ぷらすです。
今回ご紹介するのは、1977年公開の海洋動物パニック映画『オルカ』ですよー! 
スティーブン・スピルバーグ監督「ジョーズ」の大ヒットを受けて、フォロワー的動物パニック映画はその後随分作られ、本作もその流れの一本ではあるんですが、その他のジョーズフォロワー映画とは一線を画す隠れた名作です!



概要


 妻を人間に殺されたオルカの復讐を人間との戦いを通して描く。製作はディノ・デ・ラウレンティスとルチアーノ・ビンチェンツォーニ、監督は「2300年未来への旅」のマイケル・アンダーソン、脚本はルチアーノ・ビンチェンツォーニとセルジオ・ドナティ(ノヴェライゼーション/アーサー・ハーツォーク著・KKベストセラーズ刊)、撮影はテッド・ムーア、海洋監督はフォルコ・クイリチ、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演はリチャード・ハリス、シャーロット・ランプリング、ウィル・サンプソン、ボー・デレク、ロバート・キャラダイン、キーナン・ウィン、スコット・ウォルカー、ピーター・ホーテンなど。(映画.comより引用)

ざっくりストーリー解説


漁師のノーラン(リチャード・ハリス)は、水族館に売りつけるためシャチを生け捕りにしようとするも、お腹に子供を抱えたメスのシャチを殺してしまいます。
それを、海から睨みつけていたのは、つがいのオス。
妻と子の復讐を誓ったシャチはノーランへの復讐に燃え、修理のため港に碇泊中のノーランの船バンポ号狙うように港内の漁船が沈められ、港のパイプラインは切られて火災が起こり……。
妻と子を事故で亡くしているノーランは、シャチの復讐心を理解しながらも、シャチとの対決に臨む。
というストーリー。

その他のジョーズフォロワー作品と十把一絡げにされがちですが、無差別に人を襲う巨大ザメの恐怖を描いたジョーズに対し、本作のシャチは妻と子を殺した人間への復讐という明確な理由がある、いわばジョーズとは正反対の作品なんですね。
僕が初めて本作をテレビで観たのはまだ子供の頃でしたが「悪い人間をぶっ殺せ!」と、完全にシャチ目線で観てましたねー。

海洋版マカロニウエスタン


妻と子を無残に殺された主人公が、復讐のため一人悪漢どもに立ち向かう。
これは西部劇、特にマカロニウエスタンなどでよく描かれるモチーフです。
つまり、本作は海洋版のマカロニウエスタンなんですね。
しかも主人公は、人間じゃなくてシャチっていうトンデモ設定。
しかし、知能の高いシャチを主人公にすることでトンデモ設定にリアリティーを持たせつつ、海洋生物パニックものとしても完成度の高い本作は、ある意味ジョーズへのアンサーでもあるのかなと。
人喰いザメを絶対悪として人間目線で描いたジョーズに対して、本作では人間の傲慢が災いを呼び込むという因果応報の物語ですしね。

一方でノーランは、飲酒運転に巻き込まれて妻子を亡くした過去があり、このシャチの怒りや気持ちを理解し、自分の罪に苦しむという描写も描かれていて、どちらか一方が完全悪の物語でないところも、個人的には好感が持てるんですよね。
まぁ、それにしたってシャチを擬人化しすぎな感じはありますけどねー。

映像の迫力


あと、本作で驚いたのは映像の美しさとリアルさ。
冒頭、夕日の沈む北の海を泳ぐ二頭のシャチの美しさと対比になるように取られたラストシーンや、水中でのシャチの動き。
特に、船に引き上げたメスの死体から死んだ子供がこぼれ落ちるショッキングな映像は、一体どうやって撮影してるのか、まさか本物!? 思うほどリアルなんですよね。
これ、シャチが傷ついたりする一部のシーンはアニマトロニクスを使い、ほかのシーンは調教された実際のシャチを使って撮影しているんだそうです。
本物のシャチだからこそ、当時としては驚く程リアルで迫力のあるシーンが撮影出来たんですねー。
まだCGのない時代ですからね。この映像だけでも観る価値があるんじゃないかと思いますよ。

本作は77年と古い作品ですが、数年前にTSUTAYAの「発掘良品」として登場しているので、レンタルできるお店も多いんじゃないかと思います。

もし、機会があれば是非ご覧下さい!



この記事を書いた人 青空ぷらす

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