ぷらすです。
海外映画が日本で公開される時、様々な理由でつけられる邦題は「改善」もあれば「改悪」もありますが、今回は「改悪」だなーという邦題の作品をご紹介です。


ぼくのエリ 200歳の少女 (2010)

原題『Låt den rätte komma in』(直訳:正しき者を招き入れよ)



スウェーデンの作家、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる2004年の小説『MORSE -モールス-』を原作者自らが脚色した吸血鬼映画です。
ストックホルム郊外に住む12歳のいじめられっ子オスカーは母子家庭の孤独な少年です。
ある夜、そんな彼の住むアパートに親子連れが引っ越してきて、オスカーは夜の中庭でミステリアスな雰囲気を持つ「エリ」と知り合うんですね。
ところが実はエリの正体は……。というストーリー。
もしかしたら、米国でリメークされた『MORSE -モールス-』の方で観た人も多いかも。

で、この作品の邦題のどこが問題かというと、“~200歳の少女”の部分。
これ「200歳」はネタバレで「少女」は嘘なんですね。
実はエリは200年を生きる吸血鬼ですが、「少女」ではありません。
元少年なんです。
映画中盤でそんなエリの正体が明らかになるシーンがあるんですが、日本ではそこにボカシが入ってるので、訳がわからないシーンになってる上に物語全体のテイストも変わってしまうっていう、タイトルと映像に二重の改変がされているんですね。

まぁ、原作版を読んでないと、ぼかしのシーンだけ見ても真意は分からないかもですし、ぼかしをかけないと公開自体出来なかったのかも。
「少女」でもある程度内容に差し支えがないと言えなくもないですが、ただ、エリを少女にしてしまうと、エリとオスカーの関係性とか終盤のエリの行動の意味とか、もっと言えば映画のテーマそのものが変わっちゃうので、そういう意味ではやっぱり「改悪」なんですよね。


26世紀青年 (2006/日本劇場未公開)

原題:IDIOCRACY『イディオクラシー』(造語)



本国では2006年に公開されたマイク・ジャッジ監督のコメディ映画です。
原題の『イディオクラシー』は「idiot(馬鹿)」と「cracy(政治)(権力)」から作られた造語で、冬眠実験の被検体になったボンクラ兵士が目を覚ますと、そこはバカの王国だったというストーリー。
コメディ映画ながら、ディストピアを描いた捻りと皮肉の効いた作品で超面白い秀作です。

で、タイトルを見てもらえば丸分かりだと思いますが、完全に“乗っかり型”の邦題で、レンタル店でパッケージを見かけても、このタイトルを見ただけで完全スルーしてしまうんじゃないでしょうか。
まぁ、海外のコメディー映画は中々観てもらえないという話だし、観てもらうための取っ掛りを…と、日本の配給会社も頭を捻ったんだとは思いますが、そもそも元ネタの方もかなりアレな作品だし、こういう乗っかり型のタイトルは如何なものかって思うんですよねー。

内容の方は超面白いので、ぜひ機会があれば一度ご覧下さい。



サスペリア PART2 (1978)

原題『Deep Red』(直訳:深い赤)



イタリアの監督 ダリオ・アルジェントによるサスペンス映画です。
ジャンルで言うとサイコホラーサスペンスで、ダリオ・アルジェント監督の最高傑作と名高い作品でもあります。
で、タイトルが「サスペリア2」となってますが、この作品「サスペリア」とは関係ありません。
というか、制作公開順で言うと、「サスペリア」より本作の方が先だったのは有名な話ですね。
それなのに何故、「サスペリア2」という邦題がついたかというと、日本の配給会社が先に輸入した同監督の「サスペリア」がヒットしたため、別作品として公開するより『サスペリア』の続編として公開したほうが売れるだろうという事だったようです。
ちなみに、「サスペリア」の正当な続編は『インフェルノ』『サスペリア・テルザ 最後の魔女』2作品です。
同じ監督(たまに違う監督でも)の作品を勝手にシリーズにしちゃう邦題って昔はホント多くて、僕も子供の頃は随分騙されたものですww


バス男  (2004/日本劇場未公開)

原題: ナポレオン・ダイナマイト



2004年にアメリカのミニシアターで小規模公開されていたが、口コミでの話題から全米公開のヒット作となったスクールコメディー映画です。
本作も見ての通りの“乗っかり系邦題”で、バスは殆ど関係ありません。(映画冒頭で主人公がスクールバスに一度乗っただけ)
あまりにひどい邦題と苦情が殺到し、今は原題の「ナポレオン・ダイナマイト」に改題されたみたいですね。
ただ、「26世紀青年」と同じ理由で「バス男」という邦題は苦肉の策だったんでしょうけど、それにしてもちょっと…ねぇw

肝心の内容の方ですが、超面白いとは言えないしキャストも誰ひとり分からなかったんですが、観終わったあと、何故か心に残る作品でしたねー。


ゼロ・グラビティー (2013)

原題『Gravity』(直訳:重力)



驚愕の映像表現で大ヒット作した2013年のSF映画です。
スペースシャトル「エクスプローラー号」にてハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を行っていた主人公ライアン・ストーン博士が、大量のデブリ(宇宙ゴミ)と衝突、絶望的な状況や孤独と闘いながらサバイブするというストーリーです。

宇宙が舞台の作品なのだから「ゼロ・グラビティー(無重力)」で当たってると思われるかもですが、最愛の娘を失ってから、生きる気力というか意味みたいなものを喪失したライアンが、この試練を乗り越え生きる意味を見つけるというのが本作のメインテーマで、自分を生につなぎ止めてくれるもの=重力という意味のタイトルなので、無重力ではタイトルに込められた意味自体が変わっちゃうんですよね。

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というわけで、邦題はアレだけど面白い映画5選でした。
もちろん邦題の中には、原題以上に作品を盛り立てるセンスのいいものだって沢山あるし、例えアレなタイトルでも諸々事情がある事も多いので一概には責められません。
僕らが良質な海外作品を観られるのも、作品を日本で配給してくれる配給会社のおかげですしねー。

なので、願わくばせっかく配給してくれる作品には愛を持った邦題を付けてもらいたいなーというのが、一映画ファンとしての願いだったりします。

あと、今回ご紹介した作品はどれも面白いので、機会があれば是非ご覧下さいませー!
ではではー(´∀`)ノシ


この記事を書いた人 青空ぷらす

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