前回の続きで、L'Arc~en~Cielのアルバム『ray』について。個人的にラルクで2番めに好きなアルバムです。1番は『True』ですが、そちらに関しては前回で書いていますので、読んでいただけたら主に私がとても喜び、主に私が昨日よりもっとラルクを好きになれます。
・一気に地獄へ道連れ。the end with honey so sweetな前半。
『ark』が全体的にポップなのに対し、こちらは全体的にダークな内容です。初回限定版のCDジャケットはクリスタルな模様の入ったケースに丸い歌詞カードがくっついた特殊な内容で、オシャレで厨二心を刺激してくれるのですが、Amazonの在庫にはないみたいですね。もう18年も前の作品ですが、150万枚くらい売れたアルバムなので、熱心に探せば出会えるかも・・・丸い歌詞カードはめくりにくいけど。
ダーティーなハードロック『死の灰』、悲哀疾走チューン『It's the end』、最大のヒット曲『HONEY』、ジャジーな泣かせバラード『Sell My Soul』と、厭世観に満ちたダーク系ラルクの世界。
さりげない『HONEY』の差し込み方が素敵で、単体で聴くとオシャレなラブソングなのにこの流れの中だと高層ビルの屋上からスローモーションで落下するような・・・いやそれは相方の『ark』に収録されている『DIVE TO BLUE』のPVだけど・・・冒頭からグングン落下していく。乾いた風をからませso sweetな恋人も道連れに。少しイカれただけさ。
で、地獄に道連れにして、もう少しでアッチ側に逝けるぜヒャッハー・・・、っていうところで、激ポップで激やさしいラブソング『snow drop』が現れるのですね。終末へのドライブの最中だけど、腹が減ったからサービスエリア。ジュース買いたいしタバコも切れた、みたいな。はっきり言ってこの曲だけアルバム内で浮いているのですが、まあサービスエリアだからね。仕方ない。
・地獄ナメてたわ。恋人よ、葬られてくるよ。『いばらの涙』を高めるためにヒット曲2作が彩る降雨半。
一服した後は、『花葬』『浸食-lose control-』と、当時『HONEY』も加えたシングル3枚同時リリースで話題を呼んだうちの2作の連発。3枚ともダークな曲なのにミリオンセラーになって凄い、っていう話は今さら自分がしなくても何百回も述べられているだろうから、確かに凄いよね。と一言で終わらせますが、アルバム内では中核的な立ち位置です。ラストの名曲『いばらの涙』の威力を高めるための機能も果たしている。
『いばらの涙』は、恋人を半ば無理やり地獄へ道連れにしていく『HONEY』とは対照的に、いつの間にか何かをやらかしたのか刑に処される主人公が恋人に捧ぐ遺書?で締めくくられています。生半可な気持ちで地獄へ突っ込んだらエライ目に遭うということですね(そんなまとめでええんかいな)。でも「貴方への心を抱いて」と美しいファルセットで歌い上げられるとそんな余計な茶々は入れづらくなる。アウトロでギターが泣きまくり、感動的なフィナーレを迎えてそのままフェイドアウト?と思いきや、意外にもあっさりと少しのリバーブだけを残して終了。とうとう処刑されたか・・・(やっぱり茶々を入れる)。
ストーリー的にはここで終わった感じで、ラストの『the silver shining』はエンディング。それまでのストーリーが秀逸すぎて、良くも悪くもボーナストラックっぽく感じてしまい、実は自分も存在を忘れていた曲。いい曲だとは思うけど・・・やっぱり『White Feathers』だな。
・もう何百回も言われているだろうけど・・・。
やっぱり、この時期のラルクの「何やろうが売れる」という無敵感は半端ない。とにかく出す曲の全部が全部、勢いづいている。ただ、やっぱり『ark』の方が'90年代末の空気感がパッケージングされているかも。個人的に『ark』は20世紀末にラルクがやっていた盛大なお祭りの思い出の記念盤だと思っています。リアルな終末観。
一方で『ray』は緻密に創られた退廃感というか。初期のラルクの幻想的な部分を思い切ってダーティーに振り切った作品だと思います。フェイクの終末観。2010年以降のラルクの作風に近いのはこちらだと思います。
では、『ark』の作風を受け継いだのは・・・次作『REAL』以降の2000年代のラルクです。『ray』だけで1記事を使っちゃったけど、ラルクは書き出すと止まらんので仕方ない。では来週。
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・一気に地獄へ道連れ。the end with honey so sweetな前半。
『ark』が全体的にポップなのに対し、こちらは全体的にダークな内容です。初回限定版のCDジャケットはクリスタルな模様の入ったケースに丸い歌詞カードがくっついた特殊な内容で、オシャレで厨二心を刺激してくれるのですが、Amazonの在庫にはないみたいですね。もう18年も前の作品ですが、150万枚くらい売れたアルバムなので、熱心に探せば出会えるかも・・・丸い歌詞カードはめくりにくいけど。
ダーティーなハードロック『死の灰』、悲哀疾走チューン『It's the end』、最大のヒット曲『HONEY』、ジャジーな泣かせバラード『Sell My Soul』と、厭世観に満ちたダーク系ラルクの世界。
さりげない『HONEY』の差し込み方が素敵で、単体で聴くとオシャレなラブソングなのにこの流れの中だと高層ビルの屋上からスローモーションで落下するような・・・いやそれは相方の『ark』に収録されている『DIVE TO BLUE』のPVだけど・・・冒頭からグングン落下していく。乾いた風をからませso sweetな恋人も道連れに。少しイカれただけさ。
で、地獄に道連れにして、もう少しでアッチ側に逝けるぜヒャッハー・・・、っていうところで、激ポップで激やさしいラブソング『snow drop』が現れるのですね。終末へのドライブの最中だけど、腹が減ったからサービスエリア。ジュース買いたいしタバコも切れた、みたいな。はっきり言ってこの曲だけアルバム内で浮いているのですが、まあサービスエリアだからね。仕方ない。
・地獄ナメてたわ。恋人よ、葬られてくるよ。『いばらの涙』を高めるためにヒット曲2作が彩る降雨半。
一服した後は、『花葬』『浸食-lose control-』と、当時『HONEY』も加えたシングル3枚同時リリースで話題を呼んだうちの2作の連発。3枚ともダークな曲なのにミリオンセラーになって凄い、っていう話は今さら自分がしなくても何百回も述べられているだろうから、確かに凄いよね。と一言で終わらせますが、アルバム内では中核的な立ち位置です。ラストの名曲『いばらの涙』の威力を高めるための機能も果たしている。
『いばらの涙』は、恋人を半ば無理やり地獄へ道連れにしていく『HONEY』とは対照的に、いつの間にか何かをやらかしたのか刑に処される主人公が恋人に捧ぐ遺書?で締めくくられています。生半可な気持ちで地獄へ突っ込んだらエライ目に遭うということですね(そんなまとめでええんかいな)。でも「貴方への心を抱いて」と美しいファルセットで歌い上げられるとそんな余計な茶々は入れづらくなる。アウトロでギターが泣きまくり、感動的なフィナーレを迎えてそのままフェイドアウト?と思いきや、意外にもあっさりと少しのリバーブだけを残して終了。とうとう処刑されたか・・・(やっぱり茶々を入れる)。
ストーリー的にはここで終わった感じで、ラストの『the silver shining』はエンディング。それまでのストーリーが秀逸すぎて、良くも悪くもボーナストラックっぽく感じてしまい、実は自分も存在を忘れていた曲。いい曲だとは思うけど・・・やっぱり『White Feathers』だな。
・もう何百回も言われているだろうけど・・・。
やっぱり、この時期のラルクの「何やろうが売れる」という無敵感は半端ない。とにかく出す曲の全部が全部、勢いづいている。ただ、やっぱり『ark』の方が'90年代末の空気感がパッケージングされているかも。個人的に『ark』は20世紀末にラルクがやっていた盛大なお祭りの思い出の記念盤だと思っています。リアルな終末観。
一方で『ray』は緻密に創られた退廃感というか。初期のラルクの幻想的な部分を思い切ってダーティーに振り切った作品だと思います。フェイクの終末観。2010年以降のラルクの作風に近いのはこちらだと思います。
では、『ark』の作風を受け継いだのは・・・次作『REAL』以降の2000年代のラルクです。『ray』だけで1記事を使っちゃったけど、ラルクは書き出すと止まらんので仕方ない。では来週。
コメント
コメント一覧 (2)
ごめんなさい。
ラルクアンシエル、名前だけは知ってます。この頃から、グループ名が外国語表記のものが多くなったような?
その魁けになったと言ってもいいと思われます。
'90年代に入って、外国語表記のバンド名が一気に増えました。みんながみんな横文字だから、目立つべく、あえて漢字にしたのが黒夢です。