北海道出身のロックバンドといえばGLAYが有名ですが、今回は同じ北海道出身でGから始まるバンドでも随分と変わり者の、GUNIW TOOLSを紹介します。バンドというよりは、自分たちでほとんど全部のPVを製作したり、後期は専属のダンサーが付いていたりしたので、どちらかというとクリエイター集団です。

GUNIW TOOLSと書いてグニュウツールと読みます。「GUNIW」という単語は「ぐにゃぐにゃしたもの」という意味の造語です。

 

・歌も映像もゲーム制作も料理もこなす謎のネパール好き-古川とも(Vocal)


ボーカルの古川ともさんは、元々は映像作家でもあり、かつてはアーケードゲームを開発していた人です。音楽業界全体としても、ゲーム業界出身の映像作家からバンドマンになった人なんてかなり珍しいでしょう。近年はネパール料理店でチャイを作ったり、ブログを更新しては消したり、まあ謎の多い方ですが、多芸多才です。

 

・元気でやられキャラなパンク兄ちゃん-ASAKI(Guitar)

 

古川さんはかなり不思議な方ですが、ASAKIさんは対照的に、とてもよく喋る人懐っこいお兄ちゃん、という印象です。AGE of PUNKという、その名の通りパンクな音楽性のバンドも引っ提げていらっしゃいます。


NIWLUN
GUNIW TOOLS
ビクターエンタテインメント
1996-04-24


・曲は優しいけど歌詞は辛辣。メジャーデビューアルバム『NIWLUN』

 

このお2人が最終的なメンバーですが、初期はもうお1人、JAKEさんというギタリストが在籍していました。その、JAKEさんの多様な音楽素養が楽しめるアルバムがこちら、メジャーデビューアルバム『NIWLUN』

 

「にゅうるん」と読みます。歌詞カード内には、古川さん作の可愛い、たまに若干きもちわるいイラストがてんこもりで記されているのですが、最後のページにフクロウのような姿をしたキャラクター「にゅうるん」が描かれていて、これがタイトルの由来と思われます。ただ、「にゅうるん」の意味については、全くよくわからない謎の言葉。バンド名と同じく、造語なのかもしれません。

 

JAKEさんは脱退後、アコースティックを前面に出したユニットを組んでいて、この『NIWLUN』もアコースティックな匂いが強いです。いわゆる「ノレる曲」はあまりない。ヴィジュアル系のアルバムの定番「ライブでアタマ振る曲」もなし。

自分も最初は苦手でしたが、意外と曲調自体はキャッチーだったり、何よりJAKEさんのアコギの音色はとても綺麗なんですね。そこへパンク兄ちゃんASAKIさんのザクザクしたギターが絡み合うのが絶妙で。

ここにネチっこい古川さんの歌が乗るわけですが、歌詞はまあ哲学的で辛辣です。『未練は思い上がり』『真心求める自己愛者』とか、もうタイトルからしてキツイ。説教されている気分です。

・神が人間界に少しだけ降りた感じの『傘さすことの歓び』

その中で唯一、優しさの欠片が見え隠れするのが『傘さすことの歓び』。いや、優しさといっても、サビの締め括りが、

 

雨雲破る陽を受けれない 当然だけど 共に


うん 。やっぱり、身も蓋もない。のですが、「共に」の一節だけで、なんだか温かみを感じてしまうのです。それも「当然だけど」と。他はなんというか、神視点で人類の愚かさを眺めているようなものが多いですから。一般ピープルに近い目線の歌詞は、アルバム全12曲中これだけ。この後は再び神視点が続き、ラストから2つめの『スタイリッシュパンピーの青年期』で、ほぼ空白の中高時代を送った自分などは撃ち抜かれます。

与えられた永遠も その身の中 無駄になる


ああ、今日も明日もまた、ぼんやりと人生を無駄にしてしまう。人生は永遠であるかのように見えて、そうではないのに。でもまあ、ぼんやりするのも人生。GUNIW TOOLSさんご自身も、この時点ではぼんやりしていました。2011年の動画ですが、再結成は3年後の2014年。無駄も悪くないのかもしれません。知らんけど。



この記事を書いた人

henkou_ver


 プラーナ

サブカル中二病系。永遠の14歳。大人のお子様。 

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