今回は、いつものヴィジュアル系語りと少し離れたお話をしようと思います。自分と同世代なら、なんらかの形でこの方の紡ぐ言葉に触れているはずの作詞家、森雪之丞せんせいについて。

・デタラメ中華なんだけど、幼い頃はなんか大人っぽく思えたんだよな。『じゃじゃ馬にさせないで』

らんま1/2 TVテーマソングス コンプリート
西尾えつ子
ポニーキャニオン
1999-03-17


奴一破奴一破一向聴
はしゃぐ恋は 池の鯉。
奴一破奴一破一向聴
胸の鯛は 抱かれタイ


「一向聴(イーシャンテン)」は麻雀用語で、「あともう1手で役満」という意味です。いきなり麻雀の喩えから始まりますが、2行めの「はしゃぐ恋は 池の鯉。」というダジャレとして成立しているかどうかですら怪しいセンテンス、なぜか丁寧に句点付き。というぶっ飛びぶり。なんの繋がりもありません。「胸の鯛は 抱かれタイ」は、ちょっと何言ってるのかよくわかんない。2番の歌詞も見てみましょうか。

奴一破奴一破二向聴
踊る接吻は 海の鱚。
奴一破奴一破二向聴
恋の鯵は 隠し味

ここでもやはりダジャレ紛いが・・・役満まで遠くなっとるぞ。子供には難しい漢字が多くて、まぎれもなく日本語なのに、字面はなんとなく中華感が・・・いや気のせいかな。この曲、ラストがAメロの繰り返しで終わるちょっと変わった構成なのですが、そのAメロはこうだ。

訳もわからずに らんまらんまで 日が暮れる
君と逢ってから らんまらんまで
ナンダカンダと、すったもんだの世紀末 

「らんま」は同アニメの主人公の名前なわけですが、そこを「らんまらんまで」と副詞っぽく使い、「ナンダカンダと」「すったもんだの」と即興のライミング。「世紀末」で括られるのは今の感覚では古くさいですが、CDバブル期以前のJ-POPではしょっちゅう用いられた結詞ですね。逆にいえば、当時としては少しオシャレな言い回しだったという捉え方もできます。実はリアルタイムの記憶ってあまりないのですが、なんとなく曲は大人っぽい印象があったのです。「媚薬」とかいう単語が出てくるからかもしれませんけど。


・キテレツ大百科の付録ってオレンジページだったのかもしれないな?『お料理行進曲』

キテレツ大百科 スーパーベスト
TVサントラ
日本コロムビア
2004-01-21


炒めよう ミンチ 塩・コショウで
混ぜたなら ポテト 丸く握れ
小麦粉・卵にパン粉をまぶして
揚げればコロッケだよ

この通り、ただの「ご家庭にある材料で手軽にできる!コロッケの作り方」です。オレンジページみたいな歌詞と同アニメ本編の内容にどんな関連性があるのかといえば・・・、ほとんどありません。作中のマスコット的なキャラクターであるコロ助の大好物、っていうだけです。冒険チックなアニメーション映像も秀逸なものでしたが、本編は基本的に(たまにタイムスリップとかするけど)お家と勉三さん宅と学校と八百八で完結するのでこれも特に関係ありませんね。

最後の最後でキャベツを入れ忘れていたことに気づくわけですが、1人(1体)だけフライングして食べちゃってるコロ助が可愛いので、それでなんか全てがどうでも良くなるんですね。コロ助こそが奇天烈齋さまの発明品の最高傑作。実際、キテレツと仲間たちや勉三さんのドタバタ劇だった初期から中期までとは雰囲気も変わり、末期はコロ助がらみのストーリーが多く、実質的な主役ですからね。ちなみに、原作でもどら焼き大好きなドラえもんとは違って、コロ助がコロッケ大好きなのはアニメオリジナルの設定です。

あともうひとつトリビアを・・・トンガリだけ、ナイフとフォークでコロッケを食べようとしています。自分の家庭では、お好み焼きをナイフとフォークで食べる謎の慣習がありまして、結構いい歳になるまでそれが当たり前だと思っていました。




・でも、どうせプラーナのことだから、全くもってヴィジュアル系が無関係なわけでもないんよ?

上記2つや、『ドラゴンボールZ』の数々の主題歌、『クッキングパパ』の『ハッピーハッピーダンス』(これも歌詞のほとんどの部分が食べ物の名前でのしりとりというシュールな歌)にも非常にお世話になりましたが、2つ前の記事でちょっとだけ触れたΛucifer(リュシフェル)や、ソロデビュー当時のhideさんや、ヴィジュアル系とはズレるけれども布袋寅泰さんの楽曲の作詞もされています。そちらの言語感覚もなんかすごいのですが・・・終わらないのでまたそのうち。




この記事を書いた人


 プラーナ

henkou_ver


サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。


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