バックパッカーにとって居心地の良さに心身が弛緩してしまう沈没地は重要だ。田舎町でのんびりと海を見たい、と思い立ってオリッサ州にあるプリーという街に行くことにした。ヒンドゥー教の聖地にして沈没地。噂によると本当に何もない田舎町だという。

ヒンドゥー教の聖地、プリー

プリーには2度行っている。最初は1人で、次は後から友達がやって来た。プリーはヒンドゥー教の聖地で、ジャガンナート寺院という寺院がある。ジャガンナートとは元々はオリッサの辺りの土着神だが、そのうちにヒンドゥー教に吸収されて、有名なクリシュナ神などと一緒にヴィシュヌ神の化身の1つとして数えられるようになった。

しかし、ジャガンナート寺院はヒンドゥー教徒以外は足を踏み入れることができないので、内部がどうなっているかはわからない。近くの高い建物の屋上に登るとなんとなく内部を眺めることができる程度だ。

私は観光に精を出すタイプでもないので、プリーではとにかく海辺でぼけーっとしたり、日光が強すぎる時間帯はゲストハウスのテラスでだらけたりと、まさに沈没を楽しんだ。プリーの陽射しはなかなかに強烈で、薄曇りの中を友達と30分程度歩くだけであっという間に日焼けした。

puri
 
ビーチはお世辞にもキレイとは言えなくて、特にフィッシャーマンたちが住んでいるエリアは、何というかその……人の排泄物だらけで、歩く時にも気をつけなければならない状態だった。それでも裕福なインド人巡礼者が多く滞在しているホテルエリアのビーチでは、インド人一家も海遊びを楽しんでいて、なごやかな雰囲気が漂っていた。

もちろんヒンドゥー教の聖地のため、水着でいるのは外国人旅行者くらいで、インド人巡礼者は着衣のままだ。私はショートパンツとTシャツで浅瀬で遊んでいたが、新婚旅行で訪れていたインド人夫婦に「一緒に遊ぼう!」と声をかけられて、3人で嬌声を上げながら水をかけあったり、波に足を取られて転んだりしながら大笑いして遊んだ。あれは楽しかった。

ビーチとねこぢるのイラスト

ある時は朝早い時間帯にビーチへ歩いていくと、途中におんぼろな小屋を発見した。そこはチャイ屋で、チャイの他には何種類かのジュースがあるだけの店だった。店主が手招きをするのでそこに入り、チャイを飲んでいるとノートを持ってきた。オススメコメントでも書かされるのかと思ったが、そこにはねこぢるの絵があった。思わず、あー、ねこぢる!と言うと、旦那さんと弟が来てチャイを飲みながらイラストを描いていったのだという。その時は既にねこぢるは亡くなってしまっていたが、少し感慨深い気持ちになってイラストを撫でてみた。

インドぢる
ねこぢるy
文春ネスコ
2003-07


この記事を書いた人

bloglogo
madokajee

旅と音楽と本が好き。別名義でWebライターとして活動中。
note  twitter 


スポンサーリンク