図書館で本を読む。近所にあった図書館が建て替えで移転してから、そんな当たり前の行為をずっとしていない。私にとって図書館というのはかなり子どもの頃から慣れ親しんだ場所だった。たくさんの蔵書があり、絵本やマンガもあり、まだ子どもには難しい本が並んでいるのを眺めるのも楽しかった。

図書館という場所

今は禁止されているところも多いようだが、学校帰りに宿題をしているお兄さん、お姉さんが集中している様子も、暇を持て余しているのだろう、恐らくリタイアされた年配の方がゆったりとページを繰っている雰囲気も好きだった。そんな空気の中で自分も大人になった気分で少し難しそうな本にチャレンジするのは楽しかった。借りて続きを読むこともあったけれど、図書館で読んだほうが入り込めそうな本は敢えて借りずに足を運んで少しずつ読んだ。図書館には独特の空気が流れていると思っていたからだ。それは今も変わらない。

図書館で読みたい『BANANA FISH』

大人になった現在、敢えて図書館で読みたい本というのが存在する。以前のように難しそうな本ではなく、マンガだ。吉田秋生氏の『BANANA FISH』。別冊コミックで連載されていた頃から読んでいて、外伝である『BANANA FISH ANOTHER STORY』まですべて買い揃えた。私は元来あまりマンガを読むほうではないので、これは異例の事態と言ってもいい。ちなみに同じようにハマった妹もコツコツと全巻を買い揃え、実家には全巻2組がある。




ここでは内容についてはあまり細かく触れないことにしているが、NYのストリートギャングのボス、アッシュと、日本から来たカメラマンの助手、英二の、最近流行りの言葉で言えばブロマンス的な関係、大物マフィアや政界をも巻き込んだ大がかりな抗争が描かれていて、読み出すとどんどん深みにハマるマンガだ。この壮大な世界観は私がそれまで知っていた少女漫画にはまったくなかった。そしてこのマンガには外伝を除いて、女性の重要な登場人物がほとんどいない。こんなマンガが少女漫画誌で成立するのかと軽いショックを受けた作品だ。

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私はNYに行ったこともなければアメリカという国に行ったこともない。それでも頭の中のNYに思いを馳せながら読んでいた。何度読み返したことかわからないほど読んでいるので、ストーリーは完璧に頭にインプットされている。それだけ私にとって強烈なインパクトのある作品だったのだ。

なぜ『BANANA FISH』を図書館で読みたいのか。それはエンディングと外伝の大切な部分に関わってくる。だからそこには敢えて触れないが、本編の最終巻と外伝の2冊は何が何でも図書館で読んでみたい。作中に出てくるNY市立図書館には及ばなくてもできるだけ大きな図書館で、主人公のアッシュと、その最高の友達である英二の気持ちになって一人きりで読んでみたいのだ。号泣必至の内容なのでハンカチは忘れずに持っていくことをおすすめする。

余談だが、この昨日で吉田秋生氏のマンガのとりこになった私は、ほとんどの作品を読んだ。私が人生で一番影響を受けた漫画家が吉田氏である。

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旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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