友人たちに誘われるように、巨大なバックパックを背負ってふらっと到着したリシケシュ。ここは修行者の街で、世界中からヨガや瞑想のために人々が集まってくる。私もつい勢いとはいえ、1年近くのヴァラナシでの名ばかり学生生活の後に修行をするのもどうかな、と思っていたが、ここは行ってみなくてはわからない、と足を運んだ。

あんた、日本人かい?

とはいえ、私に修行をするつもりは毛頭なく、最初の一週間は毎日散歩をしたり、乗り合いリキシャーで一緒になったおばちゃんと拙い会話をした。「あんた、日本人かい?」そうだよ、と答えると袋からごそごそとみかんを取り出してくれた。「インドは日本人にとっては暑いだろ?」お礼を言ってみかんの水分を口の中いっぱいに頬張った。この時期はインドの女性と接することが多かった。観光客相手をしている女性以外はあまり外国人と接することがないおばちゃんたちと会話をするのが楽しかったのだ。

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山の中に放置

他にもチャイ屋さんでだらけながらチャイを飲んだり、何より笑えたのは、一緒に山の上に出かけた友達と大ケンカをし、私は山に置き去りにされてしまったことだ。幼稚園児並みのヒンディー語は話せたから乗り合いリキシャーをつかまえて無事に帰ってくることが出来たが、あれはどうにかなったが、あれがまったくヒンディー語が出来なければ洒落にもならない。

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ヨガはめでたく面白い!と思うことができた。ただし、朝晩レッスンするほどの体力も根性もないので、私は夕方のクラスへ行った。それでも身体は少しずつ伸びて心地よかった。「ヨガ英語」がまったくわからない私に丁寧に通訳をしてくれた女の見惚れるようなポーズや、中国雑技団かと思うような身体の柔らかい女の子(ヨガは柔らかいだけでは行けないらしいのだ)、朝晩ガンガンにレッスンをしてヘトヘトになっている男の子、みんなそれぞれに個性的で面白かった。中でも日中はすごい勢いでレッスンするのに、アルコールが好きで、レッスンが休みの前日になると、わざわざ隣町まで出かけてはビールやラムを仕入れ、自分の部屋で大宴会を開いたことだ。私は元々彼とヴァラナシで何度も顔を合わせて一緒に飲んだくれていたので、これは楽しかった。しかし、彼も私も加減を知らないため、翌日には立派な二日酔いになっている。あれも辛かったが、今思い返すと本当に楽しかった。

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彼ら、彼女らは今でも定期的にリシケシュで修行しているようだ。先生のコースを取ったり、他の流派に鞍替えしてヨガを続けている。こんなことをいうといわゆるスピ系の人のようだが、ヨガは確かにいい。自律神経も整うし、私の相当頑固な不眠症も治った。背筋がきちんと伸びて自律神経が整えば健康に向かうことは間違いないと思う。

 


私はリシケシュで体験したヨガクラスに日本でも時々通っている。残念なことに最近は通うことができていないが、諸々が落ち着いたら再度通って「いたたたた……」といいながらゆっくりとポーズを取りたい。
 

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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