「ぼくの哲学」の原題は「The Philosophy of Andy Warhol(From A to B and Back Again)」。ポップアートの代名詞的な存在である、アンディ・ウォーホルのエッセイのような不思議な本だ。書かれたのは1975年。「In 15 minutes everybody will be famous.(15分で誰でも有名人になれるだろう)」の通り、彼が時代の寵児だった頃の話だ。



I like boring things.

この本、まず、タイトルが最高にカッコイイ。中身は単純(シンプル)な言葉で示唆に満ちた文章がとびかっている。いったい、ホントにどういう人だったんだろうね……そんなふうに思わせる思考だらけだ。「死」に囚われてたことは有名な話だけど、なんか文章読んでるとずっと死んでる人みたいな感じがする。喩えればゾンビとかじゃなく、そうだな、アンドロイド。サイボーグじゃなくアンドロイドね。

ぼくの哲学
アンディ ウォーホル
新潮社
1998-08-01



Think rich, look poor.

  • 「さよなら、アンディ―ウォーホルの60年代」(平凡社)
  • 「伝記 ウォーホル - パーティのあとの孤独」(文藝春秋)
  • 「ポッピズム - ウォーホルの60年代」(文遊社)
  • 「とらわれない言葉」(青志社)
  • 「ウォーホル日記(上・下)」(文春文庫)

手元にあるウォーホル関係の本(画集、作品集除く)は「ぼくの哲学」を含めてこんな感じ。特に面白かったのは「さよなら、アンディ―ウォーホルの60年代」かな。作者はウルトラヴァイオレット。当時、ファクトリーの女優だった。内部を見たことのある人の偏った話はとても面白い。時代の匂いがぷんぷんする。




I never think that people die.

現代美術関連の本は他にも読んだ。アンディ・ウォーホル以外もね。現代美術を評論するって方向に興味があった。だって、もともと言葉で表現できないことを具象化(抽象も大きな意味での具象化の範疇に入るという認識で)しているのが美術という世界だとすれば、この設定じたいにムリがあるよね。でも結構その「ムリ」ってところが逆に心地よくて、いろいろな本に手を出した。

比較的読みやすい本が中心だったと思う。知識を持ち合わせていなかったからね。中公新書の「美の構成学 - バウハウスからフラクタルまで」あたりが印象に残っている。中身は大学の一般教養みたいだけどね。別冊宝島の「現代美術・入門」も入門編として辞書代わりに利用した。シュールレアリスム関係の評論なんかも読みふけった記憶がある。思考実験のような、理論のための理論武装のような、言葉遊び感覚。これはこれで面白い。

They just go to department stores.

1987年2月2日。アンディ・ウォーホルは死去した。その後、追悼の雑誌なんかがいろいろなところから出版されてた。たしか追悼展みたいなものにも行った覚えがある。美術館じゃなく、デパートの最上階にある特別展示場みたいなところで。70年代前後の音楽がBGMとして流されたんじゃなかったかな。あれ?これは記憶違いかも。ねつ造?でも、その方がウォーホルと似合ってるから許してよ。

It’s the place where my prediction from the sixties finally came true: “In the future everyone will be famous for fifteen minutes.” I’m bored with that line. I never use it anymore. My new line is, “In fifteen minutes everybody will be famous.

アンディ・ウォーホルの言葉は現代にも通じる、というより、文明が発展したとしても根本は何も変わっていない。そんなふうに思う。

この記事を書いた人

yosh.ash

文章と音楽。灰色の脳細胞です。
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