旧態然とした映画は求心力を失い、こうした反体制側の若者を主人公が体制に立ち向かい、そして死んでいく物語がウケてたわけです。
しかし、ベトナム戦争の終結で「ニューシネマ」が求心力を失ってきた頃に登場したのが、シルベスター・スタローンの「ロッキー」と、ルーカスの「スター・ウォーズ」で、両作は「ニューシネマ」に飽きていた若者たちに熱狂的に受け入れられたんですねー。

デザイン

もう一つの要因は、劇中に登場するメカデザインの新しさです。
ep4でメカデザインを担当したラルフ・マクォーリーの先進的なデザインもそうですが、登場するメカにわざと傷や汚れを足すことで、ちゃんと使われてる兵器としての実在感を出してるところとか、絵空事の世界にリアリティーを持たせる工夫が随所になされてたんですよね。

編集

さらに、ルーカスの奥さんでep4~6のオリジナルトリロジー(旧三部作)で、編集を担当したマーシア・ルーカスの手腕も大きいようです。
彼女の天才的な手腕によって映画にスピード感や緊迫感が生まれ、かつ、いくつものエピソードが同時進行する複雑な展開を観客に分かりやいように整理したという証言は、多くの関係者が語っていますねー。

つまり、スター・ウォーズの成功はジョージ・ルーカスだけの手柄というわけではなく、いくつもの才能と要因が奇跡的に合致した結果だったんですね。
もちろん、多くの人びとを熱狂させる世界観やストーリーを作り上げたルーカスの功績が一番大きいんですけどね。

スター・ウォーズはルーカスの「風立ちぬ」!?


そんなスター・ウォーズep4~6のストーリーは、国として歴史の浅いアメリカの神話とも言われています。確かに物語の構造は神話的と言えますが、一方でジョージ・ルーカスの半自伝的物語であると言う人も多いんですね。

ep4で、主人公ルーク・スカイウォーカーは、反乱軍のパイロットに憧れながらも田舎の星で農民として燻っているんですが、これは前述したように田舎町で映画を撮る事を夢見ていたルーカスそのものだし、そんなルークがダースベイダーと戦い、帝国軍を打ち倒す姿は、強権的な父親や既存のスタジオシステムを打ち破ってきたルーカス自身の姿とオーバーラップします。

宮崎駿がゼロ戦を設計した堀越二郎に自分の姿を重ねた半自伝的映画「風立ちぬ」のように、ルーカスもまたスター・ウォーズに自らの半生を重ねて描いたことで、当時同じような境遇、心境だった若者たちのハートを掴み熱狂的な支持を集めたのでしょうね。

しかし、スター・ウォーズによって手に入れた“ルーカス帝国”は彼自身のワンマンさが原因で次々と人が離れていき、富や名声と引き換えにルーカス自身はどんどん孤独になっていくわけですが……。

スター・ウォーズの祝福と呪い


ルーカスは同年代の監督と比べると、極端に寡作です。
スター・ウォーズ6作を除けば、監督作は『THX 1138』と『アメリカン・グラフティー』の2本しかありません。(製作総指揮としては多くの作品に関わってますが)

スター・ウォーズはルーカスに莫大な富と名声を与えましたが、逆に彼はスター・ウォーズ以外の映画が撮れなくなるんですね。

しかも、ep1~3のプリクエル・トリロジーは多くのファンから酷評され、テクノロジーが発達するごとに旧三部作を手直しし続けたルーカスは、旧三部作を愛するファンから非難されるようになる始末。

もしも、スター・ウォーズがあれほどの大ヒットにならなければ、ルーカスはもっと多くの作品を世に出していたかもしれません。
そう考えると、権利を手放すことで、彼はやっと“スター・ウォーズの呪い”から逃れることが出来たとも言えるのかもしれませんね。

ルーカスとスター・ウォーズの遺産


なんて書くと、まるでルーカスが死んでるみたいですねw(ちゃんと元気ですよ)

実はジョージ・ルーカスは映画界のみならず、あらゆる方面で世の中に多大な貢献をしています。
「スター・ウォーズep2」では世界で初めて、全編デジタル撮影・デジタル編集・デジタル上映をして今ではそれが常識になっているし、スター・ウォーズの製作のためにルーカスが立ち上げたSFXスタジオ「ILM」は、今も多くの映画の特殊効果を牽引しています。(あのピクサーも元を辿ればILMの1部門でした)

画像編集ソフトのフォトショップだって、元はILMの社員だったジョン・ノール(とお兄さんのトーマス)が開発したソフトだし、現在映画で使われているCGや音響・編集のソフトも、元を正せばILMが開発しているのは有名ですし、前述したように映画のマーチャンダイジングや、映画の映像特典としてメイキングをつけたのもルーカスが元祖と言われているし、シネコンというシステムも「スター・ウォーズ」と「ジョーズ」のおかげで始まったという噂も。

ことほど左様に、監督としては寡作なルーカスですが、現在当たり前に使われ・行われている映画システムや映像関係のソフトの多くを世に送り出してきた人でもあります。

そう考えると彼は間違いなく後世に語り継がれる映画界の偉人だし、現在の映画や映画ファンの殆どが彼の生み出した「スター・ウォーズ」やその副産物の恩恵を受けているわけで、映画を通して世界を変えた人なんですよね。

というわけで、今回は映画界の巨人ジョージ・ルーカスをご紹介しました。
ではではー(´∀`)ノ


この記事を書いた人 青空ぷらす

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