4月1日は特別な日だ。2003年。レスリー・チャン(張國榮)が亡くなった。46歳だった。時間の流れは早い。香港の映画界、音楽界のスターが消えてから10年以上の年月が経った。ここに並べたのはレスリー・チャン(張國榮)が出演した映画のマイ・ベストだ。順位はない。どれもが名作だと思っている。

さらば、わが愛/覇王別姫(1993年)



監督はチェン・カイコー。レスリー・チャンが麗しすぎる。京劇の役柄である「虞美人」が憑依したかのような演技だ。何十年後も残る映画だと思う。すべてのシーンに走る緊張感は絶品である。まだ、観ていない人がいれば人生、損をしている。おそらく、彼の最高傑作と言っていい。

さらば、わが愛 覇王別姫 [DVD]
レスリー・チャン
角川書店
2012-07-20



君さえいれば/金枝玉葉(1994年)



監督はピーター・チャン。レスリー・チャンは音楽プロデューサー役だ。とてもシンプルなストーリーになっている。共演はアニタ・ユンとカリーナ・ラウ。見せ所は途中、レスリーがピアノで歌う場面だろう。続編(『ボクらはいつも恋してる!金枝玉葉2』)もつくられた。

君さえいれば 金枝玉葉 [DVD]
レスリー・チャン
パイオニアLDC
1999-09-24



欲望の翼(1990年)



監督はウォン・カーウァイ。映画って冒頭から、ゆるやかに世界へ引き込まれていくものが多いような気がするけれど、これは違う。いきなり「カッコイイ」。ザビア・クガートとロス・インディオス・タバハラスの音楽が不思議にハマる映像美。最後まで、ただ、ひたすら「カッコイイ」に尽きる映画だ。

欲望の翼 [DVD]
レスリー・チャン
ジェネオン・ユニバーサル
2012-06-20


レスリー・チャン。他にも捨てがたい作品に多く出演していた。『夜半歌聲/逢いたくて、逢えなくて』や『ブエノスアイレス』『楽園の瑕』『上海グランド』『金玉滿堂』などなど。さまざまな監督に愛された。さまざまなファンにも愛された。

人生に「たられば」は禁物かもしれない。それでも、どうしても思ってしまう。もしも、レスリーが生きていたら、どんな映画に出ていたのだろう、と。やりきれない複雑な気持ちになる。映画のなかのレスリー・チャン(張國榮)を観ているとね。

この記事を書いた人

yosh.ash

文章と音楽。灰色の脳細胞です。
*Respective Colours* Organizer
Respective Colours *Magazine*  twitter  


スポンサーリンク