突然だがバンコク。バックパッカーだけでなくたくさんの人が観光に訪れたり、駐在員として暮らしている外国人の多い街だ。街の熱気や楽しさについては色々な人たちに何度も吹き込まれていたし、一度は行くべき街だと思った。だからインドへ留学した際、まずはバンコクで遊んでからインドに渡り、帰りもバンコクで遊んでから日本へ戻ろうと決めた。

初めてのバンコクへ

古いインド友達がヨーロッパまわりを1年旅するために、まずはバンコクに渡るから待ち合わせをして一緒に遊ばないか?と提案してくれた。彼女はバンコクに詳しい。私は当然初めてだ。どうにか日程を合わせようとしたが、私の都合が合わず、結局彼女とバンコクで遊ぶことができたのはインドの帰りに戻ったバンコクでだった。

しかし、やはり別のインド友達が長期間バンコクに滞在中だから遊ぼうよ、と声をかけてくれた。これはありがたい。相も変わらず私はガイドブックもまともに目を通すことなく、深夜のスワンナプーム空港へ到着した。東南アジアを代表するハブ空港であるスワンナプーム空港は整備されていて、デリーのカオスしか知らない私にとっては別な意味でびっくりした。空港からインド友達の携帯に電話をすると「夜中だから渋滞もないし、タクシーで高速使ってカオサンまで来て。また公衆電話から連絡をちょうだい」という。深夜の空港からタクシーになんぞ乗っても平気なのかと思いつつ、そこらへんの職員をつかまえてタクシー乗り場を聞いて、タクシーに乗り込んだ。カオサンロードまで、というとドライバーが多少ふっかけた値段を言ってきたので、メーターを倒してよ!と強気に出るとあっさりメーターを倒して走り始めた。

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高速を走っていると、当たり前だがバンコクは完璧に都会で、とても不思議な気分になった。そもそも都会に暮らしている私にとっては違和感のない光景のはずだが、インド脳ゆえ、その都会さまでもがよく作り込まれた舞台装置のような感じがした。タバコが吸いたい、と呟くと「本当はダメだけど、もう深夜だから窓を開けてくれればいいよ」とドライバーが吸わせてくれた。 

カオサンロードにて

真っ暗でどこをどう走っているのか、そもそも予習もしていないのでわかるわけがないのだが、高速を降りてしばらくして、タクシーが止まったのはとんでもなくはしゃいだ空気が溢れる通りだった。
「ここがカオサンロードだよ」
お金を払い、荷物を受け取って、タクシーが走り去っても、私はその入口でしばらくポカーンとしていた。何なんだ、このハイテンションな空気は。都会とかそういう次元の話ではない。流れている空気自体がはしゃぎまくっているのだ。こんな場所はもちろんインドにはない。あちこちで色々な国の人々が屋台の料理をつまみにアルコールを飲みまくり、奇声を上げている人もいる。

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なんだか面白いことになってきたなと思いながら、重たいバックパックを背負って公衆電話を見つけ、カオサンに到着したことと、そのすぐそばのテラス席のあるバーで待っていると伝えると「15分くらいで行くね」という返事が帰ってきた。蒸し暑い7月の夜中、シンハービールをオーダーし、喉を鳴らして飲みながらカオサンロードの空気に浸っていると友達と、その彼氏と、彼氏の友達の3人が登場し、まずは適当な宿に荷物を放り込んで、そのまま飲みに出かけた。色々とおしゃべりをしながら飲んで飲んで飲んで、宿に戻ったのは翌朝9時過ぎだった。翌日は二日酔いで潰れて終わった。

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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