ぷらすです。
今回ご紹介するのは、漫画家 入江喜和さんのデビュー作『杯気分! 肴姫』ですよー!
下町の居酒屋を舞台にしたほろ酔い人情漫画で、今まで何度も読み返している作品です。



本作は『月刊アフタヌーン』(講談社)の「四季賞・1989年冬のコンテスト」で四季賞を受賞した同名マンガの連載化作品で、食いしん坊でオッチョコチョイな若女将・あや奈、あや奈が子供の頃から同じ屋根の下で兄妹同然に育ってきた板前のイワオが切り盛りする下町の居酒屋「魚奈亭(さかなてい)」を舞台に、常連客や、あや奈の父でイワオの師匠でもある先代店主の好蔵、果てはイワオの恋敵となる医者の群ちゃんなどなど、個性的で魅力的なキャラクターが織り成す、なんてことない日常の物語です。

居酒屋といっても今風なこ洒落たお店でもなく、常連さんが足繁く通う店舗付き住居な昭和の居酒屋。常連客のほとんどは先代 から付き合いのあるオッサンばかりという登場キャラクターの平均年齢が高い作品なんですよねw
作品のテイストで言うと「深夜食堂」に少し似ているかもしれません。

また、いわゆる“グルメマンガ”でもあり、イワオが作る酒の肴の数々は観ているだけでヨダレが出てきてしまうんですよねー。
至高だの究極だの、そういう特別な材料の特別なメニューではなく、イワオが手間をかけて作った至極当たり前のメニューと、美人というわけじゃないけど人懐っこくて客あしらいの上手な若女将 あや奈が迎えてくれる小さな居酒屋なんて、近くにあったら絶対常連になっちゃうw

こうした昭和の居酒屋の情景や下町の様子は、居酒屋を経営していた家庭に生まれ育った入江さんだからこそ描けたのかもしれませんね。 

そうした下町の人情を描いた一話読み切りの物語を中心にしつつ、本作で描かれていくのはあや奈とイワオの恋模様。
周囲の人たちは二人の結婚を望んでいるし、父親の好蔵も何とか二人をくっつけようとしていて、あや奈とイワオも互いに意識はしているものの、中々進展しない二人の仲に、僕も含めた当時の読者は相当じれったい気持ちだったと思いますww

即効性の「面白さ」がある作品ではないんですが、後からジワジワと染みてくるような「面白さ」の作品で、 歳を重ねて読み返すたびに好きになっていく作品でもありますよ。
今は、 エンターブレイン刊ビームコミックス新装版、全3巻が販売されているハズ。(電子書籍でも購入出来るようです)

興味のある方は是非!!



 


この記事を書いた人 青空ぷらす

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