バックパッカーとして一人旅をするにあたって、きっちりとルートを決めて、てきぱきと目的地を移動していくタイプと、何となく行き当たりばったりやノリで次の目的地を決めるタイプがいると思う。私は完全に後者だ。ヨガの聖地として名高いリシケシュにもそんな感じで行ってみた。

ザ・ビートルズが修行した街、リシケシュ

リシケシュはウッタラカンド州にあるガンガー(ガンジス川)沿いの街。しかしヴァラナシのガンガーと同じ川なのかと思うほど水がきれいだ。ザ・ビートルズがマハリシのもとで瞑想の修行をしたことでも有名だ。もっとも私はリシケシュに着いて、レストランで食事をしていた時にビートルズの曲が流れてきてそのことを思い出したので、修行の場であったビートルズアシュラムにも行かなかった。

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リシケシュまでの道のりは長かった。ヴァラナシを朝出発して、列車に乗ってハリドワールまで移動し、バスに乗り換えてリシケシュへ到着したのは翌朝だった。いったんデリーへ行って一泊して、翌日バスで向かうほうが体力的なダメージは少なかったような気もするが、それはそれだ。

ウクライナ人カップルと列車旅

列車の中では同じコンパートメントになったウクライナ人のカップルと楽しく過ごした。彼はとても穏やかで温かい人柄が染み出すような人で、彼女はちょっとやんちゃだが純粋でとても良いカップルだった。彼は英語が苦手で彼女が彼の言葉を訳しながら楽しく話したが、時々彼女がうまく訳せない時、彼は笑いながら「ダメな通訳だねー」と言って彼女をぶつ真似をした。彼は村上春樹の愛読者で、もっと日本の小説を読みたいと言っていた。喫煙者である彼女と私は途中停車する駅のホームや、トイレの中(本当は禁止)で一緒にタバコを吸いながら「不良の高校生みたいだね」と笑った。

ハリドワールに到着して、まだ暗い中を彼がハリドワール行きのバスを探してくれてまた一緒に乗り込んだ。この年はヒンドゥー教最大の祭であるクンブメーラがハリドワールで行われ、暗がりの中でもたくさんの人々がガンガー沿いにいるのが見えた。そして無事にリシケシュに到着した後はそれぞれの行き先が違うので「ありがとう、楽しかった!」とハグして別れた。あのカップルのことはよく思い出す。

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リシケシュには数名の友人がヨガ修行で滞在していたので、彼らのいるエリアを目指してオートリキシャを拾い、右往左往しながらどうにかその中の1人が滞在しているゲストハウスへたどり着いた。何しろ行き当たりばったりなのでヴァラナシで大まかな地図をコピーし、それだけを持って移動してきたのだ。

友人は朝のヨガクラスに出席するというので、彼が戻ってくるまでシャワーを借りて、仮眠させてもらった。とても清潔で快適な宿だったので、予算を完全にオーバーしていたが、リシケシュの後はデリーから出国するだけであったので贅沢をしてしまおうと別なフロアに部屋をとった。

狭いバックパッカーの世界

1人で外をふらつくとなんともいえず開放的な気分になった。長いことヴァラナシに滞在していると街が小さいので誰もが私のことを知っている。少し長めに滞在しているバックパッカーも私の顔くらいは知っているのだ。誰も私を知らない、というのは悪くない。……と思いながら歩いていると、日本人の男の子に「あれ?シヴァゲストハウス(ヴァラナシの定宿)のお姉さんですよね?こんなところで何してるんですか?」と声をかけられ、またしばらく歩いていると以前に会ったことのある男の子が「何してるんですか!ここはリシケシュですよ。ガンガー上ってきちゃったんですか?」と大笑いしながら話しかけてくる。バックパッカーの世界は狭い。
 

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madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
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