未だに水車を見ると、「本陣殺人事件」を思い出す。頭ん中のイメージが、水車→琴→密室→日本刀→三本指……。そんな感じ。小学校の高学年から中学校にかけての読書、その大半は横溝正史だった。当時、耳鼻科に通っていて、その待ち時間に読んでいた。週3日ほど通ってたのかな。1時間以上待つのがふつうだったから。

本陣殺人事件 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
1973-04-20



印象に残っているのは「獄門島」「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔が来りて笛を吹く」「三つ首塔」「悪魔の手毬唄」あたりかな。探偵小説独特の仰々しさとか、小難しい感じをこねくり回した耽美的な文章とか、そのあたりが好みだった。それに文庫本の匂いが混ざると最高な感じだった。

獄門島 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
1971-03-30



「獄門島」の俳句を覚えているのは当然として、「悪魔の手毬唄」の手毬唄まで暗記していた。
金田一耕助シリーズ以外では、由利麟太郎が探偵をする「真珠郎」「夜光虫」「蝶々殺人事件」あたり。横溝正史のデビュー作である「恐ろしき四月馬鹿」や、時代ものの「人形佐七捕物帳」まで読んでいた。たぶん、角川文庫から出ていた作品のはほぼ制覇したんじゃないかな。

悪魔の手毬唄 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
1971-07-14


映像化された金田一耕助



きっかけはTVだった。横溝正史シリーズ。古谷一行が金田一耕助やってたやつ。このシリーズの最高傑作は「悪魔の手毬唄」だと思っている。夏目雅子が出演していた回だ。映画よりも丁寧につくられていた。エンディング曲が印象的だった。茶木みやこの歌が抜群のタイミングで流れる。シリーズのパート1は「まぼろしの人」 、パート2は「あざみの如く棘あれば」。このCDで「まぼろしの人」は聴けるみたいだ。

金田一耕助の冒険 特別版
オムニバス
キングレコード
2000-01-07


市川崑監督の石坂浩二が金田一耕助を演じた映画も嫌いではないけれど。謎解きという点では今ひとつ金田一耕助の存在感が薄いんだよね。まあ、女優がメインの映画だといえば、それまでだけど。あくまでも「私立探偵」が好きだったから。これはもう仕方がないところ。当時、「金田一耕助さん あなたの推理は間違いだらけ」って本も発売されていた。たしか2冊出たはず。真犯人はこれですよ……という金田一耕助の推理にケチをつけたマニア本。



金田一耕助のマイ・ベスト3はこれ

横溝正史のエッセイなども読んで、海外のミステリーへ向かった。アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン、そしてディクスン・カー(カーター・ディクスン)。特にディクスン・カーは好んで読んだ。やっぱり密室物が刺激的なのかな、いちばん。おそらく、横溝正史を読んでいなかったら、数多くの推理小説と出会わなかったと思う。

金田一耕助シリーズのベスト3を選ぶのは難しい。あえて、選ぶなら、この3冊かな?
  • 本陣殺人事件
  • 獄門島
  • 悪魔の手毬唄
当時の文庫本の紙質。今よりも白く薄かったような気がする。活字も小さかったし。それに日当たりのいい本棚に置いておくとすぐに赤茶けて。しばらくぶりに棚から出すとページの間から小さな虫が這い出てきたりして。今でも小さな古書店に入るとそんな匂いがする。あの匂い、嫌いじゃないんだな。それは今でも変わらない。


※参考
横溝正史エンサイクロペディア
http://kakeya.world.coocan.jp/ys_pedia/ys_pedia_index.html

この記事を書いた人

yosh.ash

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